adidas D Rose 8 レビュー

アディダス、許すまじ!!!…まぁ、許す/許さないというよりも、個人的にはとても”悲しい”という感情を表現したいだけなのです…。
まぁそういったフラストレーションが沸々してしまっていて、所々お見苦しい表現出てしまうかもですが、何卒ご容赦の程…。

さて、ちょっと暗い冒頭になってしまいましたが、今回は”adidas D Rose 8”をレビューしてみようと思います。
ここ最近、長きに渡りケガに悩まされ続けているRose。
今シーズンはミニマム契約ながら心機一転CAVSでの活躍を期待されてましたが、シーズン序盤でまたケガを負ってしまい、一時はリタイアを仄めかす場面も…。
ただ、CAVSとのコミュニケーションも再開し再度立ち上がる決断をした事、本当に個人的には嬉しいです!

そんなRoseのシグネチャー8作目は一体どういったシューズになってるんでしょう?
では早速。

今回選んだカラーはホワイトxブルーな1足。
とても爽やかな配色!…なんですけど、前作もそうでしたがどうにもワンテンポ遅いんだよなぁ…。
これ、どう見てもKnicksに併せたカラーだと思いますし、チームカラーな配色のD Roseはほとんど無いです…。(強いてあげるなら、Statement Editionに併せて配色した様に見える黒x金くらい)


構造はオーソドックスなハーフスリーブにアッパーを重ねるセット。

アッパーは”エアメッシュアッパー”という、所々に切り込みが入ったフューズ系ベースにメッシュレイヤーを重ねたマテリアル。
履き始めは硬めですけど2回履いた辺りからこなれてきて、切り込みにそってストレスなく曲がる感触を感じる事ができるかと。

アッパーのカット周囲に配された”レースコード”という紐をレースホールとして用いるロックダウン機構。この辺りは後ほど。

インサイド。
正直この状態だとどこのメーカーのシューズかすら判別が難しい。
(唯一Boostから判別できるくらい)
アウトサイド。
スリーストライプでやっとadidasのシューズと判別できるくらい。
そして、よーく目を凝らして爪先部分にRoseのサインが入ってるのが確認出来て、やっと識別できるレベル。
ポイントポイントでアッパーに切れ込みが入ってるのがお分かり頂けるかと。
内側。
ちょっと見辛いですけど、中側部部分に切れ込みの入ったオーソドックスなハーフスリーブ。
シュータン内側のグラフィックは一体何を表したものなんでしょう?
Roseのケガに対する”壁”?(ドS…、まぁ違うでしょうけど。)
スリーブの内側にも特に何も無し。
サイジングは”細長”。
過去のadidasモデルの傾向から今回はハーフダウン(26.0㎝)を購入してみましたが、やはり縦幅はドンピシャでした。…ただ、横幅が少しタイト目。
足幅細めな自分でもタイト目なので、標準~広めな方はハーフ~1サイズアップまで検討した方がよろしいかと。その場合捨て寸との兼ね合いがかなり難しいかも…。
出来れば別インサートと併せて検討してみた方が良いかも。相変わらず滑りやすい表面処理なので。

ロックダウン自体はうーん…、決して悪いわけじゃないんですけど、だからこそ余計に”レースコード”というレースホールテクノロジーの意味が分からず。
これならぶっちゃけオーソドックスなアッパー貫通式のレースホールでもさして変わらない、寧ろそっちの方が良かったんじゃないか?とすら感じてしまいました。
レースコード自体がフリーに動いてフィットに寄与するわけではない(ポイントごとに縫い付けられてるので)ですし、正直ただただ締め上げ辛いだけ…。

また、シューレースが硬く・細い丸紐なんですけどまぁこれが解け易い事。(そういえば前作も丸紐で解けやすかったぁ…。)

相変わらず滑りやすいサーフェスの表地。
ヒールにはいつも通りD Roseマーク。
裏の造形も相変わらず。

レースコードの拡大図。
カットの周囲に文字通り紐を配し、これをレースホールとして用いる機構。
うーん、ぶっちゃけ普通のアッパー貫通式とあまり変わらないし、締めやすさは明らかにそっちの方が上。
アンクル部分に少し膨らみを持たせた裁断、正直最初は意味が分からなかったですけど締めこんでいくとなるほど、足首の前側に回り込む事で足首の前傾に対して結構なサポート効果を生み出します。
要するに、Roseモデルの特色”足首ガッチリ”を生み出している構造かと。

