adidas D Rose 7 Boost レビュー

熾烈なプレイオフファイナル＆寂しいシーズンオフがついこの間に感じるのに、もう16-17シーズンが始まってしまいました。1年って早いです…。

今年度のトレードの中で個人的には結構衝撃だったのが、D.RoseのNYK行き。
やはりRoseには地元Chicagoで＃1を付けていて欲しかったという個人的要望が有りますが、新天地に行っても爆発的なアジリティを発揮してくれているのは大変喜ばしいです！

さてさて、そんなD.Roseのシグネチャー7作目、D Rose 7 Boostを今回は見てみようと思います。

実はRose 7のレビューを書き始めてから既に2ヶ月…。なかなかまとまらなかったです…。
というのも、色々なバランスをどう表現すれば良いかがとても難しく…。
ただはっきり言える事は、今作、個人的には本当に良策だと思ってます！
特にガードでスピードプレイヤーに是非一度チャレンジしてみて頂きたい程。
では早速。

今回購入したカラーウェイのタイトルはわかりませんでしたが、どう見てもChicagoホームなカラーですね。
現在販売されているカラーの中ではまだKnicksカラーは無いところを見ると、adidas陣営も寝耳に水だったのでは無いかと勝手に想像してみます。

まずサイジングですが、5から変わらずの傾向で縦が長め。

構造は前作似…と言うより、作りとしてはLebronシリーズ的なタンまで一体のスリップオン式。
前〜中足部までがで薄めの内張り＋メッシュ。補強が必要な箇所にはシンセティックレザーを更に1枚。
中〜後足部は、切り替えしてGeofitインナー。
ロックダウン強化の為に、外側からシンセティックレザーのカラーと、ヒールにTPUのヒールカウンターを配してあるパッケージング。

前作がマイサイズで大丈夫だったことから今回もマイサイズを購入してみましたが、今作も大丈夫そうです。
ただ、レースホールの最下段が浅めの位置なので、人によっては横方向も少し抑え込みが弱いと感じるかもしれないです。なので、ハーフサイズダウンまで含めた試着を。
もしくは、インソールがいつものツルペタなので、交換前提でサイジングしてしまうのもありかと。（スリップオンなので、剥がすのは少し大変…。ちなみに、レビューはノーマルのインサートの状態を書いてますが、常用はインサート交換してます。）

半面、中～後足部周りのフィット感は素晴らしい。
特に、踝周りを覆うように配されたカラー？(US adiasのHPの説明ではこう書いてある)とGeofitインナーのパディングによる中足部の抑え込みと、左右に分割して配されたTPUヒールカウンターによる踵の押さえ込みが良く、剛性感も高い。文字通り"ブレ知らず"の感覚を味わうことができます。
それこそ先日投稿した今シーズンモデルの2作よりもダントツに良い！

土踏まずのアーチへのサポートも良好！
アウトソールを真横から見てもらえればわかりますが、インサイドとアウトサイドで高さが違い、インサイドの方はアーチに反って持ち上がってます。

レースパターンの最下段が浅めの位置なので、中足部辺りからの締め付け。

中足部を抑え込むカラー。
鎧張りに重ねられてるので、屈曲の邪魔にならないです。
そして、なんかちょっと男心が擽られるデザイン(自分だけかも…。)

左右から挟み込む様に配されたヒールカウンター。
申し訳程度のヒールタブ。怖くて使えない…。

Geofitインナー。
中足部周りのスペースをうまく殺してくれます。
 Crazy Explosiveにも入ってましたけど、ある程度剛性高い方がやはり効果が強いかと。

青丸部分がアーチに沿って持ち上がってます。

加えて、ソール周り。

ミッドソールは前2作と同じく、Roseもついに"フルレングスBoost"に。(といっても、Roseの場合、爪先の先っちょ分しか増えてないですが。)

厚さはCrazy Explosiveより若干厚め。体感的にはRose 5と6の中間位に感じます。

前2作でも少し触れましたが、今シーズンモデルに搭載されているBoostフォーム、少し"コシ"が強めに感じられます。
Boost特有のフワフワとした乗り心地は少し影を潜め、しっかりとフロアを感じられるクッション性。

弱前傾なこともあってフォアフットを起点にした動き出しになるわけですが、中〜前足部のフロアの掴みやすさと張り出したアウトリガーによる安定感が素晴らしいので、素早い動き出しが可能。
更にヒールから伸びたシャンクの反りの強さも結構絶妙で、遅れる事無くシューズがついてくる感覚。
ガンガン加速していけますし、高速になっても”破綻しない”という安心感が素晴らしい！

