Nike Zoom KD 7 レビュー

今回はケビン・デュラントのシグネチャー7作目、Zoom KD 7をレビューしてみたいと思います。
(実はこのレビューを書くのは2回目…。一度全部パーに…。)

前作のZoom KD 6も所有してましたが、レビューしようと思う前だったので写真をとっておらず…。
せっかくだったのでレビューを書いとけばよかった…。
KD 6は、なんか色々挑戦したモデルでしたね…。
シルエットはかなり奇抜で、個人的には本当に格好いいと思うのですが、独特な形状と構造に最後まで慣れず、遂にバスケでの使用を断念し手放してしまいました…。(タンのサイドをカットするのはデフォですよね。ですよ…ね?)
今作は、前作に比べると大分大人しいシルエットに戻ったなーと。

今回のKD7は、ケビン・デュラントの子供の頃の夢”気象予報士”が色濃く出てるのか、カラーウェイも”天候”からインスパイアされた物が多いですし、アウトソールのパターンも成層圏からイメージされたとのこと。
成層圏??
雲の位置によっては確かに見えない事もないですけど、どちらかと言うと”気圧配置図”ですかね?

今回選んだカラーウェイは”Road Camo”。
特別青が好きという訳ではないですけど、ハイパーポジットのメタリックブルーに惹かれてポチリ。(個人的にはプレスリリースにあった赤の方が好みなんですけど、あれIDなんですよね…。http://www.nike.com/us/en_us/launch/c/2015-01/kd7-lacquer-blue)

では早速見てってみようと思います。


まずフィット。
ここまで足に密着するシューズは初めてかも知れません。

部分的に見てってみようと思います。まずフォアフット。
インナーブーティー + Hyperrevの様なタンとアッパーのワンピース構造。
マイサイズ(26.5cm)で購入しましたが、ここまでジャストなサイズは初めてです。
縦方向はきつくない、かつ余り過ぎてない程のクリアランスが有り、そして、紐を絞めなくても、既に適度な圧迫感があるという。
個人的には好印象なんですけど、正直足に合わない人のことを考えると…。
巷で言われる薄/狭な傾向ですし、恐ろしいのは構造ゆえ広がり方向に殆ど調整マージンがない事。
合う人は抜群に合う。けど、合わない人にはトコトン合わない。な典型かと。
自分は幸いにも試着する機会があって選べたのですが、試着出来ないと本当にキツイですね…。

して、ジャストフィットで快適か?と言われるとうーん…。
上記でも少し触れましたけど、適度な圧迫感があるとはいえ、プレー中にズレない訳では無いのでもちろんシューレースを締め上げる訳ですけど、インナーブーティをフライワイヤーで直接締め上げる構造なので、ガッツリ締めあげると食い込んで痛い。
特に3段目は足のサイドまで回りこんでるので、小指の付け根に当たって、長時間はちょっと厳しいくらいに痛みます…。

シューレースで直にフライワイヤー引っ張り上げる方式。
ロックダウンはいいんですけど、食い込むと痛い…。
後足部のHyperpositはかなりしっかりした素材で、足首周りをかなりがっちり固定します。
ポジット素材は初めてですけど、想像していたのとはちょっと違いました。良い意味で。
”フォーム”というくらいなので、低反発系でゆっくり馴染んでくる、それでいて高密で重たい素材かと思ってましたが、実状は外側はたしかに硬めのしっかりした素材ですけど、内側はたしかに低反発系ではあるものの、薄めのクッション材。
ゆっくり馴染むわけでは無く、絞めるとすぐに足にフィットします。
ヘタってきたら知りません。
そして予想以上に軽いです。

外側の流麗な曲線はデザインだけかなと思ってましたけど、実際は”補強”を狙ってる様に感じます。
硬めとは言え、流石にある程度の柔軟性はあるので、平面だけだと頼りないレベルですけど、この曲線を入れることによって、折れ線に対する垂直方向の強度を稼ぐことが出来ます。リブと同じ効果ですね。

