Nike Zoom KD 11 レビュー

リリース当初は正直行かない予定だった1足ですw。

KDシリーズのラスト、過去作のレビューでも触れましたが個人的にはとても合ってるんです。
…ただ、自分の求めるフィーリングからはちょっと違うのもあって、KD 10を最後に離れる予定でした。…予定だったんです!!!

しかしながら、Twitterで仲良くさせていただいているどんぐりさんから強烈なセールスにより私の心はぐらっぐらw
そこまで高評だと弥が上にも気になっちゃうじゃないですか!!!
んで、改まってパッケージングを振り返り、React + Zoom Airっていうとても美味しそうな組み合わせも拍車を掛けて、ついに陥落してしまいました。

という訳で、今回は”Nike Zoom KD 11”をレビューしてみようと思います。

非EP???
このモデル、特定カラーだけEPじゃないという情報も上記の方からお伺いし、どうせならグローバルモデルを履きたい!!!ということで、敢えてそのカラーを選択。
…正直、これに関しては裏目に出てしまいました;

という訳でチョイスしたカラーは”Still KD”。1stリリースのカラーですね。
モノクロのカラーとトランスルーセントの地材の淡いブルーと言う組み合わせ。
Flyknitは網目も細かいし配色の自由度も高いので、マルチカラーとかも綺麗に出ますね。
個人的には”EYBL”のカラーがどストライク。

https://sneaker.794mhz.jp/wp-content/uploads/2018/07/nike-kd-11-peach-jam-ao2604-600-1.jpg
こちらがEYBL。爽やかな配色で、個人的にはとても好みです。
まず外観から。

アッパーは全面Flyknit。
爪先アウトサイドはフューズを、ヒール周りはシンセティックレザーを重ねる事で補強。
ヒールのアウトサイド側に”XI”のチャームがワンポイントであしらわれてます。
なんか高級感を醸し出してて好き。……好き。

Flyknitの下側にはパッド付きのインナーがぐるりと足を一周+トゥボックスとして入ってます。
シューレースのちょうど真下辺りはFlyknitオンリー。

シューレースホールはオールFlywire。
アッパーとは縫い付けられておらず、レースを締めるに連れてサイドの密着感が増す構造。
上記のパッド付きインナーは縫い付けられてます。

アウトサイド。
相変わらず爪先周りの低いシルエット。
インサイド。
ヒール周りのスウッシュ以外何も無いシンプルなデザイン。
アウトサイドに”XI”のチャーム。
うん、嫌いじゃない。
KD10同様、シューレースの下は特に何もなくFlyknitオンリーのびよーん構造。
では気になるフィット感。

まずサイジングですが、今回は非EPモデルということも有りマイサイズで…と思ったんですけど、調達の関係でハーフダウンしかチョイス出来ず…。(26.5cm → 26.0cm)
激細・激狭なKDラストが故に届くまで正直不安だったのですが、自分にはこれが結果オーライで、丁度従来と同じくらいのフィット感となりました。
横幅もジャストだし(後の悲劇…)、縦寸も許容範囲レベル。(それでもほんのちょっと長いですかね。)

但し!
この時点で明記してしまいますが、このサイジングは結果的に失敗でした…。
縦寸は上記通り何ら問題なかったのですが、横寸。特にフォア前側の補強部分が自分の足に合わなかったのか、プレイ1時間程で毎回小指に痛みが出てしまいました…。完全に緩めた状態でも;
この部分、この補強レイヤーとパッドインナーでFlywireをサンドイッチしてるのですが、内側にFlywireの張出しが少し多めで、自分の足だとここが常に小指に干渉してる状態に…。
(あぁこの痛み、KD7以来…。)

という訳で、「既存KDシリーズ(非EP)にマッチしてるから大丈夫だろ!」という方も漏れなくEPラストからトライしてもらう事、そしてできる限り試着した上でチョイスされることを、今作は特に強くオススメしたいです。
(とは言え、アッパーの特性的に”広すぎ”でも結果的に痛み出そうですが…。後述。)

