adidas D Rose 9 レビュー

さてさて、今回は新し目のモデルを!

という事で、今回は”adidas D Rose 9”をレビューしてみようと思います。

いやーRoseの新作、履かない訳いかないです。これまで何度も書かせてもらいましたが、Roseは自分をバスケットの世界に戻してくれた恩人であり、未だに自分にとってのスタープレイヤーです。
今シーズンは本当に無事に終えて欲しい。プレイしてくれてるだけで自分は嬉しいのです。
そんでもって今シーズンにキャリアハイ!もう弥が上にも盛り上がりますよ!!!
(ただ、早速怪我してしまったとの事で本当に無理はしないで欲しい…。)

さてさて、そんなRoseにadidasはどんなシューズを送ったのでしょうか?それでは早速!

今回選んだカラーはブラックxレッドxホワイトのカラー…え?Chicago??
いまMinesotaっすよ?その間にKnicsとCAVSを通過しましたが…。
まぁいいんです。個人的にはChicagoのRoseは一番輝いて見えたので。


さて、まず外観から。
外観はニットアッパーをメインに、ヒール部分にRoseのモチーフが入ったレザーパーツ。
このレザーパーツはうーん、ぶっちゃけ飾りで、なにか機能的なものを担う訳では無いです。

ニットアッパー…と言及は有るもののPrime Knitとは謳われて無いんですよね…。
この位は奢って上げて欲しい所…。まぁ活躍出来ていないプレイヤーと判定されてしまっていて、優先順位が下がっているのは分かりますが…。

ニットの触り心地はうーんなんて表現すれば良いでしょう?
PK(プライムニット)と比べると大分固く、ちょっとゴワゴワな感じ。剛性感や耐摩耗性は高そうな感じです。

シルエットから大分シンプルな外観。
踝部分にスリーストライプのホワイトがワンポイント。
インサイド。
7以降殆ど装飾が無いことも合って、ものすごいシンプル。
ヒール部分。
Roseのシグロゴ。
これが無かったらなんのモデルか判別つかないというのが正直な感想…。
アッパーはこんな感じ。
剛性感は高そうですけど、細かいデザインは作れなそうだなぁ…(見るとこ違う
構造は…これなんて表現すれば良いんですかね???地味に難しい。
ハーフスリーブ(踝部分にカットの入ったスリーブ)構造で、アッパーもそれに伴ったカットが施されている構造。公式的には「ソックス構造」という事になってます。
ロックダウンは前作同様レースコードを左右に配してシューレースを通す形式。

さてさて、肝心のロックダウンはというと、まず根本的に前作より明らかにラストがデカイ。
同じシリーズなのにこんなにラストがグラッグラなのは一体何なんでしょう…?
まぁこれはRoseシリーズに限らずなんですが…。

話を戻します。
ラストの何がデカイって、根本的に長さも広さも。
最初は前回と同じ26.0cmで買ってみたのですが、あまりに大きすぎて更にハーフ下げた25.5cmを買い直す羽目に…。
…で、で25.5cmでどうか?というと、それでもちょっとデカイんですよねー。特にフォアフット周り。
縦寸は許容範囲ながら、横幅と甲の高さが明らかに広い。
気になってMad Bounceのインソールと比較してみたんですけど、全く同じサイズ…。明らかにアッパー仕様でサイズが広く感じるんですよね…。(26.0cm同士で比較)

ロックダウンで利かせられるエリアが前作・前々作同様浅めなので、フォアフットの欲しいポイントを締め上げられないもどかしさを感じました。
反面、これまで足幅広め・甲高めで今までRoseシリーズを敬遠していた方には、もしかしたら「待ってました!」になるかもしれません。

前作同様レースコードにシューレースを通すタイプのロックダウン。
締まってくれりゃさして文句無いんですけど、あんまり効率が良いとは思えないんですよねこの構造…。
あと固めの丸紐は本当にやめて欲しい。解けます。
ちょっと見辛いですが、中はカットの入ったスリーブ構造。
アッパーがニットワンピースなので、「ソックス構造」は確かになーと。
ロックダウンが効くエリアが浅めで、フォアフット周りも広いので自分は歯がゆい思いをしました…。
後足部・ヒール周りの収まりは良好。

さすがRoseシリーズというか、足首・特に前方向のフォローはしっかりしてるなと。
このお陰で足が前にスライドし辛くはなってますが、それでもやはりフォアフット周りの広さが個人的には悪目立ちして、最終的には履き続けるのが苦しくなってしまいました…。
ソックス2枚とか色々なパターンで検討したんですけどね…。
フォアフットのフィット感さえ合えば、本気でメイン使用する気だったのになぁ…。
もしかしたらさらにサイズ下げても良かったかも…。

兎にも角にもこのモデルのフィットの肝はフォアフットのフィット感に左右されてしまうので、出来れば店舗で試着した上で検討して欲しいポイント。
(もしかしたら1サイズダウンでも個人的には良かったかもしれないと若干の後悔…。)


