adidas PRO BOUNCE 2018 レビュー

はぁ…。消えちまったから実は確認2回目な訳です…w。

さてさて、MAD BOUNCEを履いて「おぉこれは!! やっとシューズ探しが終わる…。」と思ったのも束の間、あっという間に”旬”が過ぎ去り…。

次何にするか、皆さまに選んでもらった新たな一足のレビューが固まりましたので、ご紹介します!

というわけで、今回は「adidas PRO BOUNCE 2018」をレビューしてみようと思います。

今回選んだカラーは”Wiggins PE”。
WolvesのStatementジャージを基調としたネオングリーンが特徴的…なんですけど、


シュータンにタグ。
”AW”のマークが良い感じ。

ぶっちゃけます。これを買った訳じゃないんです。

いや、これはこれで良いカラーだと思います。ただ、他にも着用されてる方がいらっしゃるので、出来れば別の色を紹介したいなぁーと…。

というわけで、実は下記写真のイメージを見た上で購入したわけです。


「へぇー、Wiggins PEにニューカラーが出たんだー。Wolves Homeカラーなホワイトにグラデーションブルーが綺麗だなぁ。」
なーんて思いながら購入して到着ワクワクして待ってたんですが、届いたのが従来のWiggins PEカラーでした…。

勿論問い合わせしましたよ。そしたら衝撃の事実。

「掲載している写真に誤りがありました。このカラーの販売予定はありません。(adidas japan公式の通達有り)」

…詐欺じゃん!

というわけで、すったもんだありながらこのカラーとなりました。(その節は大変お世話になりました!)
まぁ普通に考えりゃ新色が追加されるわけないんですよね…。だってWiggins自体がadidasから離れてますし…。

まぁいいです!最初に言いましたがこれも良いカラーなんで!

はい!気を取り直してまず外観から。

アッパーは「軽量で丈夫なForgefiberを用いたテキスタイルメッシュアッパー(大事な事なのか、公式の説明で2回書いてある…。)」とのことで、柔らかめなテキスタイルメッシュベースに釣り糸の様なナイロンっぽいファイバー縫い付けたもの。

Forgefiber部分は分かる通りの青い部分。
この部分、確かに他のテキスタイル部分に比べて触っても分かるくらいに剛性が引き上げられてます。

アウトサイドは中足部外側とフォアフット外側、インサイドはアーチ部分に配置。
一番力の掛かる部分にしっかりと補強が施されてるなと。

アウトサイド。
Forgefiberで描かれるラインが個人的には好み。
そしても補強としてもしっかり。
インサイド側はアーチ部分を。
むしろこれだけなので、シンプルな表情。
Forgefiberの拡大。
ちょっと分かり辛いですけど、釣り糸のようなナイロンっぽいファイバーです。
というわけで実際のフィット感。

まずラストですが、他のadidasモデルと同様に若干縦が長め。
幸いにも試着できる環境が近くに有ったので、フィーリングが一番良かったハーフダウンな26.0㎝をチョイスしたんですが、うーん甘かった…。

箱出しでは硬めだったアッパーも複数回着用すると熟れてくる訳で、特にForgefiberの入ってないテキスタイルメッシュアッパー部分が思ったより柔らかく、伸びてきます。
結果的に十数回着用時点で横幅・爪先上部に空間が出来てきてしまいました…。
これらも想定すると、最初は窮屈ながらも更にハーフサイズ下げるのを検討しても良いかもしれません。

「ウェビングアイレットを備えたケーブルレーシングシステム」はRoseシリーズと同様の硬めのコードをレースホールとして用いる機構。
この機構と絞め込んでいっても足辺りの良いオーバルシューレースの組み合わせは抜群で、しっかり締め上げやすい&足辺りのストレスも低いということもあって、きっちり追い込んで履けます。…が、シューレースにどうしても負荷が掛かりやすいのが難点。
特に絞め上げの際の摩擦とアイレット部分の局所的なストレスが強いのか、かなり早い段階でシューレースがケバケバしてきます…。
この辺りを嫌ってか、Roseシリーズは硬い丸紐なんですかね…。(確かに頑丈ですけど、絞め上げ辛いし解けやすいしなんだよなぁ…。)

ロックダウン機構としてはかなり良好で、絞め上げに応じて足をサイドからキレイに覆ってくれます。

Roseシリーズと同じようにコードをレースホールとして用いる機構。
オーバルシューレースが故に紐通りも良いし、追い込みやすい。
…ただ、この仕様はシューレースへのストレスが強いのかケバケバが…。
特に折れ目部分はかなり強くて、折れ癖も付くレベル…。
試しに「かっちり追い込めるフラットシューレース」を付けてみた!の図。
きっちり絞め上げられるのが好みの方はありかも。剛性も高いですしね。
ちなみにデフォルトだとタンのタグ部分をレースループとして使ってるようで、
タグの後ろを這わす様に紐を通してますが、この部分のストレスも強いので切れます。はい。
なので、こうなりたくない方は裏を通さないように通し直した方が良いかと。
フィット感に関してどうしても物申しておきたいポイント。
それは”ヒールパッドの高さ”

