Nike Air Zoom Freak 1 レビュー

かなり早い段階でリークされてた割にリリースまで結構時間掛かりましたね…。
待ってました!

というわけでG.Antetokounmpo初のシグネチャーモデル、”Nike Air Zoom Freak 1”をレビューしてみようと思います!

いやー本当に待ってたんです!
ヤニス自身Kobeシリーズを愛用してたことも有り、どういう乗り心地になるんだろう?と。
そしてKobeシリーズを愛用しながら、Kobeに勝る長身とフィジカルを駆使するプレイヤーの足元をどう支えるのか?と。

…あ、自分はちびっこなので全部を活かしきれるとは思っていませんので悪しからず;

リーク時点で既に斬新なデザインが顕では有りましたが、まさか本当にこのまま出てくるとは思いませんでしたで。例えるならモーターショーのデモk(ry
話が逸れてしまいそうなので、早速見てみましょう!!

今回は1stカラーの”All Bros”
鮮やかなトータルオレンジとネイビーの引き締まる感じ、ミッドソールのグラデーションがとても綺麗な1足。


さてさてまずは外観から。
まず何といっても目を引くのが、このアウトサイドの逆スウッシュ。
まさかこんな発想があろうとは…。しかも形を使って機能化させるとか…。
この辺りは後ほどゆっくりと。

もう一点はフォア部分にうっすら見えるY字のバンド。
ここに既存のFlywireやFlight webを用いない辺りの特別感がシッカリ”シグネチャー”してるなぁーと個人的には感じました。

アウトサイド
この逆スウッシュは初見時相当びっくりしました。
インサイドは比較的穏やかな見た目ですけど、
それでフォア部分のサポートが見えるのが良い感じ。
ではでは更に詳細を深掘りしてってみましょう。

アッパーは全面メッシュ。
とてもフレキシブルで初回から足馴染みはかなり良好。
この辺りKobeシリーズも割とこういった特性が多いので「なるほどなー」と思いつつ、これだけでは流石に華奢なわけで。

それをシッカリ支えるのがフォアのこのバンド部分。(ストラップって表現があるんですけど、なんかストラップって言うとあれなので今回はバンドと表現します。)
このY字のバンドはアデトクンボ4兄弟を表すモチーフになっており、これらが連動してフォアを上手に抑え込んでくれます。

本人曰く、
4人の兄弟は僕にとって世界のすべてで、このストラップはその象徴だよ。
彼らのおかげで僕はずっと、地に足をつけて謙虚でいられるんだ。
うん、なるほど。確かに押さえつけてくれるわ…。

4兄弟を表すバンド。
この独自性がシグネチャー感が有って良いなぁーと。
ただ、なぜバンドのマテリアルをレザーっぽくしてしまったんでしょう…。
いや、壊さないように履くつもりではありますが、いつかぶっち切ってしまいそう…。
というのは、インナーブーティーの仕様と耐久性。

というのも構成はシンプルなハーフブーティーで、ブーティーに用いられているクッションがシッカリしたタイプ。
やれてくるとと少しサイズに余裕が出てくるタイプで、10回程利用した現在で既に熟れてちょっと余裕が出始めている状況。
加えてソール周りも熟れて沈み込み始めてくると余計にフィットに余裕が出てくる頃で、自分も漏れなくちょっと余裕が出てきているタイミング。(これを試着時点で見分ける難しさよ…)
…と、こうなってくると締め込む量が徐々に増えてくる訳です。そうなって来るとこのバンドの耐久性が気になってくる訳で…。
現在時点で割と結構無理させてる感が有りまして…。

もし長期で利用される事を想定するならば、序盤はちょっと窮屈かもですがこの辺りを見越してサイズチョイスされるのが良いかもしれません…。
ちなみに今回自分は26.0cmをチョイス。(ここ最近Nikeグローバルはこのサイズが当たりなもので…)
それでも現在時点で「もうハーフ落としても不満ないかなー」というサイズ感でした。Kobe 4 Protroと似たサイズ感。
とは言えこれは極細・極薄な自分の足での話ですので、幅広めor甲高めな方は更に注意が必要そうです。今の所EPも出てませんしね…。

構造はハーフブーティのシンプル。
バンドのフィニッシュ。
この辺りナイロン系だったらもっと耐久性高かったかなぁーと。
「Kobeシリーズより力入れてるなー」と感じるのがスタビリティの部分で、ポイントポイントで巻き上げたソール周り。

言わずもがな逆スウッシュのアウトサイドヒール周りと、実はフォア部分もアウトソールを巻き上げて強化を入れてます。(トランスルーセントだから目立たないんですよね)
そしてインサイドもヒール部分にアウトソールを巻き上げてしっかり補強。
この辺りがKobeシリーズと大きく違うポイントで且つフィジカルに勝る故のオリジナルポイントではなかろうかと。
特に逆スウッシュ部分の補強は強固で、かなり力の掛かる踵外側の力をうまく受け止めてくれています。

