asics GELHOOP V10 レビュー

実はレビューしてないだけで、定期的に買ってたりします。

と言う訳で、今回は”asics GELHOOP V10”をレビューしてみようと思います。
そうなんです、実は買ってたりするんです。
保険と言うか、1足保持してると保険と言うか安心感が有りまして…。(ここぞと言う時の頼りに。)
プロからビギナーまで幅広い層に支持されている、インターハイでのシェアNo.1の事実はやはり伊達じゃないなと。

面白いのは、皆さんご存知の通りasicsのバスケットボールシューズラインは”GELBURST””GELHOOP”の2つ(トライフォースとポイントゲッターは別枠)を主軸に、幾つかのスポットモデルを展開するラインナップ。(Blaze Nova気になる。気になる。)
で、”GELBURST”をフラグシップ・スピードモデルとし、”GELHOOP”を軽量・オールラウンドモデルと位置づけてる訳ですけど、”GELHOOP”の方が売れているという現実。

”GELBURST”の硬質感ある反りによる速度感であったり安定感はもちろん強いアドバンテージでは有るんですけど、”GELHOOP”のフレキシビリティとクッション性(実はGELHOOPシリーズの方が柔らかいんです。)、軽量性、あとコスト面でおそらくこちらの方が選ばれてるんでしょうね。となると「”フラグシップ”とは如何に…。」というジレンマは有りそう…。(まぁそもそも想定する正確の違うモデルなので、単純比較出来る訳ではないのですが。)

…とまぁそういう話はさておき、肝心の”GELHOOP V10”を見ていきましょう。

「なぜこれまでレビューを書いてないのに、今作は書くことにしたのか?」という点ですけど、これはasics特有の”継承・継続”スパンによるタイミングだったりします。
他のモデルもそうですけど、アウトソールのパターンを見てもらえれば分かる通りasicsは基本的にソール周りの使い回しをします。要するに、毎年継続されてるモデルであっても基本的にリファインされるのはアッパー周りであるということ。
もちろんミッドソールの厚み・造形は調整されてるわけですけど、根本的には大きく乗り味・グリップ感と言うのは変化しない訳です。この”変わらない”が故のリピート率だとも思いますしね。

そんな中、今回の”GELHOOP V10”では大きくリファインされ、ミッドソールのマテリアルから変更されました。
この辺りの変化がどういった作用を発揮してるのか、大分前置きが長くなってしまいましたが早速見ていってみます。

今回のカラーはホワイト x シルバーのシンプルな配色。
現在リリースされてるカラーの中では一番シンプルで、一番好みです。
asicsはホワイトベースに赤やブルーのワンカラー入れるのが好きみたいですけど、正直あまり格好良く見えないんだよなぁ…というのが個人的感想。
いかにも”部活感”が強くて…。(偏見ですかね?)


アッパーはフューズメッシュとシンセティックレザーのコンビ。
縫い付けによる結合はインサイドの踝部分のみで、それ以外は基本的に熱圧着。
それ故に今までの”野暮ったさ”が少なくなり、すごく洗練されたシルエットになったなと。

サイジングに関して、今回マイサイズから試着スタートして見たんですけど今回はこれがドンピシャでした。
シリーズによってはワイドウィズ試したりハーフダウン試したりと色々迷いが有ったのですが、今作に関してはレギュラーウィズのマイサイズがベストエフォートでした。

ただ細足の自分がレギュラーでベストエフォートなので、幅広の方はもしかしたらワイドウィズでも少しタイト目に感じる可能性も。
また、爪先上の高さも割りとタイト目なので、この辺りも考慮の上サイズセレクトしてもらったほうが良いかと。
幸い、取扱店舗が多く試着出来る機会が豊富というのもasicsのバリューの1つだなと。

