asics GELBURST 22 GE レビュー

なんだかんだ続けて買っちゃってる件。

いやー、なんか落ち着くんです1足持ってると。

各社グリップがかなり良くなってきてるご時世”めちゃくちゃアドバンテージが有る!”って訳では無いですし(…いや、あるか。)、クッション性やデザイン面で選択肢から外されてしまうケースの方が多い中既存のソールツーリングを維持し続けるasics。

正直他社のクッション性と比べれば物足りなさを感じるのも確かですが、なんかこう、良いんです。という部分が少しでも伝わればなーと。

というわけで今回は”asics GELBURST 22 GE”をレビューしてみようかと。

GE”Graphic Edition”ということで、今回もコレにつられて買っちゃう訳です。
このGEシリーズ、前作21からリリースされ始めたカラーウェイでレギュラーモデルのシンプルなカラーとは違って遊び心のあるデザインが落とし込まれた限定モデルと言う扱い。
あ、でも流通量は比較的多めか、実店舗やWebでの入手も容易です。
この22では4色のおシャンテイなカラーがリリースされ、現行23では6色まで拡大されています。

いやーこのGEという取り組み、個人的にはかなり良いと思ってます。
これまで「asicsは遊び心が無くて…」というユーザーは少なくなかったと思います。
根本的なデザインでどうしても”部活臭”が抜け辛いというのもあり、どうしても積極的な選択肢から外れやすいのは周知の事実。
ついにその打開に乗り出したか、ここ近年のモデルはデザインやカラーウェイでも色々な工夫を入れたりSOMECITYとのパートナー契約等積極的な”若返り”を感じます。
(…正直な話、自分もコレまでのモデルはやはり選択し辛かったというのがやはりあります。好きでは有ったんですけど、やっぱり格好良いモデル履きたいですし…。)

というわけで、早速見ていってみましょう!

今回選んだカラーは、4色リリースされたGEカラーの1つ。
オレンジを基調とした派手やかなカラー。(つまり派手。いや、個人的には嫌いじゃないんだけど…。)

ちなみに購入したのがZoom Freak 1と近く、色味がとても似てた事・疲れも有り持って行くシューズを間違うという凡ミスを犯しました。はい。


まず外観から。
…これ、過去1でやっぱ格好良くなったと思うんです。

これまでのasicsモデルって格好いいがちょっとズレてる様な違和感があって、変なラインが入ってたり変なところにメッシュ使ったりしてて、なんかこう”中2”感がちょっと強かったり…。(いや、嫌いじゃないんですけど。)

でもこの22GE以降にリリースされてるモデルは軒並みスタイリッシュになったというか、余計な装飾関連が一切カットされつつ、アッパー生地のパターンに落とし込んでいたりととてもアーティスティックに変化したなぁーと。
そして各部パーツの切り替えも見事で、全体的なシルエット含めて本当にキレイで拘りを感じる仕様に。

いままでぶっちゃけ邪魔に感じてたタイガーストライプですら映えて見えるから驚き。

アウトサイド。
切り替えポイントや諸々のデザインが本当にいいなぁーと。
なんて現せば良いんだろう…。
インサイド。
このアッパーのパターンが本当に良い味だしてると思うんです。GEの名に恥じない。
そしてアシックスロゴも控えめながら主張が有るのが好感触。
アンクル周りやシャンク・ヒールカウンター内部まで同様のパターンが施されているという力の入れ具合。
個々まで統一されてこその”GE”モデルかなと。

うっすら浮かび上がるパターン。
このパターン、なんかちょっぴり和も感じます。
あってるかしらんけど。
タイガーストライプやアシックスロゴは貼りですね。
でも質感高いです。
いやー本当に格好良くなったなぁーと。
これでバスケカテゴリーにさらに力を入れてくれるようになったら更に最高なんですけどねぇ…。
やっぱりランや別スポーツの方が相変わらず開発プライオリティ高い状況なので…。


