Jordan "Why Not" ZER0.1 PFX レビュー

長らくJordanブランドの、特にJordanナンバリングモデルの広告塔を努めているR.Westbrook。
そんなR.Westbrook初の"パフォーマンスシグネチャーシューズ"がついにリリースされました!(ライフスタイルシューズでは”Westbrook 0.x”シリーズをリリースしてましたしね)
…そういえば”本シグは別にある”説ってどこに行ったんだろう。。。はい、それはさておき。

というわけで、今回はそんなR.Westbrookのシグネチャー第1段、”Jordan Why Not Zer0.1 PFX”をレビューしてみようと思います。

まず真っ先に小言から始めたいんですけど、このカラーはセカンドリリースで初のレギュラーラインナップ(SNKRSのみではなく、Nike.comでも購入出来る様)になったモデルなんですけど、”PFX””EP”がカラーによって混在するのは一体何なのでしょう…。名称ごとにやっぱりラストが若干違うんですかね?この辺り正直統一して欲しい所…。

はい、それはさておき早速見ていってみようと思います。
今回選択したカラーは”2 Way”。現在までに販売されたカラーの中では一番シンプルなホワイトxブラックのカラーリング。(単純に”Mirror Image”と”City Of Fligjt”を買いはぐったと言うのは内緒。でも正直これはこれでシンプルで格好良いなと思ってます。)

細かなディティールやデザインエッセンスだったりは、Carterさんのブログで詳細に・とても分かりやすく纏められてますので、そちらをご参照して頂ければと。
(特にインソールのプリント部分の意味など、是非1度読んで欲しい所。)


構造はフルメッシュスリーブ x フューズドメッシュアッパー(のシュラウド) + フューズストラップ。

サイドビュー含めシルエットが本当にシンプル。
甲部分にジャンプマンロゴがワンポイントで入る以外目立つモチーフなど無く、潔くてスッキリしてるなーというのが個人的印象。

強いて強い特徴を放つのは中速部から伸びるヒールカウンターのラバーですけど、自分があまり気にならなかったのはHyperdunk 2015を見慣れすぎたからですかね…。

ただスリットの入ったこのラバー、特に後ろから見たシルエットは一種芸術品の様な美しさを感じました。(”Engineered For Flight”の文言も良い味だなと。ただこの名称ってアパレルの方が先なんですね。)

アウトサイド。
 本当にシンプルなシルエット。
インサイド。
こちらもシンプル。
自分だけですかね?DADAのモデルの様なミニマル感を感じるのは…。
ヒール絡みたシルエット。
単純に”美しい”な、と。
ちなみに、シュータンのシルバーはリフレクティブでした。
他のシューズのように内部構造の写真が取れないので、Weartestersさんの分解画像を参照しながら見て貰えればと。

履き口はJordan XXXIIのような踝部分をカットしたタイプ。
お世辞にも広く広がる訳ではないので正直足入れはし辛い部類。とは言え他のフルスリーブモデルと同じくらいなので、慣れてる方であれば特に気にする事無く履けるかと。
(慣れてないとヒールカップを潰しそうで不安すぎますけど…。)

ラストは、特に横はタイト目かなと。少し縦は長めですかね。高さは低め。
初モデルなので今回はマイサイズからチャレンジしてみましたが、横幅は細足な自分で少しだけ余裕有り程度、ただ縦が捨て寸にしてはほんの少し長めかな?と言った感触でした。なので、幅広めな足の方にはサイズセレクトが少し厳し目かなと。

レースアップはとてもし易く、シューレースを引っ張った力に応じてスルスルと締め上がります。
Jordan 6由来の懐かしいシューレースロックも相まって、締め上げを維持出来るのもグッド。
ただ個人的にちょっと気になったのは、シューレースロックが若干足に食い込む事が有りまして、そこはちょっと痛いなーと…。

履き口はこのような構造で、広がりは期待できず。
お世辞にも脱ぎ履きし易いとは言えないです。

レースアップのし易さから来るロックダウンはかなり良好。
スリーブ単体でもかなり密着感が有りますが、レースアップによって足にぴったりフィットしていく感覚は素晴らしいなと。

そしてフィットに関しては、前足部のレースアップのし易さもさることながら何より感感動したのは後足部のフィット感でした。
まずヒール部分ですが、パッドこそ特に凝った形状では無いものの、ヒールの収まりとヒールカウンターによるブレの少なさは間違いなくトップクラス。
それでいて、アキレス腱部分のスペースもしっかり殺してくれるという。

で、せっかくの後端部のフィット感も前ズレで損なわれてしまえば台無しな訳ですけど、この部分をシッカリフォローしてくれてるのが踝内側のパッドとストラップかと。
ストラップを止めると踝部分をパッドで押さえつけると同時に後足部のスリーブ周りをしっかりとシェイプしてくれて、踝の下部を含めてきっちりスペースを殺してくれます。これにより更にフィット感が向上し、左右ブレ&前ズレを限りなく小さく抑えてくれるかと。

…ただ、この部分がこのモデルの評価の分かれ目になるかと。
自分的にはかなり高評の部分では有りますけど、そもそも形状が合わなければ”痛くて地獄”ということも有りうる訳で…。
また、ストラップによる前傾へのフォローが強く、個人的にはもう少し足首周りがフレキシブルな方が動きやすくて好みなのですが、このあたりは”抑え込む”のとトレードオフかと。
この固定感はギブスorスノボブーツを履いてる様な感覚に近いくらいのサポート感と表現してみようかと。(あれ、Roseが好みそうなロック感…。)

