asics GELBURST RS2 レビュー

部活動でバスケしていた人は、お世話になった方が多いのではないかと思うasics。
自分も学生時代はasicsしか履いて来なかった(途中でNikeに浮気して、痛い目見たので…)口で、それこそ大人になるまで、「asics買っとけば間違いない」スタンスでバッシュの選択してきました。
しかしある時、”あでだす”なるメーカーの「Crazy Light」が衝撃的なデビューを飾り、また、広告塔のD・Roseにコロッとやられてしまい、そこからasics一辺倒の選択肢だった自分の”脱皮”が始まったのでした…。

この”Crazy Light”は本当に衝撃的で、それまで「バッシュ=重いもの」の常識を覆すプロダクトでした。グリップはお世辞にも良いとは言えませんでしたし、アッパーもやわやわ。それでも”素足”の様に軽いので、慣性がそもそも低く・・・・・・とCrazy Lightのレビューじゃねーや。

実はCrazy Light以降、確かに別メーカーのバッシュをメインに履いてきまいたが、決してasicsのバッシュを購入しなかった訳ではありません。
というのも、NikeやAdidasのバッシュ選択の初期の頃は”ハズレ”なプロダクトを引いてしまうこともあったので、保険の意味合いも込めて1足は所持してましたし。
それから”アタリ”のプロダクトに出会え、めっきり出番が少なくなってしまったasicsのシューズは、先輩がバスケを始めるにあたり譲ってしまい、ついには1足も手元からなくなってしまいました…。

そこから月日は流れ、このGEL BURST RS2が投げ売り状態で店頭に並んでいたので、昔馴染みに出会った様な興味本位で、購入してみるに至りました。
という訳で、改めてasicsのプロダクトを見直してみる&他のメーカーの”今”と比べて見ようかなと思ってます。(冒頭がなげぇ…)


このGEL BURSTラインは一応asicsバッシュシリーズの中ではフラッグシップモデルにあたり、asicsの技術の粋を集められたモデルとのこと。
現在はRS3がリリースされてますね。機会があればこちらも履いてみるかな。
(ただ、積極的に選択はしないかも…。決して悪いシューズでは無いんですけど、他のモデルに比べて魅力が…。)

にしても、GEL BURSTとGEL HOOPシリーズは本当に息の長いモデルだなーと。
ちなみに最初に触れておきますが、”革新性”は一切無いです。
どちらかと言うと、磨き挙げられたモデルと言う印象。

という前提も含めて、肝心のシューズを見てきます。
まず、他のシューズではまず触れないですけど、デザインから触れ見ようかなと。
デザインに関しては個人の感性があるので、言及は難しいですけど、個人的には”相変わらず”だなーと。
なんかちょっと野暮ったいというか、もうちょっと遊んだらかっこいいのになーと感じてしまうんですけど、何でしょう…、asicsストライプのせいですかね…。
asicsは不定期にデザインで遊ぶんですけど、結構良いと思うんですよね。
特に直近だと、NAKEDシリーズやGEL LEGENDシリーズなんかはほかメーカーに比べて見劣りする程では無いと感じるんですけど、ことGEL BURSTやGEL HOOPに関しては総じて”真面目”な印象を受けます。
あとカラーがなかなか琴線に引っ掛かってこないという…。
ホワイト x シルバーのこのカラーリングはシンプルに仕上がってて結構好みですけど、それ意外は…。

asics伝統なミッドカットシルエット。
ちなみにアウトサイドのasicsストライプはパールのように見る角度で表情を変えます。
フィットは流石の一言。日本人の足を研究しつくされたラストなので、合わない人は少ないのではないかと。
GEL BURSTに関してはレギュラーウィズしか無いですけど、GEL HOOPシリーズや一部モデルは3ウィズ展開なので、よっぽど出ないかぎりフィットするモデルを探すのは苦労しないかと。(ただ、いい加減ウィズ毎にカラーパターンを分けるのを止めて欲しい…。)

スタンスは前傾気味。
前にも増して、インソールのアーチが高くなってる気がするんですけど気のせい?
(そういえば、偏平足の人からは”痛い”ッて言われたことを思い出した…。)

プロパルションプレートなるシャンクの反発のおかげで、足底に密着するように追従するので、足の動きにかなりダイレクトに反応します。

フィットに関しては1点だけ言及したい点が。
前足部の深い位置までシューレースの締め込みが及ばなくて、気持ち緩く感じます。
GEL HOOPはこんなこと無かったけどなー…。

