adidas D.O.N Issue #1 レビュー

まぁ、国内来ねぇんだわ…。

なんでかなー、こんなに国内盛り上がってるのになー。
ベース価格も安いし売れると思うんだよなー。入手性が悪いんだよなー。
サイズ感も掴みづらいし、ワンチャン持ってきてくれてもいいんじゃないかなー(棒)。

はい愚痴はさて置き、今回はついにリリースされたD.Michellのシグネチャー1作目、
”adidas D.O.N Issue #1”をレビューしてみようと思います。

リーク&本人着用から結構時間掛かりましたねー。
着用写真やデザインから「これは買いだ!!」と思っていたのに中々リリースされず、シーズン終わってから、なんならサマーリーグも終わって次のシーズンへ準備が開始されるこのタイミングでリリースされました。待ちました。
まぁただ、当の本人はアメリカ代表としてプレイしてる事もあって、引き続きバスケ三昧の生活を送っておりますが。

にしてもadidasはシグモデル作成の敷居が軽くて良いですねー。ん?いいのかな?
消費者サイドとしては色々なプレイヤーモデルがリリースされるのでとても楽しみ甲斐が有るんですけど、NBAプレイヤーにとっての”選ばれし者”感はどんどん薄れる様な…。
まぁでもそれを言ったらアジアブランドがプレイヤー獲得の為の手土産みたいになってるのもあれっちゃあれですけど…。


はい、話しを戻します!
Donovan Michell、一躍有名なジャズのSGですね。
2017年ドラフト組のシーズン2年目。功績は皆さんの方がお詳しいかと…。
そして調べてて分かった意外な事実。誕生日一緒や…。

”Spida”の愛称を持つことからMarvelのスーパーヒーロー、Spider-Manをモチーフとしたメインデザインとのこと。

 “My message with this shoe is that it’s for kids not only your age, but younger than you guys, older than you guys, just [for those who] believe that they can do anything. You don’t have to be the number one recruit, you don’t even have to be a basketball player. I just want this to send a positive message to make kids feel inspired that they can be what they want to be.”

By ballershoes DB

とのことで、これまた低価格ラインでのリリースを望んだ模様。
adidasのシグ主はリラードと言いミッチェルと言い、なんと優しい事か…。


…書き出すと止まらないので、物見ましょう!!!w
今回選んだカラーは2nd?3rd??リリースのブラック基調にネオングリーンのカラーリング。
”Stealth Spider-Man”というカラーウェイタイトル通り、原作スパイダーマンの同名カラリーングからのインスパイア。(らしいんですけど、ぶっちゃけ原作あまり詳しくないので、間違ってたらゴメンナサイ…。でも画像見る限り夜間に行動する様のスーツって感じですかね?)


では早速見ていってみましょう!
まずは外観から!!

カットはTHEなローカット。
アッパーはメッシュ基本に所々フューズによる補強。

アウトサイドはミッドソールの巻き上げ+TPUフレームによる補強+フューズによるオーバーレイヤー、と外側に掛かる力を受け止める事にかなり力を入れてるなと。

TPUフレーム部分がネオングリーンだったりオーバーレイヤー部分にもウェブ要素(Spidyの紐的な)が有ったりと、デザイン的にとても凝ってるし格好いいなぁー…と思う反面、「本来この役割ってアッパーが担う筈じゃ…」っていう疑問も…。
まぁ格好良いから良いよね!!

アウトサイド。
ミッドソールが高い位置まで巻き込んでいる。
TPUフレーム・オーバレイヤー含め、外側の力にだいぶ補強を入れてる。
インサイドもしっかり巻き上がってるものの、アウトサイドに比べて少し大人しめ。
でも刺繍によるスリーストライプも結構イカしてますよ。
アウトサイドのオーバーレイヤー。
下部は貼り付け。
では本題。

構造はシンプルなハーフブーティ構造のローカット。
基本のメッシュアッパーはとてもフレキシブル…というか柔いので、この辺りに剛性を求める方からするとこの時点で選考から外れてしまうかと。個人的には特に問題無し。

さてさて一番重要なサイズ感ですが、他でも触れられている通りフルサイズ(1cm)ダウンがオススメになろうかと。
adidasの他モデルを参考に自分はハーフダウンを入手したんですが、うーんちょっと微妙…というか Pro Bounce 2019 Madnessもちょっと微妙だったんですよね…。
ここ最近ラストがまた変わってるっぽいので本当に掴み辛い処。
何がどうって根本的にちょっと長い。そしてこのモデルに関しては横にも少し広め。
いやまじで試着したいです…。
というわけでちょっと自分には長めでしたが、まぁなんとか許容範囲に収まってるのでとりあえず大丈夫でした。