アウトサイド。
シンプルなホワイトにシルバーのタイガーストライプ、割りと好きです。
インサイドもこのシンプルさ。
縫い付けもたった1箇所。
フィットに関しては”やっぱり”の一言。

asicsのモデルを履き、レースアップした時に「あー、やっぱ日本人足なんだな…」という変な安心感を感じるんですよね…。
それを感じるのは、特にレースホールの上から3段目の位置、丁度”足首の深さ”に位置する部分。この角度がやはり絶妙なんだなと。
海外ブランドの日本発売分を履いていても、モデルによっては”深すぎ”て足首に喰い込んだりしてストレスを感じることが実は少なくなかったり…。

この点、asicsのモデルでそういったストレスはやっぱり一度も感じた事無いです。
この部分ってフィット感の肝なんですよね…。
せっかく爪先〜甲部分のロックダウンを最適化してもこのポイントが痛いと少し緩めるしか無く、結局全体的にプアなロックダウンになってしまう。
これのお陰でいくつ履けなかったモデルが有ったか…。
(「ローカットなら関係なくね?」って思うかもしれないですが、実はこれローカットでも割りとよく有る話なんですよね。丁度ホールトップがそこに位置するので。)

シューレースはかなり幅狭な細い物が用いられてます。
GELBURST 22thやBLAZE NOVAなんかも写真見る限り細めっぽいので、もしかしたら今年リリース分からの仕様変更でしょうか?
これによる締め上げ易さは素直に歓迎出来る部分。…ただ、シュースホールに凄い負荷が掛かってる感…。
今までのシューレースであっても決して強い印象が無く、レースホールが伸びてしまい易い印象が強いんですけど、今作は細いから余計に…。
現時点でちょっと伸びてきてしまってますしね…。
ハトメや補強を本気で検討してもらいたい所…。

レースパターン。
シューレースが細く、締め上げやすい。
反面、レースホールの耐久性が少し心配…。
ヒールのパッドもアップデートされ、立体感を持たせたカットに変更。
今までの「ヒールカップの形状が良く納まりは良いが、パッドが薄くのっぺりで、抜け感が心配」という部分がシッカリ対策されており、ちゃんと踵に引っ掛かる様に。
また踝下のスペースもシッカリサポートされていて、且つアッパー側に配されたTPUなヒールカウンターのお陰で左右のブレに対しても更に強化。
この部分に不安を抱えていた方には是非体感して貰いたい部分で、まだ履けてないですがBURSTの新作やBLAZE NOVAにも期待したい所。

ただ一点だけ、ここは敢えて声を大にして疑問を呈したい!
謳い文句的には”フットスリーブ構造”となってますけど、事情はシュータンを左右のバンド固定に近い構造 = 足先まで覆ってるインナースリーブではないという事。
V9は実際に入手したわけではないので実情はわからないですけど、少なくとも自分の保持してるV8は足先までスリーブが伸びてるし、踝下までインナーが来てることを考えるとこちらの方が遥かに”スリーブ構造”な気がするんですよね…。
(何か違う要素の呼称なんですかね??)

ヒールパッドが従来モデルより厚く・立体的な物が用いられてます。
これによるヌケ感・ブレ対策はかなりの効果。
ヒール外側。
シンプルデザインに見えて、
実は左右の膨らみはプラ系のヒールカウンターだったりします。
”フットスリーブ構造”とは言え、中の構造は他のスリーブモデルと比べてもカットの多いもの。
はてさて”フットスリーブ構造”とは如何に…。
さてさて気になるクッショニング。
今までのEVAミッドソールモデルと比べて…ぶっちゃけ”好みの差”レベルに感じました。むしろ良い意味で。

と言うのは、足裏で感じるフロアの設置感や高さの既存モデルからの変化が極めて希薄なこと。
これを「ガッカリ…」と取るか「安心した!」と取るかの違いで評価の別れ処なんでしょうけど、”GELHOOP”というシリーズで見た場合にこれは後者であり、それが「狙い」なんだろうなと。