Crazy Explosiveは爪先の反り返りが強かったので”抜け”的にはExplosiveのほうが良いかもしれませんが、個人的にはRose 7の反り返りが無いほうがコントロールしやすくて、好みです。

http://weartesters.com/wp-content/uploads/2016/10/adidas-d-rose-7-halloween-3.jpeg
Y字状の特徴的シャンク。
いい仕事してます。

ネガティブな点は、踵より後ろにミッドソールが張り出してる構造なので、”ヒールストライク”だと若干”入り”が悪いかと。
また、ヒール直下にあるシャンクによる窪みのお陰で、踵の設置感が正直良いとはいえない状態。(同じく刳り貫かれてるHyperdunk 2016は”フラット”に感じました！)
一番厚いBoost部分が余り有効に働かない…。

また、前作もそうでしたけど、レースの取り回しは今作も少し特殊…。
中～後足部にかけて、アッパーではなくカラーを直接絞め込むで構造でかつ、鎧張りも上下段でホールを共通していたり。
仕上げはトップラインのレースパイプ＋カラーのホール。
カラーのホールが横方向に対して、レースパイプはなぜ縦方向？？…と思ったら、Roseさんこのレースパイプ通してないじゃないっすか…。(真似してやってみたんですけど、固い丸紐なおかげでとても解け易かったです。^q^)

ちなみに、このトップレースのパイプを通せばもちろん高い位置にロックポイントが来るので、前方方向への抑え込みは良好に。通さない状態だとミッドカットに近い自由度が味わえるという二度おいしい感じになりました。

この形状がもろで踵に伝わります。

パッドを貫通させて絞め込んでもよいような…。

S字クランク…。

解くとこんなだらしない素敵なシルエットに。

http://iqbkkd2tcm3u6mnv1c41azk6.wpengine.netdna-cdn.com/files/2016/10/MemphisGrizzliesvNewYorkKnicksPumpf4SNqPgx-750x938.jpg
カラーがすげー低い位置に来てるけど、これでいいのか？？

アウトソールのグリップも素晴らしい。

ロゴが無いので、おそらくContinental製では無くadidasオリジナルだと思いますが、柔らかく・粘り強いラバー。

アウトソールのパターンは縦方向のヘリンボーンですが、CLB2016宜しく”進化したヘリンボーン”と言うものかと。
歪みの有るヘリンボーンパターンで、多方向へも有効なパターンかと。

埃が多めのコートでプレイしたのですが、埃の付着によるトラクション低下で破綻すること無く、粘り強いトラクションのお陰でスッポ抜ける様な心配もなく安心してプレイ出来ました。

で、ソール周りを総括して、フロアの感覚を掴みやすいクッション／粘り強いラバーなこともあって、個人的には「Kobe 8に近い」と感じました。(あくまで個人的感想です。)
ヒタヒタとフロアを動き回る感覚、これだけでも個人的にはこのモデルを履いて良かったなーと感じるポイントでした。

アウトソール全体。
ヘリンボーンが歪みまくってる。

うねうね。

重量は26.5cmで437g。
前作から若干軽くなりましたが、ガードモデルの中では若干重めですかね。
ただ、フィット感が良好なことも合って、体感的にそこまで重く感じず。

にしてもBoostモデルは軒並み400gオーバーですけど、このミッドソールは軽量には向かない感じで…。

ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 9/10

グリップ … 9/10

ベンチレーション … 8/10

クッション …  7/10

コスパ … 8/10

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ALL … 41/50

スコアで表すのが難しいですが、今まで履いたRoseモデルの中で個人的には一番良いです！うん、評価項目の見直しをせねば…。

Rose 6では足首の固定感が弱まり、動きやすくなって歓迎していたので、今作を初めてみた時に”足首ガッチリ路線”に戻るのでは？と一抹の不安が有りましたが、蓋を開けてみると”足首のサポートもそこそこ。加えて動きやすい。”という素晴らしい出来栄えに！(Rose本人が設計思想に基づいた足首のサポートを受けてるかは別として…。)

ただ、体格やプレイスタイルで評価が大分違ってしまいそうな感じもします。

あまり万人をカバー出来るプロダクトでは無く、自分の様な軽量・スピード勝負なガード向けかと。

冒頭でも書きましたが、これらの要素に当てはまるなら一度チャレンジしても悪くないかなーと個人的には思ってます。

安くなったらPKモデルも買いたいなーと思う今日この頃…。(金欠まっしぐら…)