Nike Kyrie(4) Low レビュー

Kyrie Low 2のレビューでも触れた通り次はコヤツ。
モデルとしては遡ってしまいますし、興味が有る方がいらっしゃるかはあれですが。

と言う訳でご挨拶も程々に、今回は”Nike Kyrie(4) Low”をレビューしてみようと思います。
…なんでUSマーケットではこれをKyrie(4) Lowというネーミングで販売したんでしょう?
ま、いっか。
それではいってみます!!

今回チョイスしたのは”White x Black x Gum”というカラーらしい。(正式名称が分からない…。)
ネーミング通り白をベースにブラックのストラップ、ガムのアウトソールというOld Schoolながら可愛い配色かなと思ってます。特にガムラバーって好きなんですよねぇ…。
ストラップ部分は…なんと表現すればよいか、ペイズリーに似た独特な模様が入ってるのもポイント。おしゃん。
実はストラップ裏側はカラフルになってたりして更におしゃん。


からふる。
デザインストーリーって公開されてましたっけ…。
公開されてたら読んでみたい…。

このディティールだけを見ると大分頭悩ませた様に感じるんですよね。
ヒール周りは1からインスピレーション得てそうですし、アッパー周りは2からのインスピレーションかなと。そうですS1 Hybridみたいなフュージョンに見えまして。
落とし所が難しかったんじゃないかな?と感じるデザインに自分は感じます…。

アウトサイド。
ヒールのイボイボ見えづらいな…。
インサイド。
インサイド側のほうがアウトソール巻き上がってます。
肝心なのは機能!さて行ってみましょう。

まず構造ですが、ハーフブーティーにメッシュアッパーの組み合わせでストラップを付けたもの。ストラップだけがイレギュラーではありますが、それ意外は極めてオーソドックスな構成。

まず真っ先に触れてしまいますが、Kyrie Low 2のレビューでも触れた様にこちらも踝下のフィットが今ひとつ不足してる感を自分は感じます…。
パッド自体は立体的でしっかりしてるものの、シューレーストップによる左右からの抑え込みが効かない様なフィーリングでちょっと心許ないのが正直な感想。

ハーフブーティー。
…って毎回撮ってるけど正直粗この構造なのでそろそろ写真要らない気がしてきました。
ヒール周りのパッドはこちらもしっかりしてるんですけど、やっぱり踝下のフィットが今一つ…。
それはさておき、Kyrie Lowオリジナルのフィット評価を。

レースラインは実はデザイン同様かKyrie 2のように若干アングルのついた配置をしており、アウトサイド側の方を爪先よりにずらされた配置。要するに外が下がってるレースライン。(上の段に行くにつれて徐々に並行になっていく)
外側から斜め内側に対してロックダウンフォースを発生させる配置で突き出しの1歩とかに効果が有る配置ですね。
そしてこのシューズでは更に強化してここにストラップの起点が有ります。

…これは私の正直な感想です。
まず上の構造が素直に効いてくれたら良かったのですが、全部が素直に旨く行ってるようには自分は感じず。
まず幅広に取られたストラップの付け根ですが、ストラップのある部分と無い部分の剛性差が結構有り、突き出し時に干渉して痛みが…。
ストラップを緩めればいけるかというとそうでもなくて、上方向にも縫い付けが有るので基本的にこの構図は変わらないです。
それでもストラップに大きなアドバンテージがあればトレードオフになるのですが、正直な感想としてストラップ自体は基本的に甲の頂点をましたに抑えつける効果しか無く、全体的なフィットとしては辛い評価を付けざるを得なく…。

うーん、これは「KyrieシリーズをLowカットにしました!」というシンプルな話で収まるようなものじゃないんだなと痛感しました…。

無論足型は人それぞれなので全員がこうというわけじゃないと思いたいんですけど、ラスト的にはあってる感じがするので、もし自分のように試着時点で干渉するような感触が有る方は素直に避けてもらうのがオススメになろうと思います。(今更ですけど)

