Nike Air Zoom Uptempo V レビュー

これこそ超今更ですが、今回はかの名作”Zoom Uptempo V”をレビューしてみたいと思います。

なんで今更?って声が聞こえそうですが、たまたま新品が入手でき、この機会に振り返っとかないと後はないだろうなと。
レビューを探しても意外に無いんですよね…。
というわけで、自前で残しておこうという魂胆です。
 (新しいモデルのレビューを待ってる方、ごめんなさい。近く公開できるよう準備してますので、今しばらくお時間ください。)

このシューズ、どうしても無くなる前に履いておきたかったシューズだったんですよね。
発売終了して尚、未だに高い人気を誇るこのシューズに一体どんな魅力があるのか。

何を隠そう、自分は販売終了してから興味を持った一人で、写真のものでかれこれ2足目。
…2足目。。そう、どっぷり浸かってしまった一人になりました。今では1足あると安心します。

ということですでにご存知の方には振り返りで、知らない方には昔こんなモデルがあったよと紹介できればと思います。


前述の通り販売終了後に履き始めた歴の浅いユーザーなので、間違ってることも有るかもしれません。諸先輩方、何卒ご容赦の程。

まず初めにご存じ無い方へ、このAir Zoom Uptempo Vには”Air Zoom Flight V”というベースモデルが存在します。
このモデルはJ.Kiddのファーストシグネチャーシューズで、当時の背番号”5”からモデル名のVは来ています。5作目ではないです。
日本では田臥選手が愛用してたこともあって、一気に広まった記憶があります。
Zoom Flight VはUptempoより若干カットが高め。デザイン的にはよく似てますが、結構違うところがあるんですよね。

そんなFlight Vをベースにしたのが、このUptempo Vです。(かなりざっくり。)

…と、前置きが長くなってしまいましたが、さっそく見てってみようと思います。

アウトサイドから。
今見るとレザーがふんだんに使用されたアッパーの豪華さ。(…と古めかしさ)
履いてわかるぐらいに今のフレキシブルなマテリアルにはないしっかりとした剛性感があります。もちろん重みも。
デザインは、…まぁ好き好きですよね。野暮ったく映る人もいるかと。個人的には流れるようなデザインに渋みを感じます。(おっさん…)
驚くべきは、この基本デザインが1996年生であるということ。
当時だとずいぶん奇抜だったでしょうね。

サイドの巻き上がったミッドソール然り、プラスチックパーツ然り、飾りと思ったら大間違い。
切り返しの時にしっかり支えてくれます。
アシックス信者だった当時は「なにをチャラチャラしやがって!」と思ってました、ごめんなさい。

アウトサイド。
毎度の事ながら写真映えのしないカラー選択…。



インサイドは、うん普通です。
アーチの密着感も高くて、とても良好。

フィッティングはレースホールの感覚が狭いこともあり、かなりがっちり絞めあがります。
剛性高めのアッパーは、最初ちょっと固めで締め上げ辛いですが、2回ほど履くだけでこなれてきて絞めやすくなります。

外観で1点だけ文句をつけたいのは、紐が長い!ということ。
絞め込むと余る余る…。Kobe 8並み。
しかも固めの丸紐なので結構ほどけ易いです…。
150㎝の平紐に変更すると良い感じ。(ですが、せっかくのルックスが…。)


インサイド。
当時はどうだったんでしょう?
今ではオーソドックスなインナーブーティ構造。こんな昔からあったんだーとちょっと感動しました。

おなじみのスリッパ的なインナーブーティ。
ヒール周りは絶壁。
ヒールカップこそあれどパディングなんて皆無。
「踵なんて、押し付けて固定するんだ!」という男仕様です。
あ、でもこれでいて意外に抜け感もないですし、Hyper○unk 2016のように痛いと感じることも無いです。

のっぺり。
アウトソール。
asics一辺倒だった当時、Nikeシューズのアウトソールのイメージって”雑なパターン”と”固くて止まらないラバー”くらいしか無く、このシューズも漏れ無く同じ認識でした。だって点と丸だけだし。
そのイメージのまま履いてびっくり。ガッツリ止まれるラバーでした!

コンパウンドは荒く柔らかめ。グリップの感覚はKobe 9より少し弱い位で、ダスティーなコートでも、不安無く良く喰いつきます。
広めに取られた接地面積とこの強力なグリップ力のおかげで、安定感が本当にすごい。
こりゃ部活プレイヤーに絶大な人気が有るはずだ…。

ファイロン+フルレングスZoom Airのクッション性も抜群。
当時のシューズにあまり詳しい訳では無いですが、今のセパレートやスポットZoomに比べると豪華な仕様ですよね。
このZoom Airはどちらかと言うと吸収特性寄りに感じられ、張りが弱めなのも大きなポイント。
自分みたいな軽量プレイヤーでもエアの恩恵を最大限享受できます。張りが強めだとあらぬ方向に反発力が働いてしまうことがあって…。

もう1点。
この抜群のクッション性を持ちながら、足底が極めてフロアに近いという事。
これにより強力なクッション性とダイレクトな接地感を併せ持つという魅力的なパッケージングが出来上がってるわけですね。
これなら、今まで履いた中で代替を探すのはとても難しいなーと確信しました…。

アウトソール。
点と丸だけなのに!だけなのに!
唯一のウィークポイントは、やはり今のモデルに比べると若干重量が嵩む事かと。
実測26.5cmで418g。
ここらへんは豪華なアッパーによる剛性感とトレードオフ出来るか否かが鍵かと思います。
ちなみにLillard 2と同じ位です。(412g)
天秤にかけると自分はこちらのほうが好みです。


という訳で、以下のように評価してみようと思います。

フィット … 9/10
グリップ … 9 /10
ベンチレーション … 6/10
クッション … 10/10
コスパ … 10/10
-----------------
ALL … 44 /50

冒頭でも触れましたが本当に”今更”。
定番モデルを評価すると言うのはなかなかにハードルが高いですね。おこがましくも感じるほど。

でもどうしても記事として残しておきたかったです。
発売から長期たった今で尚、一級品の戦闘力を持っているこのシューズの良さにどうしても触れて置きたかったのです。

販売終了からいろいろな機会が有りこのシューズに触れることができた事、履いて実感出来たことに本当に感謝します。
そして、このシューズがすでに入手出来なくなってしまったことが本当に悔やまれます。
できれば一度は履いておいて欲しい靴。機会があるうちに是非。

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