大きく巻き上がった逆スウッシュ。
ミッドソール毎巻き上げてる故補強としてはシッカリ。
…このスウッシュ、貼りだな。
剥げなければいいなぁ…。
ヒール側から見ると大きくオーバーハングしてるのが分かるかと。
すっごい左右非対称。
踵の収まりは文句なし。
パッドはシンプルですが、低反発系でしっかり掴んでくれので抑え込みも良好。

この位置をキープする為にタンが重要になってくる訳ですが、結構ボリューミーでこれまた低反発系のシュータン。
シューレースの足当たりが柔らかでは有るんですが、個人的にはこの特性ちょっと厄介に感じていて、プレーし続けていると徐々に熟れたクッションによってちょっとだけスペースが生まれちゃう感じが気になりました。もうちょっとダイレクトな方が好みって言うだけかもしれませんが…。


フィットに関してはもう1点気になるポイントが。
これ、ミッドカットとローカットの中間。asicsで言う”ミドルカット”に分類されるんじゃなかろうかと思うんですが、にしてはちょっと踝横のフィット感が弱めに感じました。
(というか厳密にカットの高さってどこで定義されるのかよくわからなくなってきました。)

レースアップによってどこのアッパーを引っ張るか、各社この設計が一番難しいポイントなんだろうなと感じた1足。
もしこれが従来で言う”ローカット”であった場合、Nikeの場合は踝横には厚めのパッドを設置しつつ、ハードなヒールカップorヒールカウンターを用いてくるモデルが多いんです。むしろローカットモデルのこの部分の掴み・抑え込みが一番上手いのはNikeだと思っています。
でもここから1段高さを引き上げると、途端に物足りなくなってしまう不思議…。
似たカットのKyrie 4やKobe A.D. Midもこの辺りのフィットが少し物足りなく感じたんですよね…。

シッカリとしたミッドカット、HDシリーズ等まで引き上がるとシッカリ効いてくれるんですが…。(足首制限が人によっては好まれないのは確かにありますが。)
特に、ヒール側に重心が来るバランスなっている事も有って、余計に気になってしまいました…。

ヒールの収まりはかなり良好。
ただ踝横が少し弱く、横の動きの追従はちょっと物足りない感…。
シグロゴを配したボリュームのあるタン。
足当たり柔らかなんですが、もうちょっとダイレクトな方が自分は好みでした。
ミッドソールはファイロンベース+ヒールにダブルスタックZoom Airの組み合わせ。
ダブルスタックZoom Air、よく考えれば初めての経験です。

インソールは低反発系のここ最近多く利用されているタイプ。Ortholiteではないグレーのウレタンタイプ。
底材にもクッション性が追加されている、クッション強化系といったところでしょうか。

ヒール部分に”ALL BROS”のプリント。
やっぱ剥げやすいんですけど、ここ最近はこれを一つのインジケーターにしてたり…。
これが擦れて削れるということは、それだけヒールが遊んでるというわけです。
裏側。
よく見る低反発系のウレタンです。
底材側にもクッション材が追加されてる仕様。
沈み込みは極小なので、足当たりがちょっと緩和されるイメージ。
正直な感想ですが、初乗り時はヒールのZoom Airは序盤はあまり目立たず、ちょっと反発あるかなーくらいに時々感じる程度。
まさかこれが自分にとってマイナスポイントになろうとは思いもしませんでした…。
それはプレイ終盤。
フォーム関連は熱が加わるに連れて徐々に柔らかくなってきます。(各社、熱による変化を
殺すのに躍起になってるのはこの為)

これによって起きた事象、それはヒールのダブルスタックZoom Airが浮き出て目立ってくる事。

文字通り、周囲のウレタンよりヒールZoomが盛り上がり、その存在感が際立ってくる仕様。
ヒール側重心も相まって、人によってはこれによりクッションと反発の増加を感じられる高ポイントに映るかもしれませんが、自分にはこのレスポンスが逆に煩わしく感じる事に…。
というのもこのレスポンスの衝撃、自分にはそのまま足首への負荷となって現れてしまいました…。
履いたあと「異様に足首が疲れるな…」と…。


アウトソールのパターンはこれまた凝ってるんですよね。
ソリッド部分はボーダーを基調に大陸をモチーフとしたヘリンボーン。
トランスルーセント部分はアデトクンボの父が好きだった薔薇をモチーフとした太めのパターン。

