adidas Crazylight Boost 2016 レビュー

さて、2016シーズンモデルの2作目は、adidas Crazylight Boost 2016を見てみようと思います!(CLB 2もCLB 2015にしとけばよかった…。)

個人的にCLB 2が”当たり”だっただけに、今作への期待が弥が上にも盛り上がってる訳ですが、果たして。
何と言っても今作は、遂にフルレングスBoostフォームが搭載されましたしね!

では早速!…の前に、1点謝罪を…。
と言うのは撮影前に履いてしまうという大ミスを犯してしまい、すでに着用感・汚れがあるという、お見苦しいコンディションになっています…。大変申し訳御座いません;。
特に今回選んだ”Triple White”は汚れが目立ちやすい…。

すでに履きシワが…。
さぁ、気を取り直して見てきます!

サイズ感に関してはベースのラストが変更されたのか、CLB 2.5付近のadidasシューズにあった”縦が微妙に長い”ということは無くなり、今回はマイサイズで大丈夫でした。
不安だったので、保険の為にハーフダウンも入手する予定でしたが、1足で済みました!
横幅は従来通りという感じ。
横幅広めの方はハーフ・ワンサイズアップまで様子を見た方が良さそうです。

アッパーはやはりD Lillard 2と同じテキスタイルで、折込で作られた模様と補強の為のTPUラインのコントラストが綺麗です。
前作から引き継いだPrimeknitバージョンも有り、その違いは気になるところ。

インサイド。
アウトサイド。
アッパーとTPU補強のコントラストが良い感じ!
何よりトリプルホワイトの邪魔担ってないのが素晴らしい!
さて、実際に履いてみた感想は、…正直"うーん"。

まずサイジングですけど、CLB 2.5付近のadidasシューズに多かった"微妙に縦が長い感"は無くなり、今回はマイサイズで大丈夫でした。
ウィズはいつも通りですので、幅広めな方はハーフアップも検討を。

レースアップしない状態での足入れの感覚は決して悪くないです。
インナーブーティ + 少し厚めなアッパーで、柔らかく足が包まれる感覚。これは期待できる!と思ったんですが…。

問題はレースアップに。特に前足部。
構造はここ最近多めな、アッパーの内側を通ったベルトがレースループになっているもの。
締め上げると、足に沿ってベルトが密着…する筈なんですが、最下段のベルト位置が悪く、特にアウトサイド・前側のベルトは絞め込むと小指と薬指の間に丁度来てしまい、足当たりが悪い。つか痛い。
で、これを嫌って少し緩めで履こうとすると、2段目まで同じ構造なのでフィット感が不足してしまうという…。

個人的にはLillard 2のように、ベルトの出口付近でアッパーと縫い合わせて、アッパーごと絞め込める構造なら大分印象は違ったのではないかと思うのですが…。
典型的なエジプト足が悪いんでしょうか…。

そんなこんななので、爪先外側に配されてる"TPUフォアフットロールケージ"の恩恵を受ける以前の問題…。

少し締め込んだ状態で撮影。
最下段の間隔が狭め。
TPUフォアフットロールケージ。
効かせられれば効果ありそうなんですが…。
内側のベルト状態。
上2段はアッパーとTPUパーツを挟み込む構造で、甲の押さえ込みはなかなか。
ヒールの収まりも決して悪くないですが、左右の動きにはちょっと弱め。ヒールカウンターは外側にしか効かない配置ですし。
甲周りを押さえ込むTPUパーツがヒール後ろから伸びててくれれば、ここまで遊ばなかったんでしょうが…。

ネガティブな評価が続きましたが、ここでポジティブな点。
1点目はライニングが抜ける方向で毛羽立つ仕様で、抜け方向に抵抗が掛かる様になっている事。
もう1点はヒールのパディングが2段階の立体的な物が使われていて、踵の収まりがとても良い事。(あとは左右に強ければ、ヒール周りは高評価だったんですが…。)
こういう細かい改善とても好きです!
アキレス腱付近のヒラヒラは正直意味が分からないけどな!

