Nike Zoom KD 10 EP レビュー

さて、皆さんの興味は新しいマテリアルの”React”の使用感に向いてるであろう今日この頃。わたくしめは敢えてこのモデルから今シーズンモデルのレビューを開始したいと思います!(天邪鬼なもので…)

というわけで、今回は”Nike Zoom KD 10 EP”をレビューしてみたいと思います!

もちろん、自分としてもReactの踏み心地に興味有りますし、追々履こうとも思ってます。
その気持をグッと堪えて、まずはこれだなと!
1シーズンに2作出すという超然フライングなKDシリーズ、さて如何に。(つか、本気でEliteの意味…)

今回選んだカラーは”IGLOO”。
グレーベースにミントっぽいグリーン(これがイグルーという色らしいです。)が良いなと。
GSWのロゴ入りなカラーも出るようですが、強すぎるGSWに対する小さなアンチテーゼという事で。
ただ、シグモデルにチームロゴが入るのは個人的には楽しみな部分だったり。


さて、まずはフィッティング。

サイジングは若干縦が長め。横幅はEPらしい広さなこともあって、KDシリーズでは初のハーフダウンになりました。(マイサイズだと捨て寸に対して余り過ぎるので、買い直しました…。)
いままでのKDシリーズでしっくり来てる方は、騙されたと思ってハーフダウンから試着してみて下さい。
ラストは相変わらずの甲低。レースによるロックダウンの仕様もありますが、今作は特に甲低が際立って感じられるかと。

構造は”ソックスの様な…”と言うか本当に”粗ソックス”で、ミッドソールにFlyknitのソックスを付けました!なフルブーティ。
履き口と甲の部分は伸縮性のあるニットで、サイドはシッカリ目のニットというエリア分けがされてます。
足入れすると、伸縮感のあるニットのお陰で甲周りの自然な密着感が心地よく、本当にソックスを履いてるような感覚。ただ、”シュータン”という物は存在しません。

KD 9からフルブーティー構造は採用されてはいましたが、それでもアッパーの厚みもあり、シューレースの締め込んだ時の感覚は若干マイルドでした。
ただ、今作は甲のクッション性は”何もない”ので、締め込んだら締め込んだ分だけ足に食い込みます。試着の際はキッチリ追い込んで試してみましょう!(寧ろキッチリ追い込めないとこのシューズを生かせないので、苦痛に感じた方は辞めたほうが良いかも…。)

アウトサイド。
インサイド。
シルエットはKD 9と粗同じですけど、今作は本当にアッパーが粗ソックス。
びよーん
踵側もびよーん。
正直履き口部分は伸びて欲しくないです…。いつか切れそうで…。
今作の大きな目玉は、何と言ってもこの特徴的なレースパターンかと。
ミッドソールとアッパーの間にレースポイントを持ってくる事で、シューレースが足に沿って3Dにサポートするという構造。
最初に言っておきますが、ぶっちゃけ絞め辛いです。
左右の動きに対してもある程度の強度を稼ぐ必要が有る為と思いますが、シューレースが太く、レースパイプの通りは悪いです。

ただ、きっちり追い込んであげるとロックダウンの効果は高く、特に下方向に対してプレッシャーはかなりのもの。
低反発なソックライナー&甲低なラストも相まって、足裏の密着感・アーチサポートは今まで履いたKDシリーズの中では文句無しに一番良いと自分は感じました。
反面、横方向、特に爪先部分のロール剛性が今一歩か、切り返しで時々縒れが出てしまったのがマイナスポイント…。

レースパイプの付け根はコの字状の縫い付け。
シューレースがホールドの肝ですが、爪先は無いので剛性が…。
前作では今一歩な踵周りでしたけど、今作は”踵の収まり”も良好。
個人的にはKobeシリーズと良い勝負出来るレベルで掴んでくれてるなと感じました。
左右の動きに対してはやはり少しだけ心許ない(Nikeローカットは全般的に)ので、この部分だけあと一歩なんとか頼みます。Nikeさん。
ちなみに、爪先部分のバックスキンなレザーは補強効果ありますが、ヒール周りは余り効果有りません。(足首の押さえ込み位。)

ヒールのパディングが今作はかなり良好で、掴みが良い!
左右の動きに対してだけもう一歩お願いします!
レザーはヒールカウンターとしての効果は無いです。
ミッドソールは前作と同じくファイロ  + フルレングスZoom Airのセットアップ。
真新しさは無いにせよ、相変わらずこのセットアップのクッション性は現在販売されてるバスケットボールシューズの中で最高の部類と思ってます。

味付けが若干違うのか、個人的にはKD 9より少し硬めになったかな?と感じてます。
厚みが若干増してる様なので、その影響も有るかもです。
その為、前作と比べて”若干反り強め”な感じで、個人的には前作のフレキシブルな方が好みでは有りますけど、これはこれで速度上げやすいので総じて”相変わらず良い”と言えるかと。

前作ではエアバッグとアウトソールが裂けてしまう問題が有りましたが(自分は幸い発生してませんが)、今作は爪先部分のエアバッグとの連結部分が若干拡大されてる様なので、皆様もう一度だけ信じてみませんか?(と言いつつ、今度はサイドのシューレースパイプが切れてしまうトラブルが出てる様ですが…。もの凄い正直な本音を言うと、他のプロダクトだと間違いなくリコールレベルじゃね?と感じた次第…。)

前後バランスも踏み心地的には粗フラットに感じます。
更に、今作はアウトサイド側に若干オフセットされてることもあって、安定感は引き上げられたなと。

若干分かり辛いかもですが、アウトサイド側に若干オフセットされてるので、接地面積が広め。
アウトソールはサークル基調のパターン。
力のかかるポイントを始点としたサークルになっていて、全方向に対して有効な良いパターンかなと。
ラバーはKD 9よりも更に1段粘る感触で、KD 9で感じた限界を越した時に”トラクションが逃げる”感覚が無く安心して踏んでいけます。これは良いグリップ!

アウトソール全体(毎回カラー選択のせいで分かり辛い…。)
パターン拡大。
サークルを基調としたパターン。
重量は26.0cmで352g。
KD 9より若干軽量化されてます。
あれ、Kobe A.D. NXTよりも軽い…。


ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 7/10
グリップ … 10/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 10/10
コスパ … 5/10
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ALL … 39/50

決して悪いシューズでは無いです。無いですけど、個人的には前作でも良かった?(Eliteではない)な感じが…。
特に全体のバランスとして見た時に、今作は若干アッパー剛性が弱すぎるのかなと…。
KD 9にこのアウトソールがついてれば完璧なのになぁ…。
自分だけですかね?”Nike 9作目の呪い”に掛かってるのは…。(Soldierも9が至高でしたし、Kobeも9がグリップの最高到達点…。)

これをどう”Elite”で昇華させるのか?の興味はありますが、果たして。(また取ってつけたような”ソックスを付ける”で無い事を祈ります…。)

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