ヒールの収まりはかなり良好。
踝下のパッドもきっちりスペースを殺してくれる様に配置されていて、adidasシューズの中では相変わらず一番踵周りの抑え込みが上手いシューズだなと。
ヒールカウンターと呼ぶには少し背が低めのTPUシャーシですけど、それでも左右のブレを抑えるには十分な効果を発揮してます。

画像使いまわしであれですけど、アンクル部分が少し膨らんだシルエットなのがこのモデルの特徴かと。
この膨らんだ部分は足首に沿って回り込んで、ガッチリロックします。

ヒール底部を覆うように配されたTPUパーツ。
低めながら横ブレに対して十分な抑制効果が有ります。
ヒールのパディング。
可なり凝った造形をしていて踝下のスペースを上手く殺してくれてます。
また、サイドのアッパーの硬さと踵上のV字状の造形により、ブレと抜け感の少なさが素晴らしい。
クッションは、もちろん今作もフルレングスBoostフォーム。
少しコシが強めの特性も相変わらずで、厚さに関しても前作のフィーリングに近めに感じます。
弱前傾のバランスもシャンクによる足裏にシッカリついてくる感覚も相変わらず。なので、ガンガン加速・高速で安定な性格も引き続き。

ラバーは前作より少し硬めで粘り特性が減ったものの、トラクションは相変わらず良好。
埃をある程度の感覚で拭ってあげれば冬場でも何ら問題なく踏んでけます。
欲を言えばですけど、高速~急停止の時にもう少し粘ってくれた方が良い気がして、この辺り前作の方が上手い気がするんですけど、うーん…足への負荷はそっちの方が大きいかも。

ソールパターンはジッパーをモチーフにしたラインで、遊び心があって個人的には大好物です。
パターン的に真横方向に対してが弱そうに見えますけど、設置面積が稼げてることもあってか、自分がプレイしている限りで不足はあまり感じなかったです。

アウトソール全体図。
ジッパーラインがなんともファンシー。
パターン拡大図。
フォアフット部分はいいんですけど、中~後足部は真横方向に対しての抵抗が少なそう。
重量は26.0㎝で407g。Rose 6・7より軽量化されてますね。
自分が計測してる中ではJordan XXXとLebrlon 13が全く同じ(サイズは違いますけど)でした。

正直にぶっちゃけますが、同じ重量でというならば間違いなく自分はJordan XXXを選択するでしょう。


ということで、以下の様に評価してみようと思います。

フィット … 7/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 8/10
クッション …  7/10
コスパ … 5/10
-----------------
ALL … 34/50

「バイアスがかかってる!」もしかしたらそうかもしれません。
出来る限りフラットに評価したつもりではあるんですが…意識の深いところ”怒り”・”悲しみ”が滲み出てしまったかもしれません。何せ思い入れの強い選手なので…。

でもあえて書かせて下さい。今から長々と退屈な文が続きますので、読み飛ばしてもらっても全然構いません。

まず真っ先に今回のシューズの総評を固めてしまうとすれば、”履き心地はD Rose 5 Boostに極めて近い”と表現したいです。
足首ガッチリの固定感・全体的なロックダウン・サイズ感辺りからこういった印象を受けました。
「それの何が悪い?」それは別に構わないです。ただ、これが今のRoseの最適解なのだとすれば。

でも受け手側(少なくとも自分)はそう感じられませんでした。それはD Rose 6・7で足首周りのロッキングシステムにかなり力を注いでトライしている事を感じられたのに対し、今作はそれが全く感じられなかった事。
唯一”レースコード”と銘打った真新しいロックダウン機構を採用しているものの、その実はフィットを最適化・向上化させる様な効果を感じる事はできませんでした。

その要因はもしかしたら、ケガによって十分なプレイデータが取れなかったからかもしれないとも考えましたが、前シーズンは割とプレイできてた筈で、そのチャンスは幾度もあったかと。(タイミングはあれど。)

個人的に残念だった極めつけはこちら。


上がRose 8、下はLillard 4。(まぁLillardの箱も3と一緒な訳なんですけど…。)
そうです。今作、D Roseシリーズには専用Boxすら奢られませんでした。
「これは日本市場だけ?」自分も気になって色々調べてみたのですが、残念ながらグローバル市場もこのBOXの様です。