そして鬼門はこのラストでいながら爪先部の高さが低い事。
自分はペラッペラな足してるしこのタイト感が好みなので特に問題ないですけど、人によっては「窮屈なのに縦横余裕が…」っていう謎感覚に陥る事になろうかと…。
お願いですから国内持ってきて下さい…。

このシルエットが一番わかり易いので再利用。
爪先部分が薄いんです。
人によってはこのタイトさはアウトになるかも。
レースアップによるサイドからの抑え込み、これは中々。
特にオーバーレイヤーを重ねてるアウトサイドの密着感の高さはかなりのもの。
そして切り返しもしっかりと保持してくれます。
ただ、adidasあるあるですがレースホールの最下段がちょっと浅い位置なので、トゥーボックスの周りの締付けが効かないのがちょっと歯痒い処。
Pro Bounce 2018みたいに深い位置まで来てくれると調整幅あっていいなーって思うんですけど…。

シュータンは根本的に薄めなため、レースアップによる締め付けがダイレクトに感じられます。
シュータントップも硬質かつ薄めのもの。これも個人的には好感触。
シューレースによる締付けが直に感じられてカチッとした抑え込みを得られます。

アッパー関連のフィットに関してもう1点言及したいのは、レースホール最上段~2段目のウィング強度がちょっと華奢すぎるかなーと。
この辺りがもうちょっと剛性感有ると更にカッチリしたフィーリングになるんじゃないかなーと。

アウトサイドのオーバーレイヤー。
デザイン的にも良いアクセントですし、剛性としてもしっかり。
TPUフレーム部、このカラーはグローイン・ザ・ダークでした。

ハーフブーティ。
ライニングのカラーが違う切り返し。
シュータントップの裏側にもSpidyの意匠があってすごく好き。素敵。
シュータンは薄めでレースアップによるダイレクトなフィーリングを感じられます。
えーと…、ロゴはこれで行くのかな?
蜘蛛とバスケットボール感が強すぎて、シグ主感がちょっと薄くないかなーと…。
ヒール周り、大分凝ってますね。
肉球のように立体的なパッドが4箇所配置されており、アキレス腱両脇のスペースをうまく殺してくれます。ただやっぱりヒール形状の想定が低いんですよね…。若干収まりきって無い感触が…。まぁクリティカルな程ではないですが…。

個人的にヒール周りで特筆したいのはこのヒールカップ。ここ最近のモデルには珍しく、かなり硬めの物が使用されてます。
これにより、外側にヒールカウンターが無いながら横ブレに関しては全く不満に持つことが有りませんでした。

立体的に配置されたパッド。
形状がとても凝ってるのは嬉しいんですけど、やっぱり低いんですよね…。
ミッドソールが巻き上がっているとはいえヒールカウンター無しでは剛性不足になりかねないです。
ただ、ヒールカップがかなり硬質なことも有って、不安は皆無になってます。
ミッドソールはフルレングスBOUNCE。
なんか低価格帯の代名詞的になってますけど、ぶっちゃけBoostよりも重さもレスポンスもフィーリングは良い気するんです、はい。

ただ、BOUNCEといってもこれまで履いた限り大分幅が有りそうな…。
Nikeでもファイロンフォームに幅が有る様にBOUCEも個々で若干の差があります。
それを感じたのはまたしてもPro Bounceシリーズ。大分乗り味違うんですよ…

それはさて置きこのモデルに搭載されているBOUCEフォームは…かなり具合良いです。
すごくしっとりと衝撃を吸収しつつ強い反発性。めちゃくちゃハマりました。

上のデザインでは触れませんでしたがこのモデルのもう1つのセールスポイントは広く取られた接地面積になろうかと。
普通に考えて上記のクッションフィーリングを作ろうとするとそこそこの厚みが必要になるわけで、このモデルも決して薄いという訳ではないです。
ただ、広く取られた接地面積のお蔭で高い安定性を保ちつつクッションフィーリングを活かしてるなーと。
そして少し厚めながらフロアフィールもしっかりと掴む事ができるので、安定感の高い切り返しと踏み込みが可能。
個々最近履いたモデルの中で抜群の初速が出せました。
フォアの返りがもう少しだけ有ると更に速くなるかと。

