adidas MAD Bounce レビュー

さてさてこれもまた旬を過ぎたモデルですが、ひょんなタイミング購入できる機会が巡ってきたので入手してみました。

というわけで、今回は”adidas MAD Bounce”をレビューしてみようと思います。

このモデル、実は本当に気になってたんですよね…。
評判の良かった”Crazy Bounce”の後継としてリリースされたモデルでNBAでも着用者が地味に多かったモデル。
ただ、国内ではなかなか流通することが無く、adidas公式でもmi adidasで展開されてた程度で試着機会なんて殆ど無く、そんなこんなで入手機会からどんどん遠のいてました…。

そして月日のたったつい先日、ふと立ち寄ったスポーツ用品店でまさかの出会い!
試し履きでもかなりの好感触で、かつセール価格!ともう買わざるを得ない要素が揃ってしまい、衝動的に入手してしまいました!

というわけで、昨シーズンのモデルではありますけど、気になっていた方は是非ご一読の程。正直、かなり優秀なモデルです。

今回のカラーはグレーxホワイトのモデル。国内流通してるのがこのカラー含め3色くらいしか無いんですけど、もうちょっとカラバリ欲しかったなと。
そしてもっと国内展開強めてほしかったなーと…。(そしてmi adidas行っときゃ良かったなと…。)


外観・内側に関してはぶっちゃけ特筆する所があまりないんです。
だってこれ、adidasのグローバル市場における”エントリーモデル”なんです。

アッパーは基本ファブリックサーフェス。
フォアフット周りは下にTPUレイヤーを重ねた構造。結構しっかり指定ながら、フレキシビリティも良好。
屈曲ポイントに合わせてリブが立ってるパターンは嫌いじゃないです。
そういえばCLBもこういったデザインパターンが施されてましたね。

後足部周りは均一な格子状のテキスタイル。これはパット見Kobe 10のそれに似てるかなーと感じました。

中〜後足部にかけて繋ぎ目は熱圧着+テープが施されてます…が、ホワイトが目立つのがデザイン的に浮いちゃう感じが…。
他のカラーは同系色のテープが用いられてて目立ち辛いんですけどね…。

アウトサイド。
シンプルな外観。
繋がり部分のテープがちょっと気になる気しますけど、スリーストライプも目立たないカラー。
インサイドも極めてシンプル。
インナーブーティーはadidasお得意のネオプレン。
独特のモチモチ感が個人的にはかなり好きで、特にシューレースの当たる部分の馴染みが良いのもあって、インナーとしてかなり最適なマテリアルなのでは無いかなーと感じます。
欲を言えば爪先部分までブーティが覆ってくれればこのモチモチ感で足上部のスペースをうまく殺して許容できるフィット幅も広がるのでは?とか素人考えしますけど、多分難しいんでしょうね。(蒸れっ蒸れでしょうが…。)注※このモデルでの話ではないです。
ヒールパッドは、踝周りを覆ってくれるしっかりと厚みの有るクッションが入ってます。

ただ…、ここからが本題でこのモデルで何より気に入っているのは”フィット感”にありまして。

まずラストなんですが、何より根本的に合う人合わない人がここで分かれますが、細め、それでいて甲も低め。
asicsのレギュラーラストだと横幅が余ってしまう自分にはジャストフィットかつ指の上スペースもうまく殺してくれてることも合って、靴の中で足が遊ばない素晴らしさを体感出来ました。このラスト感はKDのグローバルラストに近いかなと。

でもって久々のMidカット(足首の固定感はHighカットに近い様な…)。いやー、久々でしたけどやっぱり良いですね…。
踵の抜け感も皆無ですし、何より足首を固めてるが故のレスポンス。
これまで優先的にローカットを選んできたのは”足首の自由度”を優先してだったんですけど、それを根本から覆された感覚。
足首の自由度=可動域を最大に利用できることを狙うわけで、遡ってはKobe 4から現在に至るまで各社ローカットモデルをラインナップしてるんですけど、やはり一長一短有るのかなと。

これは自分の感覚なので根本的に間違えてるかもしれないですけど、ローカットによるメリットは細かいステップをしやすい所にあるのかなと。
これはひとえに足の使い方だとも思うんですけど、脛付近の筋肉を使って爪先周りのコントロールはやはりし易いです。
反面、Midカット・Highカットのモデルでは太ももの筋肉が使いやすく、爆発的な推進力を得る事が出来るなと。
足首周りの可動域は固定されているが故どうしても狭まりますが、根本的に使ってる筋肉が違うので、動き方の根本も全くの別物。
未だにHigh・Midカットが廃れない理由も良く分かりました…。