ここから自分が感じたメッセージは「Roseモデルの手を抜いた(プライオリティを下げた)」ということでした。

どうしてここまで熱くなるか?というと、それは本当に個人的ファクターなのでレビューを見に来てくださってる方には申し訳ないですが、自分にとってRoseは紛れもなくスターでヒーローだからです。

一度バスケの世界から離れ、社会人になって退屈な生活をしてた時にふと目にした初代CrazyLightのCM。
最初は”へー、バッシュって今こんなに軽くなってるんだー”位にしか思ってなかったんですけど、どうにもあのアジリティ(牛をかわすやつ)が脳内から離れずYoutubeでプレイ動画を見ているうちに、あの熱く果敢にリングにアタックするプレイに心を震わされ、バスケを再開するきっかけをくれました。
最初はブランクもあってまともにプレイ出来なかったですし、上手いプレイヤーに舐めプをされて心を砕かれたこともありました。
それでも諦めずに続けてこれたのも、常にバスケに向けたRoseの直向きな姿勢が有ってです。(Kobeの”Mentality”も自分にとっては支えになりました。)
また、この時に履いていたのは2代目Crazylightで、”シューズというインターフェースでどれだけ自分のパフォーマンスに影響が出るのか?”という疑問を抱き、探求の泥沼(このレビューサイトを始めるに至った発端。もともとオタク気質なので、気になるとトコトンなんですよね…)に進ませてくれました。

…という、どうでも良い生い立ちなんですけど、それほどまでに自分を影響を与えたプレイヤーなんです。そのプレイヤーに対して行われた冷遇に、どうしても憤りを覚えてしまったわけです。

もしかしたらシューズセールス等の複合的な要素だったかもしれません。
ビジネス的にもリーグで活躍出来ていないプレイヤーのシューズがセールス的に良いはずもなく、そういった判断が下されるのも分からなく無いです。

それでも、サポート選手に対して最大限サポートする姿勢という選択も有ったのではないかと。
ケガで思ったようにプレイ出来ず、それが要因でメンタル的にもダメージを負ってしまったプレイヤーに対して”違約金”をちらつかせて拍車をかけるというのはちょっと…。

ビジネスの世界でドライに見れば正直これは正しい判断なのかもしれません。
”不採算ライン”とみれば確かにそうかもしれません。
ただ、そのカードを切ったということは、プレイヤーにとって契約を続けるにせよ今後のサポートの不安を与え、さらにウェイトを積み重ねることになると思うんですよね。
そういった足枷は今後のプレイ・キャリアにも影響を与えるものかと。(ケガを意識したプレイにならないと良いのですが…。)

そんな甘い事が通じない厳しい世界ということは十分に分かってます。
それでも自分は、今後どんな形になったとしてもRose応援していきたいと思います!=

I love you D Rose.
I'm very thankful to you.
In giving the trigger which makes me resume basketball to me.
Thanks.

…という、締りの悪い形で締めくくりたいと思います。w
ひとまず次回作も準備されているとのことなので、一安心。(Wallモデルの様に別の名前に置き換えられて発売されない事を願って…。)

コメント

  1. いつも楽しく拝見させていただいてます。

    …ホントadidas許すまじですね!自分もローズが好きでナンバリングモデルは何足ずつか購入し続けておりますが、、8はないです!カラーリングで気に入ったモデルも未だなく、購入の見通しがたちません(泣)
    思えば、外見や素材だけは良かった7からホントにローズにOK貰ったのかと疑っております。(両足首にアンクルブレース装着すると足が入らなくて履き口の一部をカットしている噂アリ)

    ローズ5のフルブースト化で良かったのに………長文、失礼いたしました。

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    1. gieh さん
      コメントありがとうございます!
      幾人かに共感のコメント頂き、書いた身としては本当に嬉しく思ってます!
      …と同時に、感情的になりすぎて読み辛くなってしまったことに本当に反省しております;

      そうなんですよねー、どうもadidasのシグネチャーシリーズはプレイヤーとの距離が遠く感じてます。
      個人的推測ですが、プレイヤーに寄り添って二人三脚で作るN社とデザイナーが作ったものを提案するadidasの差というのを感じてます。
      それでもプレイヤーの意向に沿ってれば良いんですけど、残念ながら今作ではそれを感じることができず、結果こういった文書になってしまいました…。
      自作はそうなってないことを本当に願ってます!

      もしよろしければ今後もご覧頂ければ幸いです!
      以上、ありがとうございました!

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