Nike Kobe 11 Elite レビュー

今シーズン限りの引退を表明したKobe Bryant。
今回は、その現役最後を飾るシグネチャーシューズとなった本作、Kobe 11をレビューしてみたいと思います。

Kobeシリーズは毎作評価が高く、その集大成と思われるモデルということで、個人的にはかなり期期待してる1足でもあります!
シグネチャーモデルの中でKobeシリーズは一貫して”素足感”をメインタイトルに掲げ開発されてきましたが、Kobe 9からは少しクッション強化方向へ振ってきており、前作からはZoomAirも復活。
そして今作もZoomAirを搭載しながら、ミッドソールをインサート方式に戻すなど前作と一変、というかKobe 9の後継と呼んでもおかしくないパッケージングへ変更されましたが果たして。


さて、まずフィット性。
アッパーはKobe 9のエリートモデルから採用され続けてるFlyknit。
ただ、Flyknitだけという訳ではなく、天蚕糸の様なTPU紐も合わせて織り込まれてます。
Kobe 10のエリートは機会がなくて現物見れてないのですが、Kobe 9のエリートで採用されたFlykinitはそれこそ”織物”のみで構成されてたので、この糸は今作からかと。(そういやKobe 9 Eliteのレビュー書いてないな・・・。)
そしてこの紐の役割は”補強”の為ではないかと。
Flykinit自体そこそこ厚めで、しっかりしたマテリアルですけど、織物な為か熟れてくるとフレキシブルな反面、少し心細く感じた事が若干ありました。
それが今作は、現時点で5回ほどプレイして少し熟れて来ましたが、サイドステップを踏んでもかなりカッチリ止めてくれてるような印象です。
併せて従来と同じく、FlyknitにFlywireが縫い込まれてる形式。
正直、フィッテングにそこまで影響はあまり感じないです・・・。

アッパー。Flyknitに天蚕糸の用な糸が合わせて織り込まれてる。
従来どおり、Flywireが一緒に縫い込まれてる。
ラストは前作に比べて若干細めですかね。これはインサート構造によるものかと。
大体Kobe 9と同じと考えて問題無いと思います
ただインサートの造形、特にアウトリガーの位置の土手が高めなので、足幅広い人は少し痛いかもしれません。

Kobe 9 までのインサートはLunarlonマテリアル直でしたけど、今作はLebron 11の様に表面に
ファブリックが貼られてます。
事、滑りづらさに関していえば、Kobe 9の蛇の鱗からインスパイアされてるインサートが一番でしょうけど、特にプレイしてて滑るなどが有る訳では無いので安心して下さい。
インサートで1点気になったのは、踵側の縁が少し高め・厚めで、最初履いた時は踵に当たり、違和感を感じました。
慣れればそこまでは気にならないですけど、上手く嵌めないとフィットに影響するので、ちょっと厄介に感じます。

スタンスはこれまでのKobeシリーズ共通でフラット、っと言って問題ないかと。
Kobe 8のインサートと比較すると踵側が若干高いですけど、体感で変わるほどの差は感じなかったです。
重心が踵側に来るので、いろいろな面で安定性があります。ただ、ヒールストライクな走り方すると少し加速し辛いのも相変わらずでした。

踵の掴みは珍しく甘めです。
プレイしてて抜けてしまう程酷くは無いですけど、ちょっと遊ぶ感じが気になります。
比べた感じ、出口付近のパッドが今作は少し薄めに感じるので、その性かと。
外付けのヒールカウンターは今作も無いので、引っかかりも無いですしね。

インサートの踵の縁。
若干靴と隙間が有るんだよなー・・・。
”Archilles”モチーフはTPU造形。個人的にはお気に入りポイント。
インナーブーティでかつ甲は低め。ここらへんは前作共通ですね。
シュータンは薄めですが、今作は意外にレースが締め付け辛く、ちょっとロックダウンが甘くなりがちになるのが少し気になりました。

インナーブーティ自体はメッシュですけど、アッパー自体がそこそこ密度の高い織物なので、通気性は少し悪いかなーと感じます。タンも今作はメッシュじゃないですしね…。(名称的にはメッシュらしいですけど…。)
現に、冬場で履いてても少し蒸れます。

インナーブーティ。
シュータントップはPUにゴールドのシースロゴ。
中足部のタンは写真撮り忘れてしまいましたが、PUの横と同じく、布地にステッチでスネークスキンのような模様が
あしらわれてます。
サイドからのシルエット。全体的に丸っこいです。
くるぶし周りのカットが若干変わりましたね。