アッパーは全面的に人工皮革。要所要所に補強の為、二重になってるところも。
アッパーの素材や構造的に、どうしても他社の軽量モデルと比較すると、どうしても重くなりがち。
ちなみに軽量ラインのGEL HOOPも、結局のところメッシュの比率が増えるだけで根本は人工皮革なので、軽量性はやっぱり及ばない…。
たしかに、軽量性だけが正義とは言わないですけど、他社がアッパーで様々なチャレンジをしてるので、もう少し頑張って欲しいかなーと思うところ。
人工皮革自体はメリットも有り、履いてると馴染んでくる感じ。
ただ、シューレースホールに関してはアイレットでも良いので補強がほしいところ。
レースのテンションに負けて伸びてきてしまうんですよね…。

アッパーは全体的に人工皮革。シューレースの始点が浅めなので、前足部まで締め付けは及ばない。
シューレースホールは補強がほしいなー…。
内側はインナーブーティ仕様。
タンから爪先までクッション性のあるメッシュ素材が覆ってます。
これもフィット性向上に一役買ってます。
また、マジックベンチーレションってこれが主役ですかね?
一見アッパーの表面に通気口が無く、蒸れそうに感じますけど、アウトソールのダクトも有り、通気性は良好。
流石にGEL HOOPに及ばないですけど、不満は無いです。

シュータントップは3面サポートで、サイドは踝側にしまい込む形。
中にクッションも入っており、アンクル周りのサポートは良好なんですけど、サイドのしまい込みが甘いと、トップラインの締め付けが少し甘くなりがちに。
トップの表面はシルバーの光沢の有る素材で、裏面はバックスキンの様な起毛があるので、ズレは無いです。
多分これも人工皮革かな。

シュータンは95%位メッシュ。通気性は良好。
シュータントップは3面サポート式。
サイドのしまい込みが甘いと、トップが立ってしまうので、トップラインの締め付きに影響が…。
土踏まず部分に設けられたダクト。爪先部分にも4つの穴が空いてて、通気性向上を図ってる。
クッションは、asicsお得意のSpEVAインソールとT-GEL+SpEVAミッドソール。
SpEVA自体はウレタン系のクッション材で、感覚的にルナロンより固く、ファイロンより柔らかめ。Micro-Gの様なしっとり系では無く、”スポンジー”。うーん…形容し難い。
個人的にクッション性が悪いとは感じませんけど、正直”GEL”を感じた事は今までないかも…。

ツーデンシティミッドソールとの事で、前足部と後足部でクッショ性が若干違うらしい。
インソールを外して、前足部を見てみるとミッドソールとは別にクッション材が入ってるので、このことかなと。
正直、そこまでの差は体感できないかもしれません。
ただ、このクッショ材追加でフロアインフォメーションをスポイルはしてないので、とても良いと思います。
(ズームエアだと、”フワフワ”が逆にフロアの感覚を掴みづらくしてしまうこともあるので…。)

インソールの内側。見辛いですけど、前足部に別体でクッション材が入ってます。
asicsのシューズを開けると毎回余った紐が止まってるけど、何なんだろうか…。
asicsお得意のSpEVAインソール。表面は粗めのファブリックで、足は滑りづらい。

裏側。全体的にパンチングが配されてて、通気性良好。
屈曲溝が掘ってあったり、滑り止めのツブツブが配されてる等、芸が細かい。
最後にグリップ。
これに関しては、もう文句の付けようが無いです。
”最高”の座は残念ながら、Kobe 9に譲ったと言っても過言では無いですけど、伝統のNCラバーは、少し埃が浮いてようがガッツリ止まります。
しかも粘る。この粘りがasicsの特徴ですね。
ゴムの比率が高いからか、少しアウトソール自体が少し重めに感じますけど、フィットとバランスがとても良いので、危惧する程では無いです。

パターンは独自+フレックスグルーヴにより、屈曲時にもトラクションを最大限活かせるようになってます。
これのおかげでユーロステップが!とかは正直あまり思わないですけど、この屈曲溝のおかげで蹴りだしが良好+グリップ+シャンクのダイレクト感で更に加速!!という訳ですね。

独特のパターンのアウトソール。爪先と前足部に大きめの屈曲溝が設けられてる。
ちなみに、26.5cmで393gでした。


ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 10/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 8/10
コスパ … 8/10
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ALL … 43/50

良いバッシュは良い!なスコアになりました。未だにハズレ無し!
ただ、冒頭にも触れましたが”革新性”は何もなし。昔から今まで。

本当に良いバッシュを作るので、もっと大胆にマテリアルやクッション等で挑戦したモデルを出してほしいなーと…。
日本のものづくりの底力をもっと見たい!
ただ、日本のバスケシーンや、日本代表が履いてくれないこのご時世じゃ、バッシュの開発に割くリソースなんて…。

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