綺麗なラインは、補強の意味合いが強いのかなと。
硬めの素材はそれだけ締め付けるのが難しく、KD7も漏れ無くシューレースだけではちょっと頼りないです。
そんな訳でこのストラップなんですね。
このストラップのおかげで、更にガッチリ抑えこむ事ができます。
…とここまで良いことずくめなんですけど、事フィットに関しては1点だけ物言いを。
と言うのは、ストラップの掛かる1段目だけはシューレースホールを配することが出来ないので、ここだけはパイプ方式なんですけど、これが締め込んでくと足に当たって痛いという…。
構造上どうしてもこういう形にせざるおえなかったと思いますけど、これはちょっとマイナスポイントです。

1段目だけパイプ方式で縦方向にシューレースが通るけど、これが当たって痛い…。

ストラップ全面にKDの背番号とシリーズの7を掛けたロゴが。
個人的には結構カッコいいと思いますけど、最初スリーセブンに見えたのは内緒です。
ストラップの内側にアウトソールと同じパターンと、折れ込み部分におなじみの家族の名前が。
フィット性に関してはもう1点。
この狭さも然ることながら、履き口自体が狭め。
というのも、上記でも触れた様にインナーブーティ + アッパー&タンのワンピース構造なんですけど、実はタンの内側までインなブーティが縫い付けられているという。しかも高い位置まで。
ということなんで、必然的に広がり方向が制限されるのでこの狭さなんですね。
しかも、レースループがシュータントップに配されてる。
このことから感じたのは、”どれだけタンがズレてほしくないんだろう”です。

インナーブーティとタンの縫い付け。
これが最大まで開いた状態…。
さてさて、クッション。
ミッドソールはファイロンベースに、ヒールの180°ビジブルズーム + フォアフットのズームエア。
今までのレビューを見ていただいた方はお分かりの通り、自分が鈍感なのか、ヒールのエアの恩恵をまともに受けたことが無かったのですが、KD7で初めて感じることができました。
そして、その評価は…うーん微妙w。
たしかにヒールのクッションが効いてて、足への負荷は軽いように感じますけど、絶対に必要か?と言われると、うーん…。
自分の体重が軽すぎるからなんですかね…。あまり重要度を感じない程度でした。
履いてて、たしかにエアの独特の反発は面白いんですけど、フォア側のズームエアを初めて履いた時のインパクトに比べると薄いかなーと…。

フォア側に関しては慣れ親しんだ感覚で、履けばそこにあるとわかるほどエアバッグの主張がありますし、走ってる時のクッション性と飛ぶときの適度な反発を感じます。
(ただ、時には考えものです…。※後述)

ヒールのビジブルズーム。エアは置いといても、この中の紐の動きが個人的に好きです。
インソールは触った感じ薄めですけど、低反発系で単体でもそこそこのクッション性有り。
ヒールのKDロゴは一枚貼り。ちょっと安っぽく感じるかな…。ただ、耐久性はそこそこ。
KD6の時のサインは弱すぎて、速攻で取れますからね…。

インソール。サインは…まぁ気にするなということで。
クッションと併せて触れておきたいのは”動きやすさ”に関して。
今までのレビューでは余り触れる機会がなかったですけど、KDシリーズが独特と理解下さい。
というのも、これはKD6の時にも同じような傾向を感じたのですが、ミッドソールが厚いということと、爪先の反りが強いということ。
厚い分だけクッション性が良いという事でもありますけど、デメリットとしてフロアインフォーメーションがスポイルされる嫌いがあります。
個人的には、Kobeシリーズのようなダイレクト感がある方が足運びをコントロールしやすくて好みで、このKD7はどうしてもソールに乗ってる感が否めないです。

