Nike Kobe 9 EM レビュー

Kobeシリーズ遡りで、今回はKobe 9をレビューしてみようと思います。
もはや型落ちですが、未だに根強い人気を誇るシューズで、今期も引き続いてNBAで使用してるプレイヤーをちらほら見かけます。
自分として特に印象的だったのは、昨シーズンのファイナルで、怪我を悪化させてしまい戦線離脱したKyrieに代わり、Cavsを支え続けたDellavedovaが着用していた事です。
ファイナルは惜しくもGSWに敗れてしまいましたが、今期も引き続いて注目チームの筆頭といえると思います!

…大きく話が逸れてしまいました。肝心のシューズに話を戻します。


今回のKobe 9はたまたまIDモデルですが、実はKobe 9自体は2足目です。
以前は”Bruce Lee”を使用してました。(Kobe 9のカラーウェイはどれもとてもおもしろかったです。)
実は最初に購入して履いた時には”がっかり”しました。
というのも、その当時から自分のメインバッシュはKobe 8 Systemで、とても気に入って使用していて、その置き換えとして後継モデルということで、異常なまでに自分の期待が高まってしまっていたからです。
実際に使用してみて、グリップは異常なまでに進化したものの、フロアフィーリングのダイレクト感は薄れ、明らかな重量増。
ここだけにフォーカスして、十分に、正当に評価しないまま手放してしまいました。まだまだ青い…。
その後、再度履いてみたくなり、ちょうど探していたところこのIDを入手することが出来ました。(このチョイスをした人、とてもセンス良いと思います。自分だけですかね?)

さてさて、またまた話が逸れてしまったので、軌道修正して。
自分の足のサイズや型などは、以前のレビューを見てもらうことにして、今回のKobe 9は27.0のサイズを購入しました。
Kobe 8では本当のにジャストのサイズでしたが、Kobe 9では少しつま先に余裕ができる感じなので、人によってはジャストサイズでも問題無いかもしれないです。

アッパーは前作に引き続きEM(Engineered Mesh)ですが、Kobe 8では1層だったのに対し、今作は2層に。
また、2層のアッパーの間にDynamic Flywireが復活し、シューレースホールに配されてます。
これは多分ですが、メインは”補強”じゃないかなと。
Kobe 8は本当に剛性が低く、自分の体重ですら切り返しの時にグリップにアッパーが負けて歪むことがあったので、NBAプレイヤーが使用するならもっと悲惨だったんじゃないかな−と…。
もちろんFlywireはフィット向上にも一役買っています。

EM。発色が綺麗ですし、通気性も良いです。
張り巡らされたFlywire。1層目の切り抜き部分から見えるので、良いアクセントに。
シュータンもKobe 8のペラペラから、クッション付きのものに変更。
足当たりはかなり柔らかい印象ですが、個人的にはKobe 8の方がフィットは良かったように感じます。
新しく採用されたタンは、足首周りまでほぼメッシュなので、EMも相まって通気性は良いです。

シュータンのメッシュ部分。通気性は良いです。
Kobe 9の最大の目玉(?)のアウトソール。このグリップは今まではいた中で間違いなく最高と言えるグリップ力です。
正直異常な位にグリップします。(つま先をスライドするだけでスキール音が鳴る位。)
自分のプレイしてるコートは決してフロアコンディションが良い訳では無く、ましてや冬のコートは乾燥と埃で余計にスリッピーなはずなのに、水などで洗わなくても余裕でグリップします。
Kobe 8を履くまで、Nikeのバッシュでグリップが良かった試しがなく、ラバーも硬いイメージだったので、「あー。あれは常にクリーンに保たれてるNBAのコート専用なんだろうなー。」くらいに思ってましたが、コービーがグリップ力を求めてると言うことを考えると・・・。
(まぁ、アンクルブレイクシーンを見てると、派手にスリップしてることもありますしね・・・。)
ましてや、「グリップならasics」の常識を覆すレベルであったことにとてもびっくりしました。

パターンは、コービーの足のプレッシャーマッピング。
Kobe 8では”極限まで薄く”を追求し、1mmでしたが、今回は3mmにかさ上げ。

アウトソールのパターン。コービの足型がわかる嬉しさ。
最後にクッション。Kobe 8から引き続き、ルナロンのドロップインインサート。
インサート自体のクッション感は、Kobe 8と殆どかわらないなと。
ただ、Kobe 8のインソールより縁が高く、”収まる”感じが少し強いです。

表面には鱗のようなパターンが有り、これにソックスが引っかる様にして、靴の中の滑りを抑制してます。結構イボイボしてます。


裏面にも鱗パターン。フォアフットに横線の切れ込みが入っており、屈曲性を担ってる模様。


さらに、クッション性を高める為に、インソールの下にもクッション性の素材が配されてます。
フォアフット側の茶色の方が厚めのクッション素材。
アウトソールの厚みが2mm増えたことと相まって、Kobe 8と比較してフロア感覚のダイレクト間が薄まったと感じたのはこれらが要因ですね。
ここは、好みでどっちを取るかですね・・・。

内側に追加されたクッション。
以上をもって、以下のように評価してみたいと思います。

フィット … 8/10
グリップ … 10/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 9/10
コスパ … 5/10
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ALL … 40/50

上記でも言及しましたが、Kobe 8と比較すると、軽量性とダイレクト感はスポイルされたものの、剛性とクッション性が強化されたモデルになりました。
自分としてはKobe 8のダイレクト感が好みではありますが、”靴は足を守るもの”という概念から考えると、明らかにこちらのほうが”正しい”のかなと。
ダイレクトに感じられるということはそれだけ衝撃も”ダイレクト”に来るという事でもあるので、足への負荷はどうしても大きかったのかなと。
(寄る年波なのかダイレクト感追及のデメリットか、コービーはKobe 8着用中にアキレス腱が断裂してしまいましたしね…。)
それらも考慮したうえで、今回のチューニングに至ったのかなと予想しています。

以上がKobe 9”EM”に対してのレビューですが、決して”Kobe 9”というプロダクトへのレビューではないことを言及しておきます。
そもそも、今回のKobe 9シリーズはEliteからスタートし、しかもハイカットからのリリースでした。
素材はFlyknitですし、自分としては”まったく別の靴”であると考えてます。
時間があり次第、Eliteに関してもレビュー作れればと考えています。

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