ミッドソールは前作までのBoostからBounceへ。
消費者目線で言えば「安くなってラッキー!」と思えるんですけど、個人的には「グレードダウン…」という方がどうしても印象強く…。

HardenシリーズでのBoostやLillardシリーズでのBounceによる低価格路線は本人意思。でもRoseのBoostからBounceは本人意思じゃないんだろうなぁーと要らない深堀しちゃうんですよね…。

とはいえ、今回のBounce変更は割と本人にとっても「アップグレード」に働くのかなぁーと。(むしろ働いて欲しい…。働きまくってさらに活躍して欲しい。)
自分の中でのRoseのプレイスタイルは”圧倒的アジリティ”によるリングアタック。

さすがに年齢も30歳という大台に乗ってしまったし、少し絞られたとはいえウェイトも少しずつ上がってることもあって全盛期程の爆発力というのは出辛くなってしまってますが、それでも今シーズンのプレイを見てる限り抜群の運動能力を生かした”スバヤバイ”動きを随所に見せているのもあって、この動きを助長できるのはレスポンスの高いBounceフォームなのかなと。
D Rose 6を除いて割と薄めのBoostフォームを好んで採用していたのはもしかしたらこの辺りなのかもしれないなと。

個人的にちょっと気になったのはRoseのスピード感を象徴するかの様にこれまでのRoseシリーズが”弱前傾”のバランスだったのが、近作は”粗フラット”になった事。
前傾の方が間違いなく足運びは良いんですが、個人的にはこっちの方が安定して乗りやすいので好みです。ただ、これは果たしてRoseが望んだ物なのか?それともメーカーが味付けをしたのか?
速度が速くなればなる程ストップ時の足の負荷は上がるので、むしろ結果オーライなのかもしれないですけど、”Roseのモデル”という意味で言うと”色”は少し弱めの仕上がりかなと。

相変わらずのインソール。
この表面処理、本当にどうにかならないもんか…。
インソール裏側。これはMAD BOUNCEと一緒。
厚みとかも共通ですね。
底材にはさらに1枚クッション材。
これまた薄めなので、クッション性というよりは足馴染み用かと。
バランスがフラットになったことでスピードが出し辛いか?といわれると決してそんな事は無く。
ミッドソールが柔らかいBoostからBounceになった事でしっかり感が出たこともありますが、近作は更にシャンクによる剛性感の高さが際立っているなと。

シャンクは下記画像の辺りにインストールされており、触ってみると分かりますがかなり硬質。
走ってても分かるレベルで”反り”が強く、加速しやすく高速でもブレにくい。これは素直に好感触。
ここ最近ヤワヤワなモデルを履く事が多かったのもありますけど、ソール周りの剛性感・反りというのは足の疲労感として結構違ってきますね…。
(Mad Bounceも決してヤワヤワだったという訳じゃないんですけど、Roseは更に硬くしっかりしてる感じ。)
特に中~前側部にかけての足裏に付いてくる感覚はかなりの物かと。

アウトソールは全体的に一直線のブレードパターン。
ポイントポイントで角度が違う。…そういえば今シーズンモデルのadidasシューズのアウトソールは随分シンプルなパターンになりましたね。
まぁぶっちゃけしっかり効いてくれるので、特に何かあるという訳では無いんですが。

シャンクは黄色のカラーが付いた位置で、広範囲で反りの強さを感じることができます。
ミッドソールとアウトソールに挟まれた赤のパーツがシャンク。
かなりしっかりしてます。
アウトソール拡大。
角度は違えど、基本的には一直線のブレードパターン。
最後に重量。
重量は25.5cmで395g。
サイズ感があれなんで単純比較は難しいですけど、Rose 5以降のシリーズで見ると最軽量。
Hyperdunk 2016の26.5cmとまったく同じ重さ。ふむ。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  4/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 8/10
コスパ … 7/10
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ALL … 33/50

うーん、ちょっと辛めの評価ですかね?
でも国内定価の¥16,200-、国外でも$140-と考えると、決して”良いシューズ”と評するのは難しいかなと…。

「Roseが好きが故評価が厳しい。」?、そう言われてしまうと感情的バイアスが無いとは言い切れないかも知れないですけど、それでも個人的には満足度としては低めという評価は変わらなかったかなと。

そもそも”D.Roseのシグネチャーシューズ”としてのカラーが薄く感じられ、エッセンスとして感じられたのは”前方向の足首サポート””フラットなフォアフットのフロアフィール”。それと”Roseのロゴが入ってる”事位なんですよね。

でも、これだけの要素(Roseロゴだけは除く)だとするとぶっちゃけもっと旨く・パフォーマンスの高いモデルというのはあろうなと。それこそPRO BOUNCEやもしかしたら他ブランドのN社のHDシリーズやU社のフラグシップモデルの方がRose自身のプレイスタイルに合う・サポートしてくれるシューズというのは有るのかもしれないなーと感じてしまったんですよね…。

ただ、もちろん本人に提供してるPEモデルと市販品モデルでは明らかに別物でしょうし、Rose本人にぴったりフィットしていて満足度が高い事を切に願うばかりです…。

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