試着時点でも呟きましたが、トランスルーセントとソリッドラバー其々で乗り心地が若干違っていて、トランスルーセントのラバーが少し固めのフィーリング。(全部ソリッドなカラーだとどうなるんだろう???)
これによりフォア直下の乗り心地がシッカリしてるのに対して、フォアより外~つま先にかけてソフトな乗り味。
ヒール直下もトランスルーセントのラバーが入ってることも有って、靴自体のアーチは低いながら沈み込みがそこまで気にならなかったのはこのためかなと。

ちなみにヒールZoom部分はアウトソール側も少し盛り上がっている状況。
ラバーはソリッド・トランスルーセント半々ですが反発の方が強く感じました。

アウトソール全体。
トランスルーセント部分とソリッドラバー部分で乗り味が違うので、最初は違和感が…。
パターン拡大。
トランスルーセント部分は太めの薔薇パターン。
ソリッド部分はヘリンボーンで大陸をイメージしたパターン。
ヒールのZoom部分。
若干浮き出てるんですよね。
重量は26.0cmで329g。
初めて持った時に感じましたが、軽いですこれ。
同じサイズなPG2.5 EPより30g程軽いと言えば、十分お伝えできるかと。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  6/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 9/10
クッション … 7/10
コスパ … 9/10
-----------------
ALL … 38/50

正直ちょっと辛いかな?とは思いますが、正直にお伝えするとこんな感じかなーと。
いやでもこのパフォーマンスをこの価格でリリースできている、By Youもそこまで高くないということを考えると全然有りなパッケージングじゃないかなと思います。

本人が好んで使用してたKobeシリーズをインスパイアしていることもあり、これまでKobeシリーズを愛用していた方からすれば導入はあまり違和感ないかもしれないです。
とは言え”癖が無い”という訳じゃなく、この強めのヒール側重心とヒールZoomは割と苦戦する可能性高いので、できればこれまでKobeシリーズ、それこそA.D.以前のモデルを履かれている方にオススメできるのかなと。


さてさて、自分のようにヒールZoomが煩わしく感じた場合にどうすればよいか?
自分の場合はこれに対して、ヒール直下にプレートの来るインソールを利用する事で反発を分散させることにしました。
硬質なプレートを用いればもちろん反発は分散してヒール全体を押し上げてくれるようになるので、ショックを緩和しつつ良い感じに推進力に変換してくれるようになったなと。
ヒールにプレートが来るインソールはそのままヒール側の厚みを足してくれるので、後傾寄りのバランスを少しフラットにしてくれるので足運びしやすくなるかと。
これはKobe 9でも触れましたが、あまりにヒール側に重心が来るようなバランスだと若干走り・加速し辛くなってしまうんですよね…。

またはヒールのショックだけを軽減するのであればソックスを2枚重ねる等すると軽減されるかと。ただこの場合はサイジングがだいぶ難しくなってくるかと…。

まとめ部分でちょっとネガティブな印象を与えてしまったかもしれませんが、1stモデルとしては十分素敵なモデルですし次作も全然期待できるプロダクト。
気になるようでしたらお買い得ですよ???



コメント

  1. いつもレビューありがとうございます。
    購入の際に参考にさせてもらつてます。
    ズームフリークは大人気ですね!
    近所のゼビオなどは主要サイズありませんでした。。。
    でも同時期に販売されているカイリーローはどうなんですかね?
    ベルトあったファーストモデルも意外とNBAでも着用者いましたよね?
    セカンドモデルは完全にズームフリークの影にかくれてしまいましたが、是非隠れた名機であるか!?レビュー見れたら幸いです。
    また次回も期待してますので、よろしくお願いします!

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    1. いつも拝見頂き、そしてコメント頂きありがとうございます!

      どうしてもこちらの話題性が強く、Kyrie Low 2は影を潜めてしまった感ありますよね;
      試着した限りですが、2の方は思ったよりKyrieしてない感が…w
      ちなみにですが気になられてるのは1でしょうか2でしょうか?
      参考までお聞かせ頂けると幸いです!

      以上、今後とも宜しくお願い致します!

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  2. Kyrieしてない感、ですか。。。
    すいません、僕は歴代のモデル履いた事がないので、カイリーモデルの特徴も知らないままにコメントしておりました。
    気になったのは2の方です!
    初見であれ?と思われたもののレビュー希望してしまってすいません!
    これからも参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします!
    お返事ありがとうございました♪

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  3. はじめまして!
    先日、Nike iDで注文しました。
    “ヒール直下にプレートの来るインソール”、興味があります。
    よろしければ商品を教えていただけますでしょうか?
    よろしくお願いします!

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    1. コメントありがとうございます!
      そして、返答遅くなってしまい申し訳ないです;
      ヒールをプレートで覆える様なインソールであれば基本的にはどれでも大丈夫ですが、自分が知ってる限りですとSuperfeetやFusion Flexiなんかがこういったタイプです!

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