Nike Zoom Kobe Venomenon 5 EP レビュー

これまた少し古いモデルなので果たして需要が有るか謎ではありますが、今回はKobeのセミシグモデル、”Zoom Kobe Venomenon 5 EP(長えぇぇ)”を見てみようと思います。

”5”とあることから分かる通り(というかそんなこと言わずともご存知の通り)シリーズ5作目で、初作から評価が高かったので興味は合ったのですが「Zoom Airは必須では無い」「インサート式が好み」ということも有り中々手が出ませんでした。
しかし5作目以降の情報が無くKobe引退後も継続されるか微妙そうだったので(…と思ったら、ひょんなとこからVenomenon 6のリリースが有りました。)、今回トライしてみることに!(そして今格安!)
では早速!


アッパーはフレキシブルなフューズメッシュ。
2段目まではFlywireがありますが、それ以降のシューレースホールには特に無し。
氷の様なディティールのTPUヒールカウンターが良いアクセントになってますが、凄くシンプルなシルエットに感じます。

サイズ感は従来のKobeシリーズと余り変わらず。EPなのに。
その中でも体感的にはKobe 8のサイズ感に一番近いかなーと個人的には感じます。
ココ最近のKobeシリーズは少しフォアフット広めですけど、本作は若干タイト気味。
(そう言えばMentalityシリーズだけはやけに狭く感じて、未だに突入出来ないんですよね…。ワンサイズ上げてもキツかったです…。)

構造はココ最近よくある中足部に切れ込みの入ったスリーブ。
Flawierはいつも通りスリーブとアッパーの間に配されてます。

さて肝心のフィット感ですが、うーん…。
気にるポイントは2箇所。

まず、ヒール部分。
外付けヒールカウンターの幅が踵に対して少しルーズ気味。これにより横方向への押さえ込みが今一歩。
また、カット自体が他のKobeシリーズと比較して更に低く特に踝下の切り込みが深めで、トップレースのヒールを押し付ける力がうまく伝わらない感じ。
Kobe 8の様に左右2点ずつの計4点でレースアップ出来ればもう少し強く抑えつけられてもっと良かったかと。

もう1点は、レースホールが配されてる深さ。
今作は大分浅めの位置に最下段のレースホールが位置しており、特に爪先周りのロックダウンが少し弱め。
ラストがタイト目とは言えレースによるロックダウンが有るのと無いのとでは大違いで、この辺りの密着してる感が少し希薄。

3,4段目のレースホールに当たる切れ込みの入ったアッパーの密着感が抜群なだけに、ちょっと物足りない感が…。

アウトサイド。
トランスルーセントも相まってか、個人的には凄くシンプルに見えるんです。
ディティールは凄い拘りを感じますが。
インサイド。
ミッドソールのウェーブが個人的にはとてもお気に入り。
イン・アウト見てお分かりの通り、レースホールの最下段は浅め。
よくある切れ込みスリーブ。(Kobe 10似)
ミッドソールは、Kobeシリーズには珍しくファイロンベース+前後Zoom Airの構成。

ファイロンにしては少し柔らかめな踏み心地で、ルナロンに慣れた足でも余り違和感は無く。
Zoom Airもベースが柔らかめなことも有り存在を感じやすいかと。特にフォアフット。
反発感覚も掴みやすいので、フォアフットのエアバッグが苦手な自分も”フォアフットのZoom Airが煩わしい!!!”と感じる事は無く、本当に自然なクッションサポート。

ただ、これまたKobeシリーズに珍しく、若干厚め・高めなミッドソール。
バランスはKobeシリーズ宜しくフラット・弱後傾ですし、フロアフィールも決して悪く無く寧ろ掴みやすい部類ですが、履き始めはKobeシリーズらしからぬ高さに不安定なんじゃないか?感が少し怖かったです。(杞憂でしたが。)

パターンは…なんて形容すればいいんですかね?
ヘリンボーンを途中でぐちゃぐちゃっとした様なから徐々に変形していく波型の組み合わせ…とします。させて下さい。
不規則な並びと見せかけて、親指下にはフレックスグルーブ的にパターンが切れてる部分が個人的には地味に好きだったりします。(ちらりと見えるデザインの拘り的な)

XDRのタグ付いてましたがラバーは比較的柔らかめで、ある程度埃が浮いてるフロアでもしっかり喰いつきます。…喰いつくんですけど、トラクションにアウトリガーの剛性が負けてしまい、下に巻き込まれてしまうという…。そういえばKobe A.D.もこんなだったな…。
Kobe 11の様に縦リブを入れて補強してもらいたい所。

ちなみにですがこのモデルでも後足部にアウトリガーが有り、これによる安定感ってやっぱり凄いですね。
特にKobeは後足部寄りのバランスが多い印象なので、余計に効果が高く感じます。
ぜひ継承してもらいたく!

アウトソール全体。
ヘリンボーンが途中からグチャグチャ変形していくパターン。
パターン拡大。
親指下が個人的にはお気に入りポイントです。
トランスルーセントでエアバッグが見えるってのも地味に好きだったり。
ただ、インサートモデルの方が踏み心地は個人的に好みです。
重量は26.5cmで306g。
久々に軽くてびっくりしたシューズでした。
実測の中ではKobe 11 EMとほぼ同じ。Air付き・ファイロンで。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  6/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 9/10
コスパ … 8/10
-----------------
ALL … 39/50

うーん、決してパフォーマンスが低い訳ではないんですけど、積極的には選択し辛く…。
特に踵の押さえ込みとアウトリガーの巻き込みが個人的には致命的で、ここぞという時には他のシューズに手が伸びてしまいます。

ただ、プロダクト自体に間違いなくKobeエッセンスは入っていて、セミシグ故の価格の安さ(むしろコスパ良すぎ)と気軽さが有るので、是非とも今後も継続して欲しいシリーズだなと。

さて、Venomenon 6は果たしてどうなんでしょう?
シルエット的にはKobe A.D.に似てる様な。
ヒールのZoom Airは写真から分かるのですがフォアフットは分からず。
表面のサーフェスはKobe 10のテキスタイルにも見えつつ、フューズメッシュにも見えつつ。
あまりにも情報が無いのでなんともですが、もし現物見て行けそうだと思ったらトライして見る予定です!

コメント