シルエットもスリムですけど、広く取られたレースパターンは締め上げやすいのできっちり追い込める。
内側はオーソドックスなハーフスリーブ。
シュータンのネオプレン、個人的にかなり好みなんです。
シルエットからは分かり辛いんですけど、
踝周りのクッションはかなりしっかり入ってるので、うまくスペースを殺してくれてます。
Bounceクッションは本来もちっとした反発特性のクッション性なんですが、フォアフットのフラットさ・薄さから結構ダイレクト感が強いフロアフィールに。
試着レベルですけど、PRO BOUCEと比べると”もちっ”感は明らかに弱いです。
個人的にはあまり問題にならないんですけど、クッション性が重要な方にはやはり物足りないかなと。(そういやこれ、ビッグマンなEnbiidが履いてたんだよな…。きつくねーのかな…。)

インソールが相変わらず滑る表面処理なので、フィット感により滑り辛いとは言えもし合うインソールが有るなら交換して使用される事をおすすめします。
バランスは弱前傾。

それはさておき、ソール周りで一番のお気に入りポイントは”反り”
上記のアッパー&カットの高さによるレスポンスの高さを引き出すにはやはりソールの剛性感が必要なわけですけど、インストールされたシャンクがしっかりとこれらをサポートしてくれていて、足の動きにキッチリついてきてくれる感覚。

指で押した感覚なのでもしかしたら誤差あるかもしれないですけど、マークした位置にシャンクがインストールされています。
adidasのこういうポイントが個人的には結構好きで、Explosiveの時にも感じましたけどしっかりとシャンクプレートを研究してるし、廉価モデルであっても抜かり無くインストールしてくれてるんだなと。

ただし!個人的にどうしても気に入らなかったのはアーチサポートが低い点。
せっかくアッパーのフィット感も高く、レスポンスも良いのにしっかりと生かせないのが勿体無いなと。※自分はレビュー後にインソールを差し替えて継続利用してます。

相変わらず滑る表面処理のインソール。
これ、なんとかならないんですかね?
裏面。
久々のadidasバッシュなんですけど、形状変わってたんですね。
多分合ってると思うんですけど、シャンクはこの位置に配されてます。
しっかりと効いてくれててお気に入りポイント。
アウトソールは…これ、なんて形容すれば良いですかね…。円と変則楕円形を敷き詰めたパターン。
パターンはどうあれしっかりと効いてくれます。
荒れたフロアでも結構なグリップを発揮してくれるので、不安無く踏み込んでいけます。
(要所々々のパターンの接地面積が低いからか、汗のついたフロアに乗った時にガッツリスリップはしましたけど、これはまぁ他のシューズでもさして変わらないですね。接地面積が広いパターンだと、フロアに触れてる部分で踏ん張れますけど、ラバーが悪い訳じゃ決して無いなと。)

アウトソール全体。なんとも形容し辛いパターン。
前後分割。
ランダムに配されてる様に見えますけど、左右で共通です。
パターン拡大。
バラバラなのか計算されてるのか…。
(いや、間違いなく計算はされてるんでしょうけど…。)
最後に重量。
26.0cmで363g。
今まで計測した中だと結構軽い方かなと思います。特にadidasの中だとCLB2.5と同じ重さなので。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  9/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 7/10
コスパ … 10/10
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ALL … 41/50

お世辞抜きに良いモデル。シンプルで変な癖も無く履きやすい。
そして価格もお手頃。(定価でも)
これ、冗談抜きで本当に自分に合うモデルに出会えたなーと本当に感動しました。

足幅広め or クッション性を求める方には向かないモデルかなとは思いますけど、自分のような軽量・スピード勝負するようなプレイヤーには是非オススメしたいモデルでした。(1シーズン前のモデルなので入手性があれですが…。いや、今めちゃくちゃ安いんでましてや狙い目かも!!)

個人的な印象ですが、昨年(NBAのオンコートアパレルがNikeに移ってから)辺りからadidasが大分大人しく感じてしまってたんですけど、それは杞憂でした。
PRO BOUNCEを試着したレベルでも分かりますが、エントリー・ミドルモデルでもしっかりと抜かり無く作られたシューズで、仕上がりのレベルが高い。
時々ロックダウンでチャンレジしまくって「えっ?」ってなる事もありましたけど、今季のモデル見てる限りだとそれは無さそうで、履きやすそうなモデルが多数ラインナップされてます。

うーん、これは今後お世話になるモデルが増えそうな予感…。

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