履き口&踝周りはGeofit。
イン・アウトで高さが違う3Dな構造で、特にインサイド側踝付近の密着感はかなりの物…なのになぜ!なんで、ヒールパッドがそんなに低い位置なのか!!というのがどうしても解せず…。

履いてみると分かってもらえると思うですけどヒールパッドが踵を引っ掛けてくれる位置にいないんです。踵の一番出っ張ってる部分のちょっと上にいる状態。
「抜けちゃう!」って訳では無いんですけど、この押さえ込み感はLillard 1に近い感じで下に行くほど嵌ってくれる様な状況。この特性は店頭ディスプレイ品でも同じだったので個体差ではなく仕様。
踵が引っ掛かる&アキレス腱部分のスペースを殺してくれた方が更に後足部の密着感が高まって、足への追従性が上がっただろうなぁーと…。(本国の人はこの高さでも踵が収まるんですかね…。)

写真で見る限りローカットの方はこの辺りのパッドがしっかり引っ掛かる位置に居る様に見えるので、比べて比較できる方はこの辺りも見た上で決めてもらうのが良いかと。
(残念ながら、こちらのショップはハイカットしか置いてないんですよね…。)

イン・アウトで高さ・形の違うパッド。
立体的で踝付近の密着感も良いのになんで踵のパッドがこの高さなのか…。
インナースリーブは中~後足部までしっかり覆ってくれるた高さがあるもの。
タンのタグ部分の裏にはカナダ出身のWigginsに合わせてか、カエデの葉が。
ミッドソールは、名前にもある通り”BOUNCE”フォーム。

BOUCE自体はMAD BOUNCEやRose 9、Lillardシリーズでもお世話になってきましたが、その中だとLillard 2 のフィーリングに一番近く感じました。
少し厚めながら懐の深い吸収性を持ち、それでいて高い反発力。
個人的にはBOUNCEフォームを一番良く使えてるバランスではないかと感じてます。
特に着地時の吸収性と踏み込んだときのレスポンシブな反発を体感して貰いたいところ。

それでいてフォアフットを囲う様に配されたシャンクがミッドソールの曲がり過ぎを防ぎ、この反りも相まって加速力も高い…と、かなり完成度の高いソール周りと評したいです。
バランスは粗フラット~弱前傾。

インソールの表面処理は相変わらずなんだよな…。
天変地異でJordanXXXのようなラバー配合がデフォにならないかなぁ…。
インソール下側。
Rose 9と同じ仕様。
底材には低反発系のクッション性が1枚。
これも足当たりを高めてるワンポイント。

使い回しで申し訳ないですけど、これがシャンクの位置が一番わかり易いんですよね。
フォアフット側のみで、ヒール側は無しっていう、結構珍しいなと。

アウトソールは力の掛かるポイントを起点とした波紋上のパターン。

箱出し状態だと「本当にこれで止まるのか??」って思うほどサラサラな、”ゴム”というより”プラスチック”に近い感触でした。これ結構ビビりました。
いざフロアに持っていくと意外や意外、よく粘ってくれる特性。
スキール音を鳴らして「キュッキュ」と止まるのではなく「ググッ」っと止まる感覚。
ホコリ多めのフロアだとちょっと心許なさを感じましたが、冬場はどうしても条件厳しいのでそこまでクリティカルでは無いと思います。拭きながら運用しましょう。
キレイなフロアで出来る方なら一切気にならないかと。

フォア・アウトサイドとヒール周りは結構張り出してはいるんですけど、丸みを帯びてるのでアウトリガーとして期待すると「コロッ」と行っちゃいます。
十分にお気を付けの程。

アウトソール全体。
波紋パターンと、底にデザインされたカエデの葉が特徴的。
パターンの拡大。
書くパターンのラインは結構太めなので、接地面積は広め。
結構張り出しては居るんですけど、丸みを帯びた形状なので思ったより踏ん張れるわけでは無いです。
最後に重量。
26.0cmで365g。あら、MAD BOUNCEと対して変わらない。(363g)
なんならCP.3 XIより軽いです。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  7/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 9/10
コスパ … 10/10
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ALL … 42/50

シンプルにめちゃくちゃ完成度の高い1足でした。これが公式14,040円、市場だと1万円以内で手に入るというから驚き!

ただ、だからこそ細かいポイントがもうちょっと良かったらこのレンジ最強だったなと。
特にヒールパッド、なんでああしてしまったんだろう…。
むしろ、これが自作で改善されるとしたらと思うとワックワクします!
あとアッパーの耐久性をもうちょっと上げて貰えたら…。(伸びも想定してサイズ選べば良いんですけど、すごく難しい…。)

にしても、今年のメインストリームモデルは各社すごく良い出来ですね…。
その中でも取り分けPRO BOUNCEのコスパが圧倒的なので、無くなる前に是非1足いかがでしょうか。

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