「じゃあ何が違うか?」と言われると、それは明らかにクッション特性の違い。

これまでのEVAフォームをフワフワ・フカフカとした”乾いた”感触と表現すると、今回のFlyteフォームはモチモチとした”ウェット”な感触。
特に沈み込み時の腰の有る特性と言うのが今作の持ち味。(モチモチだけに。。。)
沈み初めから腰の有るムチッとした踏み心地。沈み込み限界までシッカリ吸収特性を発揮し続けてくれてます。
また、沈み込み限界も従来より少し深めに設定されていて、総合的にみてこれは明らかにクッション性のアップデートだなと。

…それでいながら、上記通りレガシーモデルからの以降でも何ら違和感無い仕上がりという驚き。これ、地味ながら本当に凄い事だと思います。
そもそもFlyteフォーム自体がスワップしても違和感無く似たフィーリングを作りやすいクッション感だったのか、はたまたそれに合わせてリバランスされてるのか。どちらにしても驚き。

あ、ちなみにヒールの下にはいつもどおりSpEVAが入ってます。
バランスもいつも通り弱前傾気味。

ヒール部分に入った”FlyteFoam”の文字。
インソール表面
インソール裏側
造形含め、こちらはいつも通りのパンチングメッシュなもの。
アウトソールは…もう言及すること無いですね…。

asics製バッシュのアウトソールラバーは、そもそもの根本的に粘り特性が強くグリップ力が高いのが特徴。そして、基本的にどんなフロアでも安定したグリップを発揮してくれます。

今回もコンディションまちまちな色々なフロアで運用した訳ですけど、基本的にどのフロアでも安定した不安の無いトラクションを発揮してくれました。
各フロアでの強いての違いは、アウトソールの掃除スパン位ですかね。まぁフロアコンディションが悪ければそれはどのバッシュにも当て嵌まる訳で。

パターンは、前作までのランダムに近いラインパターンから前/後で切り替えされるパターンへ。
前作のラインパターンでも各ラインは太めで全体的に接地面積としては広めでしたけど、今作は拇指球・親指・中〜後足部のアウトサイドに掛けてサークル状のパターンが配されており、これらの箇所に特にトラクションを掛けたい狙いが見えます。
…まぁ、ぶっちゃけてラバー自体が相変わらず良く、全面的にグリップ力が高いのでこの違いを感じる事は出来ませんでしたが。

アウトソール全体。
前回までのランダムラインパターンから一点
トラクションを掛けたい部分を強化したパターンへ。
パターンアップ。
前回までのパターンより格好良くて嫌いじゃないです。
重量は26.5cmで329g。(レギュラーラスト)
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"軽い!"と思ってたHyperrev 2015 EP(341g)より軽いという結果に。
十分軽量モデルとして胸張れるレベルと思いますよ。


ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 9/10
グリップ … 10/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 9/10
コスパ … 9/10
-----------------
ALL … 44/50

お世辞無しにやっぱり良いバッシュですね。GELHOOPシリーズ。

写真右、実はこっそり所持してたGELHOOP V8。これ以前にV6も保持してました。
なんだかんだで1足は保持し続けてるんですよね…。


個人的には前傾がついてないモデルが好みなことも有って”ベンチマークモデル”という程とは行かないんですけど、それでもフォアフットのフロアフィールから来る安定感シリーズ通して一貫して変わらない踏み心地と言うのは本当に安心すると言うか、本当に自分にとって保険な1足。

「部活でasics履いてたけど、今はなぁ…」というそこのアナタ!
一度試着してみませんか??

コメント

  1. 44点って今まで最高点じゃないですか?
    やはり日本人にはアシックスってことですかね。学生はアシックス・ミズノがほとんどなのに、大学、社会人、プロになるとナイキ等外国メーカーになるのはなぜなんでしょうか?