フィットに関してもう1点絶対に触れなければいけないのは”足裏のフィット感”かと。
少し高めのアーチサポート + 低反発系のインソールとクッション性のある底材によって生み出された足裏の密着感は”Soldier 9以降の感動”でした。
自分のアーチが下がってきてることも有って最初こそ足裏が痛くてしょうがなかったのですが、使っていくうちにその密着感の高さから来るストレスフリーな感覚というのはやはり素晴らしいアドバンテージだなと。

ヒールパッドの形状は特筆するような凝った造形では決して無いですが、
収まり・抜け感ともにGoodな感触。
ストラップを締めると更に密着感が増します。
インソール表面。
インソール裏面。
色的にOrtholite製かなと思ったんですが、マークは無し。
低反発系という特性は似てるんですけどね…。
クッションはファイロンベースにフルレングスZoom Airの組み合わせ。
プレイスタイルから”硬めでバンバン反発”を想像してたんですが意外や意外、ふわっとした吸収寄りの踏み心地。
バランスはフラット 〜 弱前傾。

踏み込んだ時にしっかりとZoom Airの存在を感じられる感覚、それでいて柔らかく込んでからの反発特性&極めてフラットでフロアフィールを邪魔しないセットアップ。(アッパーの横幅より広く取られたソール幅の影響ももちろん有りますが。)
自分の中では、ここ最近のKDシリーズがクッション性としては1番だったのですが、このモデルも負けず劣らず。

それともう1点、これも以外だったんですが、ソール全体が極めてフレキシブルで足の屈曲にしっかりと寄り添ってる事。
Jordan XXXのソールセットアップを好んで使用してたのでてっきり”固く、反りを利用してガンガン加速していく”特性を好んでるのかなと想像してたんですが、その真逆の仕上がりでした。

(ここで、あくまで個人的に・こうしてもらえたら更に良いなーという感想ですが、フレキシブルな特性はとても良いながら個人的にはもう少しレスポンスが欲しいなと。
ちょっと吸収特性が強く、動き出しで少しダルさを感じてしまいました。
まぁ、本人が望まなければ決して叶うことは無いですけどね…。)

アウトソールのパターンは、細かいブレードをフォアフット中心から放射状に広げたもの。
肝心のトラクションは、正直うーん…。
Lillard 4の教訓から”皮むき”を意識して普段より多く使用してみたんですけど、グリップ力が向上して行く傾向は感じられず…。
自分は普段、良好・荒れてる・中間なフロアでプレイする機会があるのですが、良好のフロアでも正直”きっちり止まれる”ということは無く…。
もう少しパターンを潰せないと有効なグリップを発揮出来ないのでしょうか…。
悔やまれる自分の体重の無さ…。

アウトソール全体。
中〜後足部に掛けてが真っ黒で分かり辛いですけど、中心からV字に広がってるパターンです。
フォアフット拡大。
綺麗に放射上に広がったブレードパターン。
重量は26.5cmで437g。
ここ最近リリースされたモデルの中だと”重量級”ということは否めないかと。
とは言ってもJordan XXXII Lowよりは軽いわけで…。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  9/10
グリップ … 6/10
ベンチレーション … 4/10
クッション … 10/10
コスパ … 9/10
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ALL … 38/50

個人的には細かいポイントで好みの差は有りましたけど、シューズ単体とし見た場合、総合的に見てとても満足度の高いモデルだなと。
17k強程度という価格設定でこの内容と言うのはとても満足度が高いパッケージング。
できれば今後もこのくらいに押さえてほしいなーと切に願うばかり…。


さて、ここでWestbrookがなぜJordanナンバリングの最新モデルを履かず、あえて過去モデル or ハイブリッドを利用してたのかを(個人的推測に基づき)考えてみると、以下の点が現行Jordanナンバリングと大きく違うかなと。

・アーチサポート
・レースアップとしっかり連動するロック感

上記でも触れましたが”足裏のフィット感”は確かにここ最近の中でもトップクラスと言っても過言無いかと。特にアーチサポート。
なるほど、確かにJordan XXXまで採用されていたテンドリル付きのソールセットアップに近いフィーリングは感じます。

…でも、ぶっちゃけこの部分ってインソールでも賄えるんじゃないかなーと。特にカスタムインソール使用がデフォなNBAプレイヤーであれば余計に。
また、ソール周りという点で前足部にFlight Speedプレートのはいった硬質感のある反りがご所望かなとも思いましたけど、実際は真逆なフレキシブルな仕上がりでしたし。
…という事でこの線は無さそうです。

となると、残るはロックダウン部分。
でも確かに、特にJordan XXXII(自分はLowカットしか履けてないですが…)では締め上げに連動したフィットコントロールというのはしづらかった印象は確かに有り、XXXIまでのアッパーではこの部分に特別不満は無かったなと言うのが個人的感想です。
(でも、締め上げるとシュラウド部分がプカプカしてサポートの仕事をしてない感は有りますけど…。つま先はガッツリ効いてる感じがするのでまぁ良いんですけど…。)

というわけで、自分の中でのアンサーは”レースアップとしっかり連動するロック感”としてみようと思います。

これらのファクターが本当に合っているかと言うのは次回のモデルを履いてみないと正直正解かどうかわからないです。それこそSZOKさんの仰せの通り「履いてもらえないからシグ用意するか。」というファクターももちろん有りそうですしね…。

というわけで、次回も楽しみにしてようと思います!(強引にまとめました。)

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