Nike Hyperdunk 2015 EP レビュー

今回は珍しく現行モデルのレビューをしてみたいと思います。
世間では”ダサい”と大評判な、Hyperdunk 2015です。
何だろう、自分の目は慣れてしまったのか普通に、むしろかっこよく見えてしまう不思議。
特にPRMのこの配色は、自分的にはドンピシャなんですけどね…。

ださかっこいい??
なんといってもこの特徴的な形。
どうしてこうなった感抜群なルックスをしてますが、インスパイア元がかの有名な”MAG”と言われると妙に納得してしまいます。

今までのモデルはハイカットというより、むしろミッドカット寄りでしたが、今回はKobe 9 Eliteばりのハイカットになりました。
ただ、Nikeによると、”ハイカットのサポート性とローカットの履き心地”とのことです。
実際にプレイした感じ、ローカットばかりを履いてる自分からすると、「うんやっぱりハイカット」ですけどね…。
サイズはマイサイズ、26.5cmで問題無しでしたが、EPじゃないモデルだとハーフアップ必要かなと思います。
アウトソールの形状なおかげで、ミッドソールはまったく見えません。
覆ってるのがミッドソールらしいです。はい。

超独特な形状。なんか地下足袋にも見えるな…。

この造形で特に特徴的なのはこのヒール。
一番最初見たときは、馬の脚を前から見たような印象でしたが、ヒールカウンターも兼ねて配置されてあって、今ではミニマルなデザインなんだなーと割り切れます。
ちなみに、ヒールは丸くなってますが安定感は決して悪くないです。

ヒールカウンターも兼ねてるため、ずいぶん高い位置までミッドソールが回りこんでます。

アッパーはテキスタイル+ハイパーフューズでシームレス。
最初は少し固めな印象ですが、履いてくうちに馴染んできて屈曲性とフィットが向上してくる感じで、好印象です。
また、フィット性の向上に一役買ってる、HyperdunkでおなじみFlywire。
今回ももちろん効果を感じます。
通気性は…。
履いてる今が秋な事もあって、あまり不快には感じないですが、夏場は蒸れるでしょうね…。

テキスタイル+ハイパーフューズのアッパー。おなじみFlywire入り。
タンの部分のメッシュが唯一のベンチレーションになるかと。
毎回思うのですが、この場所だけで通気性を確保するのは難しいんじゃ…。

シュータンは半分まで縫い付けてありますが、決して足入れは悪くないです。(ハイカットなりな履き辛さはあります。)
シュータントップはクッション性があるタイプですが、あまり厚い訳ではないので、フィット感は良好です。
ただ、シューレースの締め付ける強さによっては痛くなることがあるかもしれません。
現に、少し強めに絞めたときに2段目が食い込んで少し痛い事がありました。

シュータントップには三角形のプロダクトロゴ。良いアクセントになります。
形状自体は普通の四角に。
Hyperdunkシリーズはタンの形状を挑戦的に変更してただけに、ちょっと個人的には残念です。

シュータン付け根。ベンチレーションはここのみ。半分縫い付け。
シュータントップ。クッション性のあるタイプ。形状は普通の四角に。
アウトソールのパターンはオーソドックスなヘリンボーン。
パターン的には止まれそうなんですけど、材質的に硬めなので余り期待はしない方が良いレベルです…。(アウトドアコートでも使えて、耐久性が~とか言ってる時点で…。)
クリーンなコートだと気にならないですが、埃が付着すると途端に滑ります。
また、足の使い方によっても差が出てきそうです。
上手く表現出来ないですが、上手くトラクションが掛からないと、そのままスリップします。そして、コケます。
そしてそして、何故だかわからないですが、アウトリガーからつま先にかけてと土踏まず下の位置は、ミッドソールのファイロンが素のまま配されてます。
土踏まず下に関しては、そこまでトラクションの掛かる位置では無いのでわかるのですが、アウトリーガーの位置に配してる理由が正直分からないという…。
これによって、アウトサイドに力が掛かった時に不安定になるなどは無いのですが、アウトソールと異硬度ですし、グリップもそこまで期待出来るものではないので…。

クッションはルナロンベースからファイロンベースへ。最近ファイロンモデルが増えてきましたね。
ルナロンより反発は強めで、フロアの感覚がダイレクトに伝わるので、とてもよい感じ。
また、2011以降から廃されたズームエアがヒールとフォアフットに復活。
以前もKobe Xで書きましたが、ヒールのズームに関しては個人的には感じられず…。
ただ、フォアフットのズームは歩いてるだけでもプニプニ感じる事が出来ますし、プレー中もフォアフットからのジャンプでも威力を発揮します。

ルナロン VS ファイロンもそうですが、沈み込んで吸収してくれるのが好きか、反発して跳躍性に優れるのが好きか、個人の好き好きですね。

アウトソール。ヘリンボーンが全体に配されてます。アウトリガーのファイロンが謎…。
さてさて、最後に最大の問題に触れたいと思います。
今作の一番の問題、それはヒールカップ!
巷でもさんざんネガティブなレビューが出てますが、はっきり言います。踵痛いです。
ライニングは踝やアキレス腱周りに薄めのクッションが入ってるので、ここらへんのフィット性は良好。なんですが、何故かヒールカップにはクッションが配されず…。
正直どうしてこうなった感が…。

触ってみると分かる通り、ヒールカップ芯材に直なので、シューレスを絞めてくと踵骨があたって痛い…。
つまり、このヒールカップと形状が合わなければもはや地獄かと…。
踵が大きい方は試着必須です。

プレイ中に痛いかと言うと、”動き方次第”でかなり違ってきます。
フォアフットを屈曲させるように動くと、踵が更に圧迫されるのでとても痛い。なので、履いてると必然的に、フォアフットを余り屈曲させずに走る様に矯正されます。さながらギブスのように。
この走り方が動き辛いかというと、意外にそんなことは無く。というか、この走り方の時にフォアフットのズームエアが生きてきます。
ただ、プレイ後にいつもならないような箇所に筋肉痛が来るので、普段使わないような筋肉を使わされます。と言うか、不要な力を使ってしまってるのかもしれません…。

ライニング。要所要所にクッションが配されてます。
が…、ヒールカップにはクッションが無い…。
という感じで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 9/10
グリップ … 6/10
ベンチレーション … 2/10
クッション … 9/10
コスパ … 4/10
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ALL … 30/50

数値としては低いですけど、決して悪いシューズでは無いです。踵があれじゃなければ…。
ポテンシャルとしては決して低くないんです。復活したズームエアとファイロンの組み合わせは程よいダイレクト感が有り、フロアの感覚を掴みやすく、とても良好。
ただ、本当に踵だけが残念で、ここで大きく減点されてしまうのがとてももったいないシューズだなーと感じてしまいます…。
日本人の足に合わないだけなんだろうか…。

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