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    1. バレーバスケさんで
      いつもコメントありがとうございます!
      44点は自分が付けてる中で最高点ですね。同点でZoom Uptempo 5がいますw

      >大人になるとなぜ外国メーカー?
      凄く難しい問題ですね…。
      個人的には幾つかのファクターがあるのではないかと思ってます。

      ・学生時代と大人でプレイ状況が変わるから
      特に社会人ですと”真剣にプレイ!”と言うよりは”エンジョイ!”で楽しまれる方が多いのでは無いかと思ってます。もちろん着用回数も減るので、少しの快適性を犠牲にしても見た目を優先される方が多いのかなーという印象が有ります。
      ただ、中には”真剣にプレイ!”を継続されてる方もいて、一つのモデルを長く愛用される方も(UptempoやそれこそGELHOOPもそうですし、自分の知ってる中ではポイントゲッターを修理して利用されてる方も知ってます。)いらっしゃいます。

      ・大人になり、足・体が完成した上で求める物が変わったから
      実は学生時代、自分はasicsオンリーで逆に海外モデルのジュニアサイズモデルが合わなかった人間でした。
      特に小〜高校生ってピッタシのサイズ選ぶと言うよりは成長を予測して少し大きめを買う感じだったので、そういった運用では特に合わなかったのかもしれないです。そういった面でasicsのモデルは割りとこの当たりのキャパが広かったなと言う印象が有ります。(少し大きかろうが、割とまともに動ける)
      また、体格が完成した上で、特に重量やプレイスタイルが確立した上でシューズに求める要素と言うのは明確になるかと思いますが、例えばasicsプロダクトでよく言われる”クッション性の不足”と言うのは大きなビハインドになるかもしれません。
      (自分のような軽量プレイヤーには余り感じないですが…。)

      ・大学生/プロ
      これはサポートの有無によって変わってくる部分で、プロスポーツ選手は単純にスポンサードを受けてるか否かという処になると思います。
      大学に関しても実はメーカーのスポンサードを受けている事があり、統一されたシューズを履いていることも珍しく無いです。
      (蛇足ですが、トライフォース2は青学との共同開発で誕生したモデルだったりします。)

      他にもバスケットという競技においてトラクションであったりサポート性・軽量性だったりと各メーカーで色々な特色が有るわけですが、昔に比べてこの差は大分小さくなってきてると感じます。特にトラクションも「asicsに比べて他のメーカーが劣る」というのも大分なくなって来てますし、「asicsは他のメーカーに比べて重い」というのもなくなりつつ有ります。(今回のGELHOOPも十分な軽量モデルでしたし!)

      これらも踏まえた上で、自分に最適な・パフォーマンスを最大化出来るシューズを選択出来ているのであれば特に問題は無いのかなと思ってます!

      やばい、なんか回答として纏まって無い感が有りますが、お答えになれてますでしょうか・・・?

      削除
  2. 丁寧な返信有難うございました。
    私はバスケは見るのは好きですが、プレーヤーとしてはバレーをやっています。
    最近のバッシュはソールの柔らかいものも多種有り、しゃがんだり、転んだりするバレーでも十分に対応できる物が沢山で更にデザインも多種、トラクションはバレーシューズより良い物か多いです。おかげでシューズ選びが楽しくでしょうがなくなってます(´∀`)
    ちなみに現在私が使用しているのは、ハイパーダンクリアクト2017です。ソールの柔らかさ、トラクション、軽さ、クッション、反発、最高にいいです。

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    1. 忙しく、返信おそくなってしまい申し訳有りません;

      なんと、バレーでHyperdunkを利用されてるんですね!!
      結構海外のプレイヤーでもバッシュ利用率が高いですよね!
      (と言うか、海外ブランドでバレーシューズと言うもの自体が少ない気もしますが…。)
      そして、実は自分も合間にバレーやってたりします(ソフトですが;)
      誘われて始めた当初はバッシュ使ってたんですが、やっぱりバレーシューズに比べて少し重さはありますよね;
      でもグリップや横の動きに対するフォローはさすがのバッシュで、今も時々バッシュ使うことが有ります!(GELHOOPも使いましたよ!w)

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