adidas D Lillard 2 レビュー

さて、今回はD.Lillardのシグネチャー第二弾、adidas D Lillard 2をレビューしてみようと思います。
前作は底周りこそ使い回しでしたけど個人的には気に入っていた1足で、今作が国内でリリースされるのを今か今かと待ちわびてました。
しかも初期カラーがドンピシャ!ということで、早速買ってみました!
今作はソール周り含めて完全オリジナルな力の入った1足、ではでは見てってみましょう。
ちなみに今回選んだカラーは”ripcity”。ブレイザーズカラーとガムソールのコンビネーションが絶妙!


まず外観から。
とても105USDには見えない程のクオリティ!
アッパーは基本テキスタイルで補強部分にはスエード的なシンセティックレザー。インサイドはただのメッシュでは無く三角形の切り抜き。
スエードとインサイドのメッシュ以外全てに幾何学模様のパターンが施されてるという拘り様。
ここまで凝っててたったの105USDですよ?奥さん!(国内価格は決して安くないですけど…。)

サイドからのシルエット。
シルエットこそここ最近のadidasシューズと共通ですが、各所ものすごい拘り様。 
アンクル周りのスエード調シンセティックレザー。
この材質感、なんか懐かしいな…。
体育館ばk(略
インサイドのメッシュは三角形の切り抜き。
ただの四角を持ってこない辺りが素晴らしい。
テキスタイルアッパー、ミッドソール、ヒールカウンターまで共通した幾何学模様のパターン。
トップのアイレットもこの拘りよう。
TPUのヒールカウンター。思うんですけど、adidasのシグネチャーロゴってセンス良い気が。
さてさて、では肝心の履き心地を。
今作はTechfitのインナーブーティ仕様…と言うか、このインナーブーティがメイン。
他でよく見られる中足部からのスリッパの様なブーティ構造ではなく、Hyperrev 2015の様に後続部まで丸々インナーで、これがマッチするかがフィットの全てかと。
という訳で、外装は全て補強レイヤーという感じです。
このTechfitインナーはそこまで厚い訳では無いですけど、シューレースホールの配置が悪いのか締め上げ辛く、ソフトな足触り。
明らかに前作の方がかっちり抑えてくれます。
前足部のFlight Web的な部分もあまり効果を感じない…。
シューレース自体が細めなのでもっとガッツリ抑えてくれるかと思ってたんですけど、ちょっと拍子抜けです。

ヒールは前作の引っ掛ける形ではなく、ちゃんとパッドが入った形に。
アキレス腱周りは少し空間空きますけど、踵の納まりは悪く無いです。
ただ、ヒールカップが柔らかめで若干ブレる感覚があるのが個人的には少し気になりました。

ちなみにフィッティングも前作から大きく変わってて、前作はマイサイズだと若干縦方向が短めに感じましたけど、今作は逆に長いし広い。という訳で今回はハーフサイズダウンまで見ておいた方が吉です。
まぁ、インソールがadidasお馴染みのスリッピーなので、インソール1枚入れるってのも有りかと。

レースホールの配置。ロックダウンがもうちょっと効いてくれたら良いな…。
ガチブーティ。インサイドのメッシュ部分はブーティもメッシュ…ですけど、暖かいですよ。この時期でも。
クッションはこれまた新しいマテリアル、”Bounce”。(adidasの商品説明のadiprine+の説明は一体…。)
体感的にはBoostより固く、adiprine+より柔らかい、丁度真ん中に位置する感触。
ただ、どちらのクッションよりも比重は少し重めです。
感覚的にUAのMicroGによく似てるかなーという印象で、少しだけウェットで吸収特性。
これは前作も思ったことですけど、adidasのシューズってフォアフット周りはどちらかと言うと低く、ソリッドな印象ですけど、D Lillardシリーズは比較的厚めのミッドソールが採用されてますね。
ガードプレイヤーには珍しくクッション性を求める派ということでしょうかね。(確かに強めの踏切が印象に残ってます。)

Bounceフォーム。結構プニプニ。MicroGに近いかな?