そして”反りが強い”に関して。
ソールは厚いですが、反りが強い分だけ前方向への体重移動がしやすく、走りやすい。
個人的には、ストップジャンプの時に前方向に流れてしまうのがあまり好きでは無いですが、これは慣れの問題ですね。
併せて、フォアのズームエア。上でも注釈入れましたが、ジャンプの時にちょっとズームエアがちょっと”鬱陶しく”感じてしまう事も…。
というのも、前方向に流れてしまうのと同時に、エアバッグに乗っと時に平面では無いので、不安定に感じてしまうことが度々…。
まぁ、修行が足りないですね…。
上手く乗れた時は、エアの反発を上手く活用出来るので、”ピーキー”という表現をさせて下さい。ただ、美味しいところは狭めかなと…。

それ意外はとても良好で、前足部のメッシュは屈曲性が良く、爪先だけの時も動きやすいですし、中足部のシャンク”プレート”??は結構効いてて、足にはしっかり付いてきます。

シャンク。プレート??ミッドソール挟まれて、魚の骨の様。
最後にグリップ。
アウトソールのパターンは、冒頭でも触れたように”気圧配置図(成層圏も入れときますよっと。)”からインスパイアされたもの。
個人的には、このパターン、結構好みです。
細/太のコントラストが美しく、ヘリンボーンの様に一方方向に対してのみではなく、あらゆる方向に対して有効なパターンかなと。
ラバーも柔らかめで、Kobe 9の様な「キュッ」と止まる感じでは無く、Kobe Xの様にじわっと効く感じ。(表現が下手で申し訳無いです…。)
埃には余り強くないので、定期的に掃除は必要ですけど、それさえ除けば余り文句の出ないグリップだと思います。

ソールパターンの下に、ケビン・デュラントの生まれ故郷であるメリーランド州の輪郭とKDロゴが入ってます。
ストラップといい、芸が細かい。

フォアフットにうっすら見えるKDロゴ。
ちょっと見づらいですけど、後足部にメリーランド州の輪郭。
26.5cmで359gでした。
ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 7/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 10/10
コスパ … 6/10
-----------------
ALL … 37/50

スコアとしては高めですし、靴としてのパフォーマンスは十分に高いと思います。
ただ、上記の特性に合うかと、何より高すぎるフィットの壁を超えられる人だけが享受できるシューズかなと感じた次第です。
さて、KD8はどうなってることやら。

コメント

  1. こんにちは、いつもブログを楽しみに拝見させて頂いております。
    私はKD7のエリートを購入しようと思っています。個人的にはハイパーレブ2014やkobe Xのようなソールが柔らかくて屈曲性のあるシューズが好みなのですが、こちらのモデルのソールの感じを詳しく教えて頂けませんか?
    宜しくお願いします。

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  2. 回答遅くなってしまい、本当に申し訳御座いません;
    もうすでに購入されてしまったかもしれませんが、回答させていただきます。
    何かにお役立て頂ければ幸いです!

    まずはじめにですが、自分はEliteを履けませんでしたので、あくまでノーマルモデルとの比較になります。
    Hyperrev2014やKobe Xの屈曲性が好みとのことですが、アッパーのフレキシビリティはどちらかと言うとHyperrev2014のメッシュと同等だった印象です。
    Eliteの場合はアッパーが全てポジットで覆われてるので、その点熟れるまで少し硬く感じられるかも知れないです。

    ソール周りはフォアフットZoomAirのモデル、特にHyperrev2015を試着されてればエアバッグの感覚が想像しやすいかと思います。
    KD 7の場合は少しミッドソールが厚いので、少しフロアから離れた感覚を想像して貰えればと思います。
    Kobe Xと比較ですと、ルナロンとファイロンの感触差、ソールの厚さで大分印象が違ってしまうかもしれないです(Kobe Xのルナロンはどちらかと言うと、ベッドで言うポケットコイルの様にポイントポイントで沈む感覚ですが、ファイロンは均一に沈む感覚)が、屈曲性のみで見ればそこまでの差は感じられないと思います。

    以上、遅くなってしまい本当に申し訳御座いませんでした…。

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