Nike Kobe 11 EM レビュー

先日投稿したオーバーオールで”15-16シーズンモデルのすべてを終えた”と書いたにも関わらず、今回触れるのはKobe 11 EM。がっつり15-16シーズンのモデルです。てへっ。
個人的にKobeイヤーだったのとマテリアル&インサート違いという事で買っちゃいました!特にインサートに興味津々!

EliteのIDがローンチされた際に衝撃だったインサート選択式。そのうちの一つ、”フルレングスルナロン”がこのEMにも搭載されてます。いやー、このインサート違いのために何足もID作れないっすよ…。

というわけでこれらの違いがEliteとどう違うか、早速見てってみようと思います。

今回のカラーウェイは”Draft Day”。
最初に指名したHornetsからインスパイアされたカラー。ホワイトに明るいブルーと濃い目のパープルが爽やか。
結局はLakersに入るとKobeがゆずらなかったので、Kobe自身がこのカラーを身に纏う事はありませんでしたね。


アウトソールはパターンもラバーも一緒の様なので今回は割愛します。
相変わらず良好なトラクション。

ソリッドだとパターンが見やすい。
インサートしたの構造も全く一緒。
TPU底+TPU紐による縫い付け。


さて、アッパーは名前にある通りEngineered mesh。
Kobe 10で一度流れは切れましたが、8・9で採用された軽量アッパーが再度復活しました。
やっぱり軽くて良いですねー。粗全体メッシュなので通気性も良好。
そして柔らかい。

爪先やレースホールは強化の為のTPUレイヤーが重ねられてます。
写真撮り忘れましたが、ヒールカウンターのように踵にも。
ここから違う点を。
まずホールカットがElite版より深い位置まで切り込まれていて、前足部のロックダウンはEM版の方が効きます。
左右のシューレースホールの感覚も広く取られていて、絞め込める幅が広いのもポイント。
ただ半面、この構造故Elite版より少しタイト目に感じられるので、”Eliteは大丈夫だったから!”という人も一度試着した方が良いかと。

ライニングもEliteのぽてっとした印象から大分スリムにダイエット。(すみません、写真忘れました…。)
踵の抑え込みはあまり変わらず。というかむしろEM版の方が若干良く感じます。おそらく表面のTPUレイヤーがヒールカップが広がるのを抑えてくれるからではないかと。
感覚的にはKobe 9 EMを履いた時の印象に近いかなと感じました。

ホールカットはEM版の方が深い位置まで切れてるので、前足部の抑え込みはこちらの方が良好。
ライニング周りの印象が大分違うのも特徴的。
続いてインナー。
EM版の方がインナーブーティが高い位置まで伸びてます。
Eliteのものよりも少し厚めでクッション入り。これ単体でもそこそこ剛性感ありますし、クッションによりフィット感も良好。
EliteはFlyknit + TPU糸により、アッパー自体の剛性感を生かした作り。対してEM版はトップのレイヤーの柔らかさを生かして、インナー+Flywireで剛性を稼いでる印象で、それぞれアプローチが違ってるなーと。

ちなみにElite版のインサートの爪先に施されている、ヘキサゴンパターンがインナーに。
「だからフレキシビリティが!」…と体感できるほどは無かったですが…。

EM版はこのクッション入りのインナーブーティがシュータンの役割も果たしており、付け根から厚めのクッションで、足当たりの柔らかなElite版とここも大分性格が違いました。
個人的にはEM版のダイレクトなロックダウンが好みですが、ここら辺は好みの別れどころですね。


見覚えのあるパターンが…。

Flywireは2段目以降すべてに配されてます。

さてさてお待ちかねのインサート。
インサートは冒頭でも触れたように、フルレングスルナロン。
Eliteで施されてた表面の布地も無く、従来のKobeシリーズの様な素地です。足裏蒸れます。コストカット。
爪先部分も、Elite版ではフレキシビリティ向上の為にヘキサゴン状の切れ込みが入ってましたが、ルナロンインサートはパターンが付いてる程度。
ルナロン自体が柔らかいマテリアルなので”だから屈曲性が悪くって”ということは特に無いです。

ヒールから中足部にかけて色分けされてる部分、実は異硬度で少し硬めですね。
情報見つかりませんでしたが、ファイロンですかね?
アウトサイドは平ら。インサイドは土踏まずのアーチに沿って盛り上がってます。
おそらく、この異硬度によってシャンク的な効果を狙ったものかと。

クッション性は従来通りのルナロンインサートと言った所。
ルナロン独特のモチっとした特性のウレタンフォーム感覚。
個人的には不足を感じないですが、EliteのヒールZoomの方が良いという人ももちろんいるかと思います。その為のオプションでしょうしね。

表面はEliteの様なファブリックは無く、ルナロン素地。
Kobe 9の様なイボイボでは無く、どちらかと言うとKobe 8の様にパターンを感じる程度の膨らみ。
裏面。
中〜後足部にかけて異硬度のフォームが搭載されてます。
この擬似シャンク、意外に効きますよ。
アウトサイドは平面。

インサイドはウォールが立ってます。

最後に重量を。
26.5㎝で307gということで、15-16シーズンで一番軽かったKD 8 EP(325g)よりも軽く、 Eliteと比較すると約50gも軽く、体感もかなり違います。

EliteのインサートもZoom Airが搭載されてるからか従来のKobeシリーズのインサートと比較すると若干重めだったので、それと比較すると、このルナロンインサートにより軽量化。(60g → 45g)
また、やはりアッパーの重量差が大きい印象。(299g → 261g)