さてさて、「外面良くなっても中身はどうなのよ?」ということでパフォーマンスの方も触れていきます。

構造は従来通りハーフブーティーにアッパーを重ねた構造。
これはデファクトスタンダードなので過不足無いかと。
根本的なラストは、やはり日本人に最適…というよりはアジア圏全域なんでしょうがやはりフォアが少し広めに取られていて自分にはちょっと広め。
まぁこれは最初から分かってたことですし、及第点レベルなので個人的にはあまりクリティカルでは無いです。
寧ろ、中~後足にかけてのフィット感は相変わらず良くて、アーチから踵にかけてピッタリとフィットしてくれる感じがとても心地よいです。「あぁーasicsだ。」という感じで。

そこからのレースアップによるフィット感。
ここ最近のasicsモデルはデフォで使用してるシューレースが細いのが特徴的でスルスル締め上げることが可能。
このおかげで全体的なロックダウンはかなりカチッとするんですけど、シューレースホールに掛かる負荷が高いのでいい加減ハトメなりの対策を考えてほしい処…。
ここまで来るとasicsの唯一の泣き所は長期利用するとシューレースホールが伸びてフィットがどんどんプアになるというところ。

なんかこう良い塩梅で出せないものだろうか…。
シューレースホールへの負荷が低いオーバルシューレースを採用するとか…あぁでもデザインが野暮ったくなってしまうか…。
あ、あとレーシングシューレースをデフォにするのは良いですけど、交換用シューレースもラインナップ増やしてもらえたら有り難いなぁーと。カラバリ含めてやはりまだ従来の平紐の方が多いので…。

中身はハーフスリーブ。
ライニングまでパターンが入ってる力の入れよう。
ヒールパッドは相変わらずなんですけど、個人的にはやっぱりピタッと収まるんですよね…。
さて、賛否の分かれるクッション性。

GEL BURSTでは従来どおりのSpEVAフォーム + GELというツーリング。
BURSTラインは徹底してFlyteFoam使わない方針なんですかね?
まぁでもスピード特化モデルとしての性格としては合ってるのかなぁと思いますし、住み分けと考えると納得行ってます。自分は。

FlyteFoamはGELHOOPやGEL TRIFORCEのレビューでも触れましたが吸収性が強化されたフィーリングで良くも悪くも若干の”ダルさ”が有るんです(ネガティブな程の沈み込みでがあるわけじゃないですが)。対してSpEVAフォームは”弾力”というフィーリングでレスポンシブ。

やっぱりこのフィーリングは個人的には嫌いじゃないんですよね。特にフォア下の感触。
相変わらず粘りの強いトラクションとレスポンシブでフロアフィールの高い乗り味が組み合わさると他には真似できない”初速”が出るんです。例えば突き出し、例えばスティールのときの一歩。これがやっぱり速いんです。

…ただ、やっぱり疲れが早い段階で来ます。特に足首付近(に自分は出てきました)。
自分のような軽量級でもこうなので、標準体重や重量級の方が物足りなく感じるのも全然わからなく無いです。だからこそ”きっついわ…”っていう評価が下っても全然おかしくないと思ってます。
それでも”合う人には相変わらず強力な武器”である事には変わらず、やっぱり侮れないな、と。

インソール表面。
よく考えるとこの造形凝ってますよね。
外アーチだけならず、外アーチ含めて立体化させてる。
これにより足裏の密着感が高いんです。
インソール裏側。
SpEVAフォームのインソールは相変わらず。
パンチングも同様。
TRIFORCEと同じポツポツの糊でした。
ヒール分にはSpEVA 45フォームとGEL。
フォア下にもSpEVAフォーム。
…う~んと、この紐asicsあるあるなんですけど、なんとかならんのですかね?
アウトソールは上でも触れたとおり…というか相変わらずの粘りの強いラバーは圧倒的なトラクションを生んでおり、コレはやはり唯一無二の武器かなと。

ただ、ぶっちゃけ「強すぎるから”疲れる”」っていうのは有るんですけど、やっぱり喰い付くに越したことは無いです。フロアを気にせずに踏んでいけるのはやはり大きい。
ただ万能というわけでは無く、これまで長く付き合ってきた感想ですがNCラバーは冬場はやはり埃を拾いやすめなのは確かなので、これからの季節は十分にお気を付けの程。
掃除すれば十分に回復はしますので、定期的に拭ってあげましょう。