続いて、クッション。
ミッドソールは上でも少し触れたようにインサート式に戻りました。
基本はルナロンでかつ、ヒールにZoom Air。
この組み合わせは直近だとKobe 10、インサートではKobe 7、Kobe 8の時のオプションNike+インソールと同じパッケージング。
前述の通り、ヒールは少し厚め。フォアフットの厚さはほぼ変わらずです。
フォアフット側は前作のNike Freeインスパイアのカットを更に昇華させ、細かな六角形のカットを全体的に配置。屈強性と接地感は前作より上がってるように感じます。
ただ、密度が下がる為か、前作はまだしも、Kobe 8やKobe 9 の時に感じたルナロン独特の”もっちり感”は少し減った印象です。
フルレングスルナロンだとまた印象が変わるかもしれないです。

ヒールのZoom Airは、過去のレビューでも書いたとおり鈍感な私ですが、感じることができる反発。

インサート表。上で触れた様に、表面に布地貼られてます。

裏側。フォアフット側は六角形の切り込みが全体的に配されてます。
六角形の切り込みは曲がりに対して非常にフレキシブル。
ただ、面では無く、点で支える形になるので、ルナロン特性のもっちり感が…。
ちなみに、六角形の中にもKobeのシースロゴ的なパターンが入ってます。
ヒールのZoom Airは従来のサイズと変わらず。
その反発はちゃんと感じることが出来ます。
気になるインサートの内側のシースルーはなんて呼べばいいでしょう。シャーシ?フレーム?
そしてなんと表現すれば良いでしょう…。うーん、下敷きが一番近いですかね。
思ったより柔らかめの材質で、インサートを抜くとそれこそぐにゃぐにゃ。
シャンクもないので、フルレングスぐにゃぐにゃです。
硬さはKobe 8のフォアフット部分の底材と同じくらいでした。ただ、Kobe 8程インサートの遊びは無いので、”インサートと側が捩れる”なんて事は無かったです。
構造は熱圧着かなと思ってたんですが意外に普通で、TPU紐による縫い付けでした。

という訳で、Kobe 9の様に底材にもクッションが入ってる訳でもないので、クッションはこのインサートのみ。ということは、クッション性を求める人にはちょっと物足りなく感じるかもしれません。その為のフルレングスオプションなのかもしれないですね。

厚さもKobe 8と同じくらい。
フレキシブルさと低さ、総じて”素足感”を求めてのチューニングなのだろうと個人的には納得してます。

透け透け。
インサートにも触れたので、ここで重さにも触れとこうと思います。
総重量は359g。Kobe 10より軽くKobe 9より重い。(測った中ではKD 7と同じでした。)
特筆する程の軽さでは無いですが、十分軽量と呼べる部類かと。

インサート単体では60g。これは歴代のKobeシリーズのインサートの中では一番重いです。(Kobe 8=29g、Kobe 9=33g)
ただ、手持ちでAir入のインサートが無いので、もしかしたらAirユニットが重量の要因かもしれないです。(ちなみにHyperchaseのフルレングスファイロンは87gとダントツです。)




最後にグリップ。
相変わらず安定のグリップ力。
最初触った感じKD 8と同じような硬さをに感じたので、ちょっと心配しましたが、杞憂でした。
感覚的にはこれまたKobe 8に近いですかね。硬質でありながらしっかり粘ります。
Kobe 10ももちろん粘ってましたが、あちらはもっとラバーが柔らかいので、ちょっと感覚が違うように感じました。

基本的にはブロックパターンで縁はスリックと言っても過言無いです。
前から後ろまで見えるパターンは両サイドのブロックパターンより一段低いです。
このパターンがどの様に効いてるかは正直わからなかった、フレックスグルーブの扱いでいいのかと。ただ、そもそもがフレキシブルなので…。

アウトリガーもしっかり出ているので、しっかり安定します。

ブロックパターン。
センターに走るパターン。ここではフレックスグルーブという事にしときます。
見づらいですが、ヒールにはシースロゴのパターンも入ってます。
縁周りは小さなドットの入ったスリックパターン。外側に出っ張る形なので、安定性は高いです。
そして、使う前に写真を取れず、汚いという…。本当に申し訳ございません…。
アウトリガーはしっかり出っ張ってます。
おまけ:いつものはヒールのインサイドとトゥのアウトサイドに入ってます。


という訳で、以下のように評価してみようと思います。

フィット … 8/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 6/10
クッション … 9/10
コスパ … 7/10
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ALL … 39/50

Kobeの現役最後のモデルであり、集大成と呼ぶべきモデルではありますけど、このKobe 11から思うに、もしかしたらKobe 9でKobeの求めるシューズは一つの完成を迎えてたのかもしれないなーと個人的には感じてしまいます。
Kobe 11でも相変わらずの完成度の高さとバランスの良さはありますけど、”劇的な感動”は特に無く、”Kobe 9のアップデート”と考えると納得の行くパッケージかなと感じます。(グリップは若干グレードダウンしてしまいましたが、クッションはズーム搭載で強化されてますよ!っと。)
Kobeブランド、出来てくれないですかね…。ナンバリングを継続してほしいと心から願っています。

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