割と曲者…。
ミッドソールはファイロンベースに前後Zoom Airの組み合わせ。
レギュラーモデルなので底材にEVAクッションが入ってます。
インソールは…いつもどおりなのでそろそろ割愛します。
にしても1stなのでプリントはもう少し凝ってあげても良かった様な??
底材いり。
表面。
ヒールのプリントがスウッシュだけなのはちょっと悲しめ。
裏側。
全面貼り付けではありますが、剥がしやすい部類でした。
よく界隈では「Kyrie 2のLowカット」と評されますが、自分はちょっと違った感覚。
ソールフィーリングとしてはどちらかと言うとKyrie 3の方がしっくりきます。
もう少し言うとKyrie 3とFlytrap 2の間の子のようなフィーリング。
Kyrieシリーズは独特なフォア形状が癖でそのフィーリングが結構違うのですが、自分としてはこの表現が一番合点の行くものでした。

話を戻します。
この感触自体は個人的には結構気に入ってます。Kyrieシリーズ独特の癖から見ると大人しめの部類。
それでも突き出しのタイミングだったりステッピングの速さにアドバンテージを感じます。
しっかりと剛性感のあるソール周りでレスポンシブでもありますが、反面Zoom Airの恩恵は自分はあまり感じられず。この辺りは自身の重量によるものかもしれません。
バランスは粗フラットでした。

アウトソールはガムラバーをベースにペイントによる塗り分け…と思ってんたですけど、実はフォアとヒール部分の中心にあるイエロー部分は若干硬度が違ってて若干硬め。
これどうやったんだろう?結構凝ってるなぁーと感じたポイントでした。

こちらもコロナ騒動のちょっと前から履き始められたのでギリギリ冬場のフロアでもチェック済み。
トラックションに関しては不満無し。
ホコリ多めのフロアでもしっかり食ってくれました。

最初は「ペイント雑かよ…」とか思ってましたが、意外にしっかりもの…。
この中心部分だけラバーの質が違うか、硬めで剛性感有り。
最後に重量。
26.0cmで351g…あれ?Kyrie Low 2より軽いのか…。
KD 10 EPが同じサイズで352gなのであれを想像してもらえれば。


ということで、以下の様に評価してみます。

フィット …  6/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 8/10
コスパ … 8/10
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ALL … 38/50

結論:「KyrieのLowカットモデル作るのって大変なのかなぁ…」と評してみようと思います。
正確にはKyrieシリーズ本シグのインスピレーションを盛り込んだモデルをLowカットとして起こすのが大変なんじゃないかなーと思っている、というのが正しいかもしれません。

ディティールや機能的に見ても間違いなく”KyrieのLowカット”はこの1stモデルの方だと自分は感じてます。(2は正直別物感が…。)
ただ要素を全部表現しようとして若干無理した感が否めない、というのが正直な感想です。

機能部分をちょっと深堀りしてみます。
正直な感想としてあの独特なフォア形状+このソールのレスポンスに対してアッパー側の剛性が若干不足気味に…。
もっと言ってしまうとこのソール特性を活かすにはオリジナルのミッドカットの方が活きてくるだろうなぁ…というのが正直な感想です。

で、Lowカットの話に戻すと実はFlytrapシリーズは完成度が高い仕上がり。
というのはおそらくソール剛性が少し低めでアッパーとのバランスがちょうど良いからかと。
ソールのみの話をするならば勿論Kyrie Low 1の方がパフォーマンスに優れます。
が、全体的なバランスで見るとちょっとちぐはぐしてるかなーと言うのが最終解となりました。

Kyrie Low 2があの仕上がりで且つ本シグの6がフラット寄りの傾向。
Flytrap 3は2をベースにストラップを追加しミッドカット化はしましたが大きなアップデートは無し。
となると次回作はどうなるんでしょう…。実はまだまだ気にはなっています。

少なからず、
これはKyrie 4のLowでは無い!!!!
現場からは以上です。

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