307gは自分が履いた15-16モデルで最軽量。

ちなみに、フルレングスルナロンの中では一番重いです。
異硬度のシャンク部分の密度差ですかね?
インサート無しで261g。
という訳で、以下のように評価してみようと思います。

フィット … 9/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 8/10
コスパ … 8/10
-----------------
ALL … 41/50

ダイレクトでかつ、ホールカットの深さによる前足部のロックダウンとヒール部分の抑え感から、フィットの項目で+1。
メッシュ構造でベンチレーションも+1。
クッションはZoom Air省略に伴い-1。(個人的にヒールZoomにそこまで、主眼を置いてないので1点のみですが、人によっては大きな減点部分になるでしょうか。Zoom Airが欲しい人はEliteも買うか、EMでIDを作りましょう!なぜかEliteのIDより価格が高いという逆転現象が起きてますけどね…。)
ベース価格差があるので、コスパでも+1。
というわけで、スコアとしてはElite版よりも高いものとなりました。

このEMは”コストダウン”に見られがちですが、Eliteから不要な部分を削ぎ落し、さらに洗練されたシューズになってる印象を個人的には感じました。
モデルとしては逆ですけど、初期リリースモデルが”ガッチリ”で、セカンドモデルが”軽量性”の流れはCP.3シリーズに似てるなーと個人的には思ったり。

さて、Eliteからリリースされた今作。
Eliteは本来Play Offモデルの意味合いがありますが、Kobeが引退した来シーズンはどの様な形になるんでしょう?
メインで履いてるDeRozanがPlay Offに進めばリリースされますかね?
ひとまず、Kobeシリーズが続いてくれる事だけでもファンとしては嬉しいことなので、次回作も期待して待ってます。

コメント

  1. 初めまして。
    こちらのブログをいつも楽しみに読ませてもらっています。

    軽量系やシリアスプレーヤー向けモデルのレビューが多いので、部活生の自分やまわりの友人達はとても参考にさせてもらっています。

    もしよろしければ質問をお願いしたいのですが、Kobe9EM、10、11EMを比較した場合、グリップ、フィット感、踵のホールド感ではどのような順位になりますか?

    あくまで個人的な見解で構いませんので教えて頂けたら嬉しいです。

    また今後とも色々なモデルのレビューを楽しみにしています。

    長文失礼しました!

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    1. 初めまして!コメントありがとうございます!
      稚拙な文章ですが、お役立ていただけている様で光栄です!

      さて、質問頂いていた3つの項目に当てはめさせて頂くと、以下の様に評価ささせてもらいます。

      グリップ:Kobe 9 > Kobe 11 > Kobe 10
      フィット感:Kobe 9 > Kobe 11 > Kobe 10
      踵のホールド:Kobe 9 > Kobe 10 > Kobe 11

      まずグリップですが、Kobe 9のグリップは今まで履いたシューズの中で間違いなくNo.1といって過言無いです。
      あまりに強力なグリップなので、慣れない最初はストッピングで足が疲れてしまう程でした;w
      その点、Kobe 11は良い意味で"遊び"があり、逃がしも含めてコントロールしやすく感じます。
      Kobe 10も決してグリップ力が悪いわけではないのですが、ノジュール構造やラバーの材質的に少し柔らかすぎると感じることがあったので、その部分の好みの差で選ばせてもらいました。

      続いてフィット感ですが、こちらもKobe 9をトップにさせてもらいました。
      自分の足が狭いというのもありますが、Kobe 10は従来のシリーズに比べて前足部が広く感じられました。
      Kobe 11では広さの違和感は減り、従来モデルの感覚に近くなりましたが、インサートの形状故つま先のアウトサイドの土手が高めで、絞め込んでいくとこの壁も付いてきますので、この部分で好みが分かれるかもしれません。
      その点、Kobe 9のインサートは癖が無くアッパーのフィット感を最適に感じられると思います。
      絞め込みやすさはKobe 9に少し及ばず11という感じですが、Kobe 10一歩引いて少し締め上げ辛いですかね。

      最後に踵のホールド感ですが、サイドからTPUパーツで挟み込むKobe 9がサイドの切り替えしでも安定しているので、やはり一番とさせてもらいました。
      2位のKobe 10もヒールカウンターこそ無いものの、ヒールカップがしっかりしていて、こちらも不満無いです。
      この点、Kobe 11は少し弱めで、左右の切り返しで踵が少し遊ぶ感覚が気になるところ。
      踵が抜けてしまうなど、致命的なほどではないですが、この点をシビアにみられる方には少し気になってしまうかなと感じます。


      以上からKobe 9が自分の中では一番評価が高く、一歩及ばずKobe 11、好みの問題でKobe 10という順番とさせてもらいました。


      以上、長文となってしまいましたが、何かの参考になれば幸いです。
      今後ともよろしくお願いします!

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  2. お返事頂きありがとうございます。

    とても的確かつ丁寧にお答え頂けて感動しました。笑

    やはり総合的には9がトップにくるのですね♫

    サイズ感は試着で判断できても、グリップや切り返し時のホールド感などはなかなか分からないので、とても参考になりました。

    11の溝が少なく10より固めのアウトソールにグリップの不安を感じ購入を躊躇していたのですが、グリップ、フィット感ともに10より勝ると聞いてやはり11を購入しようと決めました。

    ただグリップの次に重要視している踵のホールド感で10を下回ると聞いて、やはりCP3 9AEと迷ってしまう自分もいます笑

    どちらもBrankさんのレビューを読むとかなり良い印象なので、試着して幅広甲高の自分の足にどちらが合うかで決めようと思います。

    いきなりのご質問にも関わらず丁寧に答えて頂き本当にありがとうございました。
    失礼します。

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