Nike Kobe 8 System レビュー

Kobeシリーズ巻き戻しレビュー、今回はシリーズ8作目のKobe 8 Systemをレビューしたいと思います。
まぁ、すでに古いプロダクトのカテゴリに入り、ほぼNBAでも見なくなったので、今更感がありますが、気にせず自分の思ったことを書いてみようと思います。
(ちなみに直近では、Lakersの有望株、D’Angelo Russell が履いてました。)
手持ちのカラーは”Python”。Kobe 8のカラーウェイはほぼ全て蛇でしたね。
コービーの旧ナンバー&リリースされたのが蛇年&”Black Mamba”という自身の愛称を色濃くあらわしたモデルという事ですかね。


さてまず、特筆すべきはその軽さ。
リリースされた前々年辺りから、”Crazy Light”が華々しくデビューし、それ以降のトレンドが軽量側に加速していったのを今でも覚えています。
(ちなみに初代が一番軽かったという…。)
それに併せて、コービーの目指す”素足感”を徹底的に追及したモデルだなーと。

アッパーはEM(エンジニアードメッシュ)。今では見慣れた素材ですが、Kobe 8で初採用だったように記憶してます。
この素材、とても柔軟性が高く、フィット性が良いです。
剛性は…。

EM。発色が綺麗ですし、柔軟性もあります。剛性は…。

サイド。中から光を透かし見てる事ができるほど。スウィッシュはメタリック。
Kobe 7で使用されいてたFlywireすらも使用せず、徹底的に軽量化を求める姿勢を感じます。

シュータンも極限まで薄く。悪くいえばペラペラ…。
このタン、個人的にはかなり好みで、ダイレクトに足にフィットします。
そういえば、タントの連結が2つあるのって珍しいですね。

ペラペラのタン。フィット感良好出し、パンチングもあるので通気性良好。
シューレースも細めで、きっちり締め上げられる。
レースの剛性感を高める為にケブラーアラミド繊維を使用!とのことですけど、使ってるとケバケバしてきます。
そして、紐長ぇ!締めあげると余りまくる…。

ヒールクリップは別体タイプ。
別でヒールカップ等は無いですが、抜け感等は一切無く、掴みも良好です。

ヒールクリップ。ヒールカップ等は無いので、踵部分に履きシワが…。
シューズ内部。Kobe 9の様なクッション素材等は無し。
ちなみに、シューズサイドから見るとミッドソールに見える部分よりも深い位置に底が有り、本当に極限までフロアに近い印象。

中にクッション等は一切無し。黒い点はシャンクプレートの固定用。

ヒールから土踏まず辺りまで、カーボン性のシャンクプレートが配されてます。
土踏まず側に織り込まれており、アールにフィットします。
また、土踏まずの下はアウトソールが繰り抜かれており、軽量化。
この部分に重力は掛からないからでしょうかね。
細かな好みですけど、綺麗な平織りのウェットカーボンだったら更にカッコ良かったのにな−と。

カーボンのシャンクプレート。高い素材ですけど、シューズ自体が高いですからね。
アウトソールはヘリンボーン+アウトサイドから踵にかけて、蛇の鱗モチーフのパターン。
流石にKobe 9には及ばないですけど、グリップ力はかなり高いです。
これのおかげで、これまでasics一辺倒だったバッシュの選択肢が広がり、シューズを何足も買ってしまう変態が生まれました…。
そして、特筆すべきはその薄さ。
なんと厚さ1mmなので、限界まで素足を追求しようとした姿勢が伺い知れます。

アウトソールのパターン。ヘリンボーンと鱗モチーフのパターンはとても良く合う。
ちなみに、1mmのダイレクト感の代償として、パターンがもげやすいです…。
これは仕方ないですね…。
綺麗な状態を維持したい方は、XDRソールを選択して、少し固めがの方が良いのかも。
まぁ、もはや入手不可なんですけどね…。失敗した−、もう1足入手しとくんだった…。

パターンがもげてる…。

最後にクッション、Kobe 7から採用されてるドロップインインソール式。
今作はルナロンのみで、ズームエアは非搭載ですが、自分はクッションが足りないとは感じず、適度なモチモチ感とダイレクト感のバランスがとても良いと感じました。
ただ、自分寄りも体格の良いプレイヤーにはちょっと柔らかすぎると感じる事はあるかもしれません。
ルナロンあるあるかもしれませんけど、温度によって硬度が若干異なってきます。
寒いと少し固めですけど、暖まってくると柔らかくなってくるという。

ドロップインインサートはギミック的にとても面白く、自分もKobe 9のインサートと入れ替えて遊んだりしてましたけど、デメリットも触れとかないと…。
それは、通常の靴のようにミッドソールと一体化した靴に比べて、”靴自体の剛性が低い”という事。
ミッドソールがくっついていない&極限まで各部が薄いということもあって、切り返し時にグリップに負けて、インソール自体が滑って靴ごと”歪む”ことが度々起こりました…。
これはプレイ中かなり恐いです…。
ちなみに、歩くだけでインソールと靴内部がくっついてない事による”ギュム”という音がします。ギュムギュム。

インソールの足側も鱗パターン。Kobe 9程イボイボしてないですけど、決して滑ることはなく、どちらかというと足辺りはこちらの方が良いです。

ドロップインインソール。モチモチします。耐久性が少し気にはなります。

インソール裏面は、Kobe 9同様の細かな鱗パターン。滑り止め要素と思います。
Kobe 9のインソールのようにフォアフットへの切込みは無いです。

裏面。細かな鱗上の突起。
ということで、以上を踏まえて以下の評価をしたいと思います。

フィット … 9/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 9/10
クッション … 9/10
コスパ … 6/10
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ALL … 42/50

本当に”素足”のように扱えるシューズで、一番自分のプレイスタイルに合っているなーと。
ただ、軽量化の影響で犠牲になった箇所、特に”剛性”と”耐久性”の面を容認できない人は必ず存在すると思います。
逆に、容認できる人にはこれ以上ないくらいにハマると思います。ただ、長くは続かないかも…。
また、Kobe 8以降、ここまでダイレクト感を得られるシューズに出会えてないので、後継の選定が…。

人間とは欲深いもので、”これ以上に良いものを”と買い漁ってるんですけど、なかなか出会えないものですね…。

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