アウトソールもこれまたD.Lillardのインスピレーションが色濃く反映されてますね。
まず、なんと言ってもこのガムソール!(個人的には生ゴムのほうがしっくり来る)
この材質感だけでもカッコいい。ちょっとノスタルジーな感じが堪らない…。
パターンはアッパー・ミッドソールに施された幾何学模様基調に、フォアフットにLillardの胸に刻まれたTattoモチーフが。
右は”Oak”、左は”Land”で、組み合わせてホームタウンの”Oakland”になるという、溢れる地元愛。
ミッドとヒールの端には生まれ育った”Brookfield”が。この辺の拘りが堪らない。

Oak
Land
中足部に刻まれた”Brookfield”の文字。
ヒールの端にも入ってます。
…で、肝心のグリップはというと、これが最高で!…って書きたいんですけど、ちょっと惜しい…。
というのも、ラバー自体がソフトで、例えば家のフローリング等ワックスがしっかりしてる所では”ニチッ”という音がする程のグリップ力なんですけど、いざ体育館に持ち込んでみホコリに弱く、綺麗に保たないとグリップを発揮してくれないという…。そして、併せてとてもホコリを拾いやすいという悪循環…。
比較的コンディションの良いフロアでプレイ出来たんですけど、それでもこれだとコンディションの悪いコートだと、しっかり喰ってくれない感じが…。
材質ももちろんあるでしょうけど、このパターンの狭さも影響してるのかなーという感じがします。

カッコいい!…ですけど、ちょっとホコリに弱いかな~…。
重量は豪華なマテリアル・厚めのミッドソールということも有り、ローカットでは重めの412gでした。
インナーブーティのフィット感も相まって、プレイ中はそこまで重さを感じ無かったですけど、軽いのに慣れきった足には、終盤の足の疲れがちょっと気になりました。
おそらく”ASG”モデルの方が軽いかと。

ローカットにしてはちょっと重めですかね。
 Caution!!
白い靴下はご注意を。ヒール下のDマークが色移りします…。

踵が赤くて最初ビビりました…。
おまけ:専用箱にも幾何学模様が入ってます。
 という訳で、以下のように評価してみようと思います。

フィット … 6/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 7/10
コスパ … 7/10
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ALL … 34/50

シューズ的には本作の方が好きですが、純粋にどちらがパフォーマンスが高いかと言われると、個人的には前作の方が良かった様に感じます…。
adiprine+のダイレクト感や締め上げやすさ、グリップ力等前作の方が魅力的に感じる部分がちょっと目に付きましたね…。
ただ、冒頭でも触れた様に今作は完全に新規設計された意欲的なモデルであり、このBounce自体をLillardが求めたものなのだとしたら、前作ではクッションが少し足りなかったのかなという感じがします。(…本当に”求めた”ならば。adidasは新しいマテリアルを使いたいだけの時もあるので…。)
緻密にデザインされたアウトソールも、クリーンなNBAのコートではちゃんと力を発揮出来ると思いますし、ただただ一般ユースでは若干のマイナス作用かなと感じるレベルなので、決してネガティブでは無いと思ってます。
むしろここまで力の入ったモデルが出来上がった事に、今後のモデルにも更に期待できるなーと感じた1足です。

ちょっと小話。
adidasは今作”ASGモデル”として、Rose、Wall、Lillard、CrazyLightに特別モデルとしてPrimekintモデルをリリースしましたね。
CrazyLightの場合はただただ特別カラーなだけなので置いといて、Roseは設計が同じでマテリアル違いなので、これは楽しそう。
ただ、WallとLillardは酷くないすか?
ミッドソール・アウトソールはCrazylightと共通で、アッパーだけが違うという扱い。
特にLillardの今作はソール周りも緻密にデザインされてるし、フルレングスでBounceの柔らかいミッドソールを採用されてるのに、Primeknitモデルが前足部はadiprine+の硬質感。せめてフルレングスBoostを奢って欲しい所。
Wallはサイドの補強パーツすらもPrimeknitで表現されてるので補強としては期待出来ないですし、もはや完全に別の靴と考えて過言無いですよね。
そもそもASGに選出されるも、履かれないモデルに一体何の価値が…。
そして本国はいいですけど、おま国価格で¥24,800-統一とか…。
ちょっと考えて欲しい所だなーと感じた所で今回は終わろうと思います。

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