EPでも”足に沿ってる”という方は避けた方が良いかもしれません…。

ちょっと見辛いですが、パッド付きインナーとFlywireはこんな感じ。
(片手って難しいですね…。)
履き口はFlyknitオンリーでKD 10と同様なびよーんなので、ブーティー構造の中では足入れし易い方です。

ご親切に結構シッカリとしたヒールタブもついてますので、しっかり広げて突っ込んであげて下さい。
サイジングの注意点踏まえた上で適切なサイズをチョイスされている方であれば、Flyknit特有の”ソックスのような自然な密着感”をご堪能頂けるかと。

…でも。
これが今作の良いところであり悪いところにもなるというのが正直な感想でした…。

まずロックダウンから。
サイドから伸びたFlywireをシューレースにより締め上げる構造。
確かにシューレースの締め上げに応じてサイドの密着感は増すのですが、アッパー自体が”伸びるFlyknit”であるが故にサポートするにはちょっと貧弱に感じました。

横の方向に掛かった力がアッパーで支えられずにそのままFlywireオンリーで支え無ければならず、Wireという特性上フレキシブルに・線でしか支えられないため捩れてしまうという状態に…。
加えて、純正の伸びのある丸紐がそれを助長させてしまってる様で、ガンガン力が逃げてしまう…。
シューレースを通る上部がFlyknitオンリーが故にキッチキチに締めてしまうとそのまま足を圧迫する形になるのも人によっては総合して”締め上げづらい”に映るかもしれません…。

ちなみにこれは自分の好み的な話でもあると思うんですけど、シューレースの下辺りにパッドを持って来てない辺りにギュウギュウに締めることを想定してないと思うんですよね…。(KD自身、紐を縛った状態のシューズ履くし…。)

※今回、どうしてもアッパーが逃げちゃう感覚あったので敢えてギュウギュウに縛ってみましたけど、足が締め付けられて痛いわ・あまり効果無いわで、「あ、これは違うんだな…」と…。

ガッチリしたヒールタブ。
助かります。
この純正の丸紐、伸縮性があるんです。
…あっちゃうんです。KD 10の紐にとても似てます。
普通の蝶々だと解けやすいのが丸紐の欠点…。
フィットの課題はもう1点、自分にはこっちの方がクリティカルでした…。
それはヒール周りのフィット感。

ヒールパッドはシッカリ目で、上方向の引っ掛かりは割と良いです。
…ただ、自分の踵が小さいか横からのサポートが弱いのか、踝下辺りの密着感が極めて希薄。
どのくらい?って言われると、締めた状態で手で引っ張れば広げられる位に…。
従来のKDシリーズ、特に9・10では特に感じなかった部分なので恐らく自分の踵が特別細すぎるってことは無いと思うんですけどね…。

レザーで補強されているとは言えヒールカップ自体そこまで固く無いのも有って、例えば後足部荷重になった際にその力も逃げてしまう…。
もう少しで”KD現象”が発生するところでした…。(スポーン、と…。)

パッドはシッカリ目なんです。
なんですがサイド、特に踝下の密着感がちょっと弱い…。
レザーで補強されてるとは言え、そこまで硬い分けじゃないので、
…とここまでネガティブが続いてますが、ここからです!

そう、今作はなんと言っても”ソール周りのバリューの方が強い!”というのが個人的感想でした。

まずインサート。
これは最近のNikeモデル主流の低反発系。
表面にKDのサインと”XI”のナンバリングモチーフ。
…あ、でも一瞬で溶けるのは相変わらずですので、そこにはあまり期待されない方が良いです。
底材にもクッション材を1枚追加。

さぁ、ここから本題!
今作最大の特徴はこのReact + フルレングスZoom Airのセットアップに有るかと。
そしてもう1点、このベースのReactフォームがケージングされている事。

分解画像見る限り内側になにか入れてる様には見えないんですけど、ミッドソールの横を触ってみるとメチャクチャ硬いです。
この剛性が何を物語るかというと、もともと高密なREACTに加えてフォーム特有の「横に膨らんで逃げる」が抑止され、クッション性にそのままフィードバックされるわけです。
(これ、アウトソールを巻き上げるだけでこの剛性作ったんですかね??)