このヒラヒラは一体…。
ソールのスリーストライプの残骸が汚い…。
スリーストライプのヒールカウンター。
外側に寄った配置。
ミッドソールはついにフルレングスBoostに。
実は”爪先からヒールまで全て"Boostフォームというのは史上初。
Roseシリーズでも先端はBoostじゃ無かったですしね。
Boostらしい柔らかく衝撃を往なす感覚は、相変わらず他では味わえない感覚。

厚さ的にはRose 5より厚く、Rose 6より若干薄い。
乗ってる感はやはり有りますけど、Rose 6のもろ”Boostに乗ってる”感よりフロアの感覚は確実に掴みやすくなってるかと。

前後バランスはヒール側が少し厚めで若干前傾気味。前方向に「真っ直ぐ」走るにはとても良好。…なんですけど、やはりBoostの軟さ故、左右の切り返しのときの”ブレ”が目についてしまいます。
Roseシリーズでも度々触れてきましたが、Boostフォームは柔らか”過ぎて”、左右の切り返しのときにアウトソールのグリップ力に負けて捩れてしまう。
Rose 6では、アウトソールでサイドを補強していて、しかもBoostのクッション性を邪魔しないとても良い解決策だと思ったんですが、何故かこのモデルには実装されず。
個人的には、フルレングスBoostモデルには縒れ防止の為、全てに実装すべきだと思ったり…。

Boost満タン!
ただやはり捩れる…。
グリップ力は相変わらずここ最近のadidasシューズのラバーが本当に素晴らしく、よく止まる!…と思って調べてたら、タイヤでお馴染みのContinentalのラバーだったんですね…。勉強不足でした…。

ラバーの供給自体は5年前からすでに行われていたとのことですが、今まで言及は特になかった記憶ですので、もしかしたらこれが初ですかね??
感触としては柔らかく・粘性のあるラバーで、埃の多いコートでもカッチリ止まります。

パターンはadidas曰く、"進化したヘリンボーンパターン"とのこと…ですが、何せラバーが良いので、このパターンがどれくらい影響してるかは正直わからずw
全体的に縦方向ヘリンボーンですが、左右切り替えしですっぽ抜ける事はまず無いです。ラバーが良いので!

シャンク自体は後端から中足骨の下辺りまで伸びており、足の動きに対して遅れることなく足底が付いてくる感覚。

今作のスプリントフレームはミッドソールとアウトソールに挟まれる形で配置。
前作はヒールカウンターを兼ねてミッドソールの上に配されてたので、プレートが直接土踏まずのアーチをサポートする形でしたが、それと比べると今作は"柔らかめ"な足当たり。
個人的には前作のソリッドな足当たりも好きでしたが、直にフレームに乗ると、メーカーの想定したアーチに合わなければ痛いだけだったので(特にadidasは細め。)、そういう風に見ると、敬遠してた人にも間口が広がったのではないかなーと。

"進化したヘリンボーン"
少し歪ませた、前方方向のヘリンボーンという感じ。
ここに何か入るんだろうか??
http://4.kicksonfire.net/wp-content/uploads/2016/07/adidas-Crazylight-Boost-2016-Liberties-8.jpg?9a1c09
ああ、なるほど。ここにContinentalのロゴが来るのか。
(なんでトリプルホワイトだけロゴが無いんだろう…。)

最後に重量。

26.5㎝で416g。
Primeknit版ならもう少し軽いかもしれないです。

決して重いわけでもないですが、もう軽くも何ともないCrazy"light"とは如何に…。
というか、もうCrazylight Boostで良い気が…。

light…。
というわけ、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 6/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 9/10
コスパ … 6/10
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ALL … 36/50

うーん、この内容で国内価格18,349円と言われると、正直厳しいところかなーと…。

かなり厳しい評価になってしまったのは、個人的に前作、特にCLB 2015のバランスがとても良く感じていて、それと比べてしまうとどうしても劣るかなーという感覚が強いからです。
CLB 2015の場合はBoostと銘打ってるものの、大半はadiprine+でとてもソリッドな感覚&レースもかなりカッチリ追い込め、更に軽量と、個人的にはとても魅力的なパッケージだったのですが、今作はちょっと影を潜めてしまった感がします。

今作も”3.5”としてマイナーチェンジが出るかもしれませんが、個人的にはCrazy”light”なモデルへ進化していってくれることを期待したいです!

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