ただちょっとヒール側は厚み持たせすぎかなーと…。
バランスはヒール側が高い分若干前傾。
フォアで踏み込みたいタイミングでヒール側は若干接地してるんですよね…。
個人的にはもうちょっとフラットな方がコントロールし易いですし足運びがし易いです。

写真だとつ伝わり辛いですがかなり張り出してます。
ヒール側も二回り程張り出し。
インソールは個々最近採用のブロック形状が背面のタイプ。
表面はファブリックで他のモデルと大きく変わらないです。
貼り付けもPro Bounce 2019 Madness同様フォア部分のみ。
そしてやっぱりアーチフォローは低め。

底材にクッションが貼り付けられてるセットアップも同様です。

ファブリックな表面。
やっぱ滑るんですよね…。
それはさておき、1stからMarvelロゴがつくシグ。
裏側。
ここ最近のadidasモデルはこれがデフォですね。
貼り付けはフォアのみ。
底材はクッショ材が1枚貼り付けられてます。
アウトソールはソリッド…というのは言うまでも無いですね;w
リリースされてるモデルがソリッドだけですし…。

基本は縦ヘリンボーンで爪先~フォア下~中足にかけて切り返し。
切り返し部分は横ヘリンボーンになってます。

この時期は正直湿度もあってあまりマイナス評価つくことが少ないんですけど、プレイ環境と機構もあってちょっとドライな環境がテスト出来ました。
その結果ちょっと細かいホコリは拾い易い傾向は掴めたので、冬場はちょっと厳しいかなと。この感触だとフロアによっては1往復程で掃除する必要がありそうですかね。
そう考えると並で且つ及第点としておきたいと思います。

アウトソール全体。
切り返し部分はカモフラージュになっていてオシャレ。
ヒール直下にはスリーストライプ。
パターン拡大…と言ってもちょっと分かりづらい。
基本は縦ヘリンボーン。
切り替えして横ヘリンボーンのコンビ。
そういえば他のシグだとアウトソールを使った意匠有るんですけどね…。
最後に重量。
25.5cmで409g。

あ…れ??D Rose 9やPro Bounce 2019 Madnessより重たいという結果に…。
恐らく接地面積の為に広く取ったソール周りが要因かと。
まぁでも確かに重心が下に有る+ロックポイントが低いのも有って、プレイ終盤は重さが徐々に来ます…。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  8/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 9/10
コスパ … 9/10
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ALL … 41/50

個人的には”良作”といって過言無かったです。

ただ、まず何よりも大きな課題はサイジングになろうかと。如何せん国内展開が無いのでフィッティングが出来ないというのはかなり痛い。それでいてこのラストの特殊性。

正直、個人的にはもうハーフ落として(25.0cm)正解だと思うんですけど、その場合はMen'sカテゴリを外れてしまうわけで。
…となると、体重の想定もちろん違うと思うのでこの独特の反発が得られない可能性が有るんですよ。そうなってくるとこのモデルの評価も全然違ってきてしまうかなと。

自分の場合ソックス重ね履きやインソールでの調整でなんとかMen'sサイズギリギリ維持(したお蔭で、Men'sサイズの良好なフィーリングを感じられました)出来てますが、このモデルでは特に試着した上でチョイスして貰いたいところ。本当に、本当に。

あとはやはりヒールパッドの高さからくるサードパーティ性インソールとの親和性の低さ。
如何せんアーチが低いので入れたくなるんですけど、合うものがなかなか見つからないです…。
ただこれらをひっくるめても個人的には有りでした。

そういえばこのフィーリング、何かに似てるなぁ…。
フラットで広く幅の取られたフォアの安定感。…個人的にはHarden Vol.1に似てるかなーと。というか題するなら”Harden Vol.1 Chaos Ultra”って感じでした。

(まぜこぜで伝わらない感…。”Chaos”はWhy NotのChaosエディションの様にシュラウドを省略してる意。”Ultra”は反発特性やフィット・ヒール周りがこちらの方が好みなので…。うん、よくよく考えたらただの失礼ですねw。)

というわけで、もしトライされるのであればサイズにだけは十分にお気をつけてお楽しみ下さい!
それさえ間違えなければかなり満足度の高い1足になってくれるかなと!


…あ、忘れてた。
ライニングが色移りしますので、黒いソックスの方が良いかも…。

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