アウトソール全体。
フォア直下に雪の結晶のような放射型パターンを配置しつつ、ポイントでサークルパターン。
パターンアップ。
放射型パターンはヘリンボーンと言っていいかなと。
フレックスグルーブは相変わらず入れてます。
…そういや、なんで2モデル毎のパターン変更なんだろう。
コストかな…。
ちなみに23もこのパターン使ってます。
最後に重量。
25.5cmで379.5g。
同じ25.5cmで比べるとPro Bounce 2019 Madnessと同じといったところで。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  8/10
グリップ … 10/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 8/10
コスパ … 9/10
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ALL … 42/50

相変わらず個人的にはハイパフォーマだなと。ぶっちゃけ不満なかったんです。デザイン以外は。

コスパに関して補足させてもらうと、asicsのモデルは流通量が多く、売れ残るとめちゃくちゃディスカウントされ始めるという…。(adidasも似た感じになってきてますが…。)

これに関しても23がリリースされ始めて、ダブついた在庫だったのか3分の1位の金額で手に入っちゃってるわけで…。
メーカー小売価格はレギュラーモデルが17,280円。GEモデルはなんと18,360円というかなりハイプライス。(とは言え、殆どの店舗で序盤からかなり落としてくれますが…。)

なので、リリース直後に購入した場合を考えるとコスパのスコアは7辺りでみて貰えると納得行ってもらえるかと。
逆を言えば、モデルアウトした辺りがかなり狙い目に。特性が合えばの話ですが…。


ソール特性に関してもう少し触れておきたく。
上でも触れましたが、自分が特に気に入ってるのはフォア下のフィーリング。
asicsのモデルはフォアが基本的に”フレキシブル”。これは全モデルで共通。

ソールの硬さ、それはそのままレスポンスやジャンプのメリットにもなりますが、重量やプレイスタイルによっては硬くてコントロールし辛く感じることも。
自分もあまり硬すぎたり、フォアにエアを搭載してるモデルのフィーリングが合わないと中々に大変な思いをします…。
特にドライブからのプルアップの時とかにあらぬ方向に飛ばしちゃったりとかして…。

…いや、分かってるんです。
もう少しフィジカルや体幹がしっかりすれば真っ直ぐ飛ばせるんだろうし、変に飛んで流れたとしてももコントロールが効く筈です!その体をちゃんと作らなければ…。
…でも如何せん現実はそうなっておらず。

そういう風に感じる方にはフォアのフレキシブルなモデルが個人的にはオススメかなと思ってますです。そういったシチュエーションでコントロールしやすいので。
もちろんデメリットもあって、ドライブの際に変な捩れとかが出るのは確かなんですけど、上記に該当する方はそこまでクリティカルな程には出ないと思います。それも重量やプレイスタイル、踏み込みに掛ける力の差によるものです。(自分も該当…。)

…で、各シリーズの差をどう差別化するかという話なんですけど、GEL HOOPラインは基本的に”すべてがフレキシブル”。良くも悪くも。
フォアのみならず中~後足部にかけても柔らかく、よく言うと”足が自然に動く”悪く言うと”付いてこない”感覚があるので、確かに入門~この特性を熟知したプレイヤー向けというのは間違ってないのかなと。でもちょっと軟すぎかなと個人的にも思います。

でBURSTとTRIFORCEラインはハイエンドでありながら好みの差になろうかと。
どちらも中~後足部はシャンクによる追従性が高いモデルですが、BURSTはSpEVAフォームを用いたダイレクトなフィーリング、対してTRIFORCEはFlyteFoamを用いて吸収特性を強化しつつ足首の固定を強化した安定性モデル
つまりはハイエンドラインはこの2本柱になろうかなと。その分ちょっと値段はお高めですが、もし続けてプレイしていくのであればこっちの2種をオススメしてます。

23ではBURSTモデルでも遂に3ウィズラインナップを開始。チョイスの幅が広がりました。細足な自分もフィットの面で敬遠してたのもありコレは素直に嬉しいポイント。
もし、「昔はasicsだったけど、足型ができてからはフィットが…」という方。
今一度トライしてみませんか??

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