これによってZoom Airの反力がベースのフォームで逃げずにそのまま帰ってくる=反発特性が強い!!になってました。これ、これまでに乗ってきたフルレングスZoom Airモデルの中で個人的には間違いなく1番の乗り心地といって過言無いです。

9~10と続いたフラットでコントローラブルなフォアから、それより前モデルの若干反りのあるフォアへ変更。
ソールサイドの剛性も相まって足運びも軽やかです。

バランスは、変わらず粗フラット。

インソール表面。
シンプルなKDサインとナンバリングモチーフ。
…でも速攻で飛ぶのそろそろ改善して欲しい。
裏側。
この貼り方、剥がすことを想定してないですよね…。
底材にもクッション材が。
アウトソールのアーチ下部分にソールセットアップの表記。
誰得?思っちゃいけない、自分は格好良いと思っちゃう派ですw
アウトソールは…ウェーブって表現すれば良いんですかね?
全面的に流れる様な緩やかなカーブ。
フォアには、これまた流線型なフレックスグルーブが入ってます。

ラバー自体は少し柔らかめ。丁度Kobe 11と同じ位のフィーリングに感じます。

トランスルーセントながらXDRモデルじゃないこともあってか、グリップ力はかなり高いと評価出来ます。
かなり荒れたフロアに持ち込んでも不安なく、しかもそこまで頻繁に拭かなくても安心して踏んでいけました。
(ホコリが多すぎるフロアはあれですが、そういう状況の方が少なかった。)

アウトソール全体。
ヒール部分のKDロゴ、汚れたほうが際立つのは一体…。
フレックスグルーブの入った流線型のパターン。
所々クロスしてるように見えるんですけど、
フロアに接地するパターンより下なので、グリップに影響はしないです。
(パターンの剛性レベルでは効いてるかもしれんですが…。)
最後に重量、26.0cm、非EPで408g。
以外に重いモデルでした。Rose 8より重たいのか。
でも、確かにフィッティング面で下側の方が重いのは感じる事は無きにしもあらず…。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  5/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 10/10
コスパ … 6/10
-----------------
ALL … 37/50

うーん、これは難しいモデルでしたw。
間違いなく、特にソール周りのフィーリングが面白いモデルなのは確かでした。

コスパの項は定価で算出してます。
自分はフォローワーさんのお陰もあってお安く入手出来たのですが、これを定価で!って考えるとちょっと難しいなぁ…というのが正直な感想でした…。

いや、でもこれは”使い方”による差が有りすぎるので、こうなっても仕方ないと思うんです。
自分の様に背が低くてスピードで勝負したい人間は必然的に重心の低い切り返しが多くなると思うんですが、そういった面で見るとサイド剛性が弱すぎて運用が難しいとなるかと。だって、これのシグ主はあのメチャクチャ広いストライドをもってズレを生むわけで…。(そうだとしてもソール剛性に対してアッパーが弱すぎる気はしますが…。)

という訳で、”横”より”縦”に対する荷重が多いプレイヤーの方がこのモデルは相性が良いと思います!というのが最終結論に至りました。
…これがせめてKD 9のアッパーに積まれてたらもっと運用しやすかっただろうなぁ…。

さてさてこれは雑記ですが、先日KD 12のフォトが公開されましたね。
正直、これは”ホッとした”というのが率直な感想でした。
…いや、だってKD 10 → KD 11の流れで、実際に履いてみた感想として

「あれ?KDはアッパーを消そうとしてねぇ???」

っていうぐらいアッパーの存在が希薄なフィット感だったんです。
KD 10はシューレースがサイドウォールまで降りてきてるし、ヒール周りレザーを抑えつける事もあってまだ良かったんですけど、今作はFlywireオンリーでサイドを支える構造でかつ後足部フォローは無し…と、ロックダウンがどんどん弱まってる印象だったんです。

「もしかして次作は更にプアになる!?」っと不安だったんですけど、出てきたイメージを見るとミッドカット且つある程度剛性のありそうなアッパー。
そしてアッパーに張り巡らされたFlywireと結構かっちりと包んでくれそうな構成。
(レースアップもシッカリ効きそうな配置ですしね。)

これは次回作にも期待!!!



あ、最後に。



これは